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環境負荷低減計画

一級建築士製図試験における「計画の要点等」について、当研究所では建築計画、構造、設備、環境負荷低減の4分野に分類しています。

今回は「環境負荷低減計画」です。環境負荷低減は現代の建築において、必ず求められる条件ですので、今後も出題される分野です。

この分野は「設備計画」との関連性が高い分野です。お互いを確認しながら、理解を進めてください。


出題傾向分析

近年、環境負荷低減分野の出題は1~2問となっています。頻度としては他の分野に比べて多くはありませんが、コンスタントに出題されます。

設備分野との結びつきが強く、製図にも必須の知識となりますので、設備計画とともに、早めに全体像をつかんでおきましょう。

環境負荷低減とは

環境負荷低減は、建物で消費される様々なエネルギーを低減させることです。建物で使われるエネルギーの主なものは以下のとおりで、これらを様々な手法を用いて減らすようにします。

[建築物で消費されるエネルギー]
1.空調エネルギー
2.給湯エネルギー
3.照明エネルギー
4.給水エネルギー


各エネルギーを減らす手法としては、パッシブデザインアクティブデザインがあります。

[パッシブデザイン]
「パッシブ」が「受動的な」という意味であり、自然エネルギーを建築設計手法にて受動的に利用することを指します。機械装置を使わずに快適な環境をつくる方法のことです。
[アクティブデザイン]
「アクティブ」が「能動的な」という意味であり、自然エネルギーを建築設計手法にて能動的に利用することを指します。機械装置を用いて快適な環境をつくる方法のことです。


1.空調エネルギー削減

空調エネルギーを削減する方法を示します。

[パッシブデザイン]
外皮断熱性の向上
日射遮蔽性能の向上
自然通風の採用
[アクティブデザイン]
各種アクティブデザインの採用

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