ロケットーーク

「No.1になること」天弓ゲーミング、Sorが目指す世界

八丈島のトッププレイヤーSor

東京から一番近い南国…。

そう呼ばれる島。その名は八丈島という。

伊豆諸島の1つであり、東京からはおよそ270キロ南に位置する。
人口は1950年をピークに減り続けており、現在はおよそ7000人強。
特産物のフェニックス・ロベレニーは、まさに南国を思わせるヤシ科の植物。島の人々はロベと呼んでいるそうだ。

そんな環境で育ったのが天弓ゲーミング所属のロケットリーグ・プレイヤー、Sorである。

「島にある店はほとんど知っている」

彼自身がそう言うほど、小さな島。
だが、彼は大会で実績を残し、現在ではトップを狙うチームに所属している。

ウミガメの楽園とも言われるこののどかな島で、彼のようなトッププレイヤーがなぜ生まれたのだろうか?

”島っ子”がeスポーツと出会う

Sorがロケットリーグを知ったのは、Paschy90というドイツのトッププレイヤー(現在は競技シーンから退いている)のモンタージュを見たからだった。

Paschyの華麗なプレイに魅了された彼は親に懇願し、Steam版のロケットリーグを入手する。
ゲームは発売されたばかりの頃。彼も中学生だった。

若いプレイヤーは、大抵の場合プレイステーション4版を買うものなのだが、父親の趣味のおかげで最初からSteam版に触れることができた。
PS4のプレイヤーは、トップを目指すようになると大抵Steamに移行していく。それを考えるとこれは僥倖だったと言えよう。

なぜPaschyのモンタージュにたどり着いたのかということも、すでに彼自身も忘れてしまっていた。これは偶然の出会いだったのだろうか?何かに導かれたのでは?とすら思ってしまう。

ランクがグランドチャンピオンに到達してからは大会へも参加するようになった。
初参加の大会はoreRevo杯。
比較的新しい大会だが、初期の大会へ不参加だったのは、彼が若すぎてTwitterなどで情報収集できなかったからだった。

oreRevo杯には計7回の出場。最高順位は準優勝。
当初は一時的なチームでの参加だったが、やがてAstro Style(あすとろすたいる)という固定チームで活動するようになる。

その大会での活躍ぶりを評価され、天弓ゲーミングへ勧誘されることになるのだが、これはRaquaの回で書いたとおりだ。

いずれは黙らせる

現役高校生であるSorは、先ごろ行われた『全国高校eスポーツ選手権』のロケリ部門にも出場した。
初心者メンバーを率いて、あと一歩と言うところまで勝ち進んだ。だが、惜しくも予選敗退という結果になった。

全校生徒130人ほどの高校で、当初、彼以外にはロケリプレイヤーは居なかった。
出場すら難しいはずだが、彼の情熱が可能にしたのであろう。

高校ではテニス部に所属しているSorだが、チーム練習のため、早めに帰宅することを許されているそうだ。
ロケリを優先してもらっている」と言う。
なかなか柔軟な考えの学校だ。だがそれも彼の熱意が先生に通じたからなのかもしれない。

近頃のeスポーツの波に上手く乗れたということもあるだろう。
だが、先生によっては「たかがゲーム」と、鼻で笑うような態度の方もまだまだいらっしゃるようだ。

Sorは「いずれは黙らせる」と言う。
もちろん、ロケリで結果を出して、ということだ。
彼は将来の夢としてプロゲーマーになることを、先生にも伝えているという。

目指すは”No.1”

Sorはロケットリーグにのめり込むうちに、世界大会であるRLCSや、プロプレイヤーを目指すようになっていた。

それが、よりプロ志向の強い天弓ゲーミングからの誘いを受けた理由だ。

”No.1”を目指す」彼はチームの最終目標をそう掲げた
それは今のところ”日本で”となるが、すでにその先の”世界”すら視野に入れている。

Sorの言うチームの”売り”は島っ子が居ること…の他にはパスが強いというところ。
以下のムービーをご覧いただければ、彼の言うこともうなずける。

ところで、この記事を執筆中にAPL3.0予選が行われたのだが、天弓ゲーミングは惜しくも4位で敗退となってしまった。

しかしこれで終わりではない。
まだ国内リーグ『PRIMAL』も控えている。
「最初のオフは勝って行きたい」と言うSor。PRIMALで勝って初のオフライン参加を目指す。

前述のフェニックス・ロベレニーの花言葉は「躍動感」である。
葉状がいきいきと四方八方に広がる姿がその由来だ。
それゆえ、新たな事業の門出などの祝品として送られることもある。

天弓ゲーミングはまだまだ始まったばかり。
何度挫けたとしてもフェニックスのように蘇り、様々な大会で躍動してくれることであろう

今後のSorの活躍に期待したい。


備考

この記事は『ロケットーーク第10回』の内容を元に作成されたものです。
記事中の敬称は省略しています。
配信アーカイブは以下。



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