以心伝心クラブ。
こんにちは、セタゲンゴです。
今週の水戸ホーリーホックですが、まずは週の真ん中に試合があり、アウェイにてV・ファーレン長崎(以下、V長崎と省略)さんと対戦となりました。
試合結果は0-1の敗戦。
試合内容を考えれば、最低でも引き分けれたんじゃないかと思ってしまいますが、そうならないときがあるのがサッカー。
今すべきは結果を受け入れて、何が敗因なのかを分析し、改善点を明確にして、次のことを考えること、つまりPDCAです。
Plan(戦術、戦略を考え)、Do(試合でそれを表現し)、Check(結果を分析し)、Action(改善に向けた施策を打つ)を、こんなに短いサイクルで繰り返すってなかなか特殊なこと。
これはどこの企業でも働く上で大事な考え方ですが、プロスポーツの世界ではこれが超高速なタイミングで繰り返されるわけです。
今は連戦が続く時期。
ターンオーバー(選手の疲労度なども考慮して、起用する選手を意図的に変えていくこと)により出場する選手が変われば、自ずと戦い方は少しずつ変わってきます。
だからこそちゃんと分析してどういう選手構成が良いのかってことは、しっかり考える必要があるでしょう。
ここは選手も大変ですが、監督コーチングスタッフも大変。
そんな彼らが一番報われる瞬間は、ファンサポーターの皆さんと勝利を分かち合うとき。
次のホーム戦が目の前ですから、私たちフロントも、一人でも多くの方にご来場いただけるように尽力するのみです。
アウェイ帯同サポの力
今回のアウェイ長崎戦、私も帯同させていただきました。
クラブの方針として、今はアウェイは最低限のスタッフで行くことになっており、私は関東圏の試合以外は基本的には行かないのですが。
今回は現在私たちが進めるプロジェクトに向けての視察・現地調査の意味もあり、(古巣ということもあり、)長崎にお邪魔してきました。
このプロジェクトの件はおいおい詳細が明らかになっていきますのでお楽しみということでお願いしますが、今回の長崎の地で一番印象に残ったことを記しておきます。
それは平日にも関わらず、長崎まで応援に駆けつけてくださった約30人のファンサポーターの姿。
きっとその多くは平日に茨城から長崎まで、来てくれたんだと思います。
仕事をされている方々であれば、確実に休みを取ってくださってます。
私も今回は同様のルートを移動してきたわけですが、単純に考えても相当な時間とお金を掛けて来てくださってます。
ナイトゲームでしたから、確実に宿泊されてます。
これだけでも本当に、本当に、感謝しなくてはならないなと、改めて思いました。
ゴール裏には来てくれた人数と同じくらいの横断幕も掲げてくださっていて。
金沢で行われたアウェイ戦のときも、過去のユニフォームを100枚以上掲出してくれていましたが、そういう一つ一つの行動が本当に有難いです。
V長崎の運営のスタッフも、あの人数であれだけの横弾幕を持ってくるのはすごい、と言っていました。
声こそ出せませんが、太鼓と手拍子でピッチの選手たちにパワーを送り続けてくれてました。
「以心伝心」
あそこに一人もサポーターがいなかったら。
1枚も横断幕が出ていなかったら。
もちろん選手たちはサッカーを生業としているプロです。
どんな状況でもベストを尽くしますし、結果のために全てを出し切る努力をします。
でも、彼らもまた一人の人間であり、外的要因により、色々な影響を受けるのも事実。
だからこそ、そこにファンサポーターがいてくれることは本当に心強いし、直接会話しなくても、直接声出ししなくても、その想いは伝わってくるものです。
私はスタンドを見て、「(ファンサポーターの数が)少ないなぁ」、なんて感情は全く出てきませんでした。
むしろ平日なのにあれだけの荷物(横弾幕)を持ってここまで来てくれる人たちがいることに対して、とにかく感謝の想いが強かったです。
私はピッチに立つ立場の人間ではありませんが、それでもこうやって来て下さる皆さんのためにも全力で戦わなくちゃ、と、改めて気が引き締まる思いでした。
つまり。ファンサポーターの存在って本当に大きいってことです。
声が出せないからこそ、行動で示すことのインパクト、決して小さくないと思います。
むしろ、その行動の価値は大きくなっていると感じます。
前回のNoteでも書きましたが、「語らずして伝える」という手法って、ある意味究極ですし、双方の想像力があって成り立つわけじゃないですか。
まさに、以心伝心。
そうやって長崎まで足を運んでくれる人たちがいることは、選手たちだけでなく、クラブに関わる全ての人間にパワーを与えてくれるんです。
ちなみに、ちゃんと記載しておきますが。
もちろんDAZNを通じてホームからもたくさんの方々が念を送ってくださっていたことも忘れてはいませんし、同様に心から感謝しています。
今回のNoteでは、アウェイまで足を運んでくださるファンサポーターへ、格別の想いを持っている、ということを伝えたいという趣旨ですので、それはご理解ください。
伝道師たち
それを踏まえて。
選手たち全員が同じように感じてくれたかは分かりません。
もしかしたらJ1のビッグクラブから来た選手たちの中には、アウェイでももっとたくさんのファンサポーター来てくれてたなぁ、なんて思った選手がいたかもしれません。
でも秋葉監督はこういったことにアンテナが張れる方。
ファンサポーターがいかに大切で、それが数ではなく価値の問題であることをちゃんと理解している方。
こういう存在の大切さを、きちんと選手に伝えていける”伝道者”でもあります。
過去にもチームのミーティングでそういうことを選手たちに伝えてくれていますし、その辺はGMの西村も同様です。
西村は、いちファンサポーターの書いたNoteをチームのミーティングで紹介し、選手たちにそういう存在の重要性を強く伝えてくれました。
またこのNoteはクラブ全体で取り上げて発信したことで、最終的にはJリーグ全クラブにまで共有されることになりました。
水戸ホーリーホックはまだまだ小さいクラブかもしれません。
でもJリーグという大きなグループの中にいますし、小さな石コロでも、投げ込めばそれは小さくない波紋となって広がっていくのです。
社長の小島もそう。
彼のSNSを通じた発信に掛ける姿勢は、もはやJリーグ界でトップと言って間違いないと思います。
それはフォロワー数とか、いいねの数とか、そういうことではありません。
他者に認められたい、といった自己肯定欲・自己顕示欲ではなく、クラブファーストを大前提とした発信を続けるスタイル。
日々アンテナを張り続け、ファンサポ―ターと全力で絡み続ける姿は、誰も真似できることではないですし、勇気と覚悟がいること。
うちにはそういった伝道者たちがいる。
これが最大の強みであり、水戸ホーリーホックがJリーグの中でも唯一無二のクラブになりつつある、大きな要因だと確信しています。
ちなみに余談ですが、V長崎戦の試合前、私を見つけた秋葉監督が「Note見させてもらってるよ!有難うな。ああいう発信はすごく有難いよ!」と。
インターナルマーケティングもちゃんとできています。
ちゃんと見ているし、ちゃんと伝えてくれる人たちなのです。
水路を繋ぐ人
大切なことなのでもう一度書きます。
皆さんの行動や想い、発信してくれるものは、ちゃんと私たちに届いています。
届いていない部分には届かせます。
微力かもしれませんが、私のこのNoteもその一つです。
私たちは、選手たちへ皆さんの想いを伝える役割があると思いますし、皆さんの想いをファンサポーターへ広げていくミッションもあります。
かつてジェフ市原や日本代表を指揮したオシム氏が、ある選手たちを「水を運ぶ人」と表現したことがありました。
あえてそれをオシム氏風に表現すると、、、
私たちフロントや監督コーチを含めるスタッフ陣は「水路を繋ぐ人」という感じでしょうか。
農業事業に取り組む水戸ホーリーホックだからこそ、田んぼを連想させるような表現をさせていただきました。
選手たちが伸び伸びと発育し、最高の稲穂を実らせるように、そこに水を引き込む。
全ては美味しいお米になるために。
農家の方々って、最終的にどんな方々の口に届いているかをすべて知ることはできません。
でもそういう方々に美味しいと思ってもらえるために、日々丹精込めて農作業されているのです。
選手たちもそれに近い気がします。
応援してくれる多くの方々のために、日々練習に励み、ピッチの上で表現し続けているわけですから。
そして我々スタッフ陣は、最高の稲穂を作るために、土を耕し、肥料を巻き、雑草を取り除く、そんな作業をしているように感じます。
さいごに
私たちの興行は、ファンサポーターの方々あって成り立つもの。
皆さんに応援していただくことがすべてです。
そんなスタジアムで、私たちは実りある結果を出すために、それぞれがそれぞれの役目に全力で取り組みます。
だからこそ、アウェイは難しくても、ホームの試合にはできるだけ足を運んでいただきたい。
全力で皆様をお迎えするための企画を考え、安心安全のスタジアム運営にも尽力いたします。
そして選手たちは皆さんの想いに少しでも応えられるように、全力でピッチの上で勝利を目指して戦います。
前節はV長崎に敗れましたが、最後の最後まで走り切った部分は、「絶対最後まで諦めない!」という選手たちからのメッセージだと思ってもらえれば幸いです。
明日はホームでヴァンフォーレ甲府さんを迎えます。
ゴールデンウイークの週末となりますが、是非ケーズデンキスタジアム水戸にお越しください。
ご家族やご友人を誘ってご来場ください。
私は明日、メインゲートの上で皆さんをお迎えします。
見かけたらお声がけください。
試合後に、皆さんとともに勝利を分かち合えることを願っていますし、最高の気分で帰っていく皆さんに感謝を伝えたい。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
そんな想いです。
皆さん、”美味しいお米”を味わいに、お越しください。
病みつきになりますよ、水戸ホーリーホックという銘柄は。
忘れられないGWにしましょう!
頑張るときはいつも今
瀬田元吾
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