見出し画像

一級建築士製図試験勉強の始め方

こんにちは、記述研究所の源です。

今日は製図試験勉強の始め方についての話です。この記事は研究所員の3人が経験したこと、感じたことと、周囲の様子をまとめたもので、製図試験受験生の一例をお伝えします。

気軽に読んでいただき、自分に役立ちそうな部分だけ参考にしてみてください。



スケジュールを立てよう

試験日までのスケジュールを立てます。いつまでに、何をできるようにするのかの目標を定めます。

大きなポイントとしては、例年7月に発表される製図試験課題です。令和6年であれば、10月13日(日)の試験日に対して、7月26日(金)に課題が発表されます。

この課題が発表されてからは、詳細な対策を始める事ができるので、それまでに基礎的なことは済ませておくようにします。

まずは、合格までに必要な能力を列記します。

合格に必要なスキル
1.建築に関する一般知識
2.法律知識
3.図面を書く(手順、速さ、見た目)
4.パーツ(階段、トイレ)などの細かな定形物
5.文章作成
6.設備知識
7.エスキス

課題発表までにやっておきたいこと

1から6までのスキルはどんな課題であっても共通です。基礎的な部分をしっかり固めておきましょう。

エスキスに関しては、課題によって基準階型ゾーニング型が変わります。テーマによって、エスキスに必要な知識は大きく変わるので、課題発表後から本格的に練習すれば、余分な知識を覚えることがなく、勉強時間の無駄も省けます。

課題発表前は、基本的な手順を忘れないよう、サラッと見直す程度で良いと思います。


1.建築に関する一般知識

試験に関する知識として必須というわけではありませんが、やはり建築への興味は常に持っておき、知識は加えておくべきと思います。

実際の建築物を興味を持って見ることで、本試験で迷った際の判断に役立つこともあると思います。実例の建築物を見たり、本での知識を加える程度のもので、余裕のある時期にやっておくことになります。

本試験で迷った時に役立つ知識があるかもしれません。


2.法律知識

製図試験での法令違反は即座にランクⅣにつながります。毎年、標準解答例の図面には注意すべき法令が書かれています。

少なくとも、直近の数年に書かれている法令は全て完璧に押さえておきましょう。

製図試験での法律知識は、法令集の持ち込みが許可されている学科とは異なり、あやふやな知識では対応できません。

しっかり法律の内容をイメージでき、数字や条件もしっかり把握しておく必要があります。

時間に余裕のある時期に、深堀して知識を定着させておきましょう。


3.図面を書く(手順、速さ、見た目)

図面は練習した分だけ、上手くなります。作業のように手を動かしても意味がないので、しっかりと頭を動かしながら作図の練習をしましょう。

まずは、平易な図面をトレースすることから始めます。いきなり、標準解答例をトレースしても、複雑であるため心が折れるだけですので避けましょう。

作図スピードが短縮できない原因の一つには、作図手順が身についていないことがあります。

毎回、書き方が変わってしまうようでは、効率的な作図ではありません。まずは、作図の本を参考にして、手順を覚えましょう。その後、自分なりのアレンジを加えていくことで更なる時間短縮を目指します。

時間短縮のためには、フリーハンドを取り入れることも効果的です。しかし、フリーハンドには、向き不向きもありますので、ある程度試して効果が出ないようでしたら、早めに切り捨てる判断が必要です。

図面は見た目の印象も気にした方が良いと思います。同じレベルの内容であっても、線や字が綺麗な図面の方が優れていると判断される可能性が高くなります。

普段、字を手書きすることはほとんどないと思われますが、製図試験の勉強期間は意識的に手書きを増やすようにし、字の練習もするようにしましょう。

字は手本となる字形がイメージできないと上手くなりませんので、手本を見て形を覚えることも練習の一つとなります。


4.パーツ練習

作図のスピードが上がらない原因の一つに、細かなパーツ(階段、トイレなど)を書くのに時間がかかっている場合があります。

対策としては、苦手なパーツを繰り返し練習して手に覚えさせてしまうことです。

一例として、時間のかかるパーツとして、階段があります。建築基準法バリアフリー法のそれぞれに対応した階段を覚え、余裕がある場合には、異なる階高にも対応できるよう、パターンを増やしておきましょう。

パーツ練習は製図板がなくてものできるので、場所を選ばす、隙間時間を使ってノートの片隅に書き進めましょう。


5.文章作成

記述は暗記で十分ということが言われますが、「計画の要点」は自分の設計に関する考えを試験元に伝える場所です。

まともな文章が書けなければ、どんなに素晴らしいプランも伝わりません。普段から文章を書きなれない場合には、文章を書くことから学ぶ必要があります。

まずは、文章の基本パターンを掴むことから始めましょう。その後は、基本的な例文を読むことで、記述に必要なキーワードを増やしていきます。


6.設備知識

製図試験では、空調、照明、給水などの設備に関する知識も必要となります。とりわけ空調は複雑であるため、一気に詰め込むことで混乱してしまう受験生は多いです。

近年は、省エネルギーに関する設問も増え、ますます設備は複雑になっています。さらには、図示を求めらることも多くなってきたため、設備の勉強は時間かけてじっくりやりたい分野です。

教科書などを落ち着いて読み、課題発表前に全ての基本事項を理解しておけば、テーマへの対応がスムーズに進めることができるようになります。

また、近年の記述問題では、一歩踏み込んだ知識をイラストと共に答える問題が出題されます。早めの対策が必要な分野です。


7.エスキス

作図、記述、エスキスの中で、最後まで不安が残るのはエスキスです。課題発表以降は、エスキスに全力投球できるよう、作図、記述は発表前に8割方、仕上げておけるといいですね。

作図は手順を固め、速さと見た目を上げます。記述はテーマに沿ったキーワードを追加で覚えるのみです。

エスキスは、テーマに沿った問題を複数回解くことで精度が上がっていきます。事前に毛色の違うテーマの問題を解きすぎると、余計な癖がついてしますので、エスキス以外のことを完成させておくことをお勧めします。


記述研究所のテキストなら、隙間時間で記述の実力が付きます。

©️2023一級建築士記述研究所