総論
記述研究所のコンセプト
記述は暗記で十分?
「記述は解答例を暗記するだけで十分です」と指導される事はよくありますよね。
これは半分正解で、半分間違っています。
文章が上手くなる手段として、模倣から入ることは有効です。まず、基本の型を覚えてしまうことで、人に伝わる文が書けるようになります。
しかし、模倣だけでは不十分です。問われることが常に同じとは限りませんし、暗記しただけでは応用が効きません。
当研究所では、例文を示しながら、なぜそのような文章になるのかという裏付けも解説しながら、記憶に残りやすく、応用が効く構成としています。
平易な文章と図による補足
読み手に伝わりやすい文章を目指し、難しい言葉、用語は使いません。初めて読んだ中学生でも理解できる文章を目指しています。
また、近年の記述問題ではイメージ図が必須とされ、重要な部分を占めています。解説や補足では、多くのイラストを用いることとしています。
普段から解答用イメージ図に多く触れ、どのような設問でもイメージ図が浮かぶようにしています。
必要最小限の知識を最短で習得
全体の勉強方針としては、最短時間で記述に必要な基本知識を得ることを目標とします。滅多に出題されない問題、出題可能性の低い問題は削ぎ落とし、誰もが得点できる問題を取りこぼさないようにします。
広い知識を得るよりも、骨子となる基礎知識の習得を優先します。
記述問題はオマケ?
記述が試験結果を左右します
一級建築士試験では製図と記述が要求されます。記述問題はオマケと思われがちですが、実は試験結果を左右します。
一級建築士試験結果は以下のランクI、II、III、IVの4段階で区分されます。
製図試験の採点方法は明らかにされていませんが、ランクⅢやⅣの結果は知識不足、重大な法令不適合、未完成などと発表されています。
図面だけではなく、記述解答においても、完全に知識不足な解答や無回答の設問があった場合などが該当する可能性があります。これらは6割弱を占め、多くの受験生が知識不足と判定されています。
最終的に合格するためにはランクⅡの壁を越える必要があります。令和3年度の試験結果では、ランクⅡの構成比は6.3%、約660人です。ここを抜け出すには、図面よりも記述で差をつけることが有効です。
あくまで製図に軸足を置きながら、隙間時間の記述勉強で合格を引き寄せます。
記述の得点アップ方法
記述の得点を上げるため、以下のことに気をつけるといいでしょう。
文字を丁寧に書く
文字は訓練することで、速く書きながらも丁寧な文字に見せることができます。試験勉強中は手書きする機会を増やし訓練しましょう。
読みやすい文字とするため、文字の大きさに気を配りましょう。漢字を大きめに、平仮名を一回り小さく書くと全体のバランスが良くなり、読みやすい文となります。
文体を統一する
解答の文体は全体を通して統一します。文末がバラバラだと、説得力が欠ける文章となります。試験では「です、ます体」または「だ、である体」のどちらかで統一しましょう。
受験生の多くは「である体」を使用しています。自分の意見を主張する「試験」では「である体」の方が説得力が増します。