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日本一わかりやすい“しゃべり口調”ISO9001解説~箇条7~

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ISO9001の分かりにくさについて、以前の記事で紹介しました。

ISO9001を教えていて思うこと

その思いに基づき、分かりやすく、しゃべり口調で各箇条を書いていきます。原文は敢えて記載しません。理由は、載せてしまうと難しい言葉が文面に表れてしまうことと、あとは著作権の関係ですね。。(こっちが本音)

この記事では、箇条7 支援 について書いていきます。

この箇条は、実際にものづくりをする製造現場や開発現場、営業現場などが活動するのに必要となってくるような、モノとか環境とかについて書かれています。経営層はもちろんですが、管理層の方は特に意識すると良いかもしれませんね。

また、ここでは「めんどくさい!」とISOが最も勘違いされやすい文書管理についても書かれています。どんな翻訳が良いのか、参考にしてください。

※注意点
この解説は、中小製造業の機械加工や板金加工、射出成形、あるいは機械組立の場面を主に想像しているものになります。
※注意点2
かなり噛み砕いて書いているので、多少のニュアンスの違いは勘弁してください。ただ、こう話した方が現場の人はまず分かっていただけるのではないかという私的な思いです。

7 支援 

7.1 いわゆるヒト, モノ, カネ, 情報って言われるような資源はこうやって取り扱ってくださいね

7.1.1 最初はごく一般的な話です。 

会社としては、いい仕事をするために、仕事をより良いものにしていくために必要な、ヒト, モノ, カネ, 情報をちゃんと決めて、仕事の部署や担当者に与えてくださいね。

で、そのためには、以下のa), b)2つのことを考えておいてください。

a) 今もう既にある会社内の資源だけでできることとか、できないこととかちゃんと把握しておきましょう。

b) 会社の外に頼らないといけない資源があるなら、それを決めておいてくださいね。例えば、機械加工はできても塗装はできないから別の協力会社にお願いするとか、設備の組立はできても鋳造の材料は作れないからメーカーにお願いするとかってことですね。

7.1.2 ヒト 

会社として、良い仕事をするためだったり、良い仕事が出来ているかを管理するために必要なヒトがどんな人なのかをちゃんと定義して、それを各部署とか作業場に割り当てないといけません。

例えば、倉庫内の在庫の運搬するには、フォークリフトの免許持ってないとダメだとか、経理やるなら商業簿記や工業簿記の経験がある人が良いとかってことですね。

7.1.3 主機設備や付帯設備

会社は、仕事をするために必要な設備関係とか、不良品を作らないために必要な設備関係はちゃんと明確にして、担当部署とか作業場にその設備を与えなければいけませんよ。

注記 その設備っていうのは、次のa)~d)の4つがあるでしょう。

a) 工場とかの建物とか、エアコンプレッサーとか循環水ポンプとかの設備なんかがありますね。

b) 機械設備のようなハードと、その機械設備を動かすための組み込みソフトウェアとかも含みますよ。

c) 製品を運ぶためのコンベアとかフォークリフトとか自動倉庫とかも含みます。

d) インターネット環境やサーバー環境とかも含みます。

7.1.4 プロセスの運用に関する環境

会社は、仕事をするのに必要だったり、不良品を出さないために必要だったり、お客さまの満足度を得るために必要な環境をちゃんと決めておいて、その環境を作業現場とか仕事現場にちゃんと用意して、維持しないといけませんよ。

注記 適切な環境っていうのは、次のa)~c)に挙げる、人の要因だったり物理的な要因だったり、それらの組みあわせってことですかね。

a) いじめとか、派閥があって雰囲気悪いとかの社会的要因

b) ストレスがあるとか、燃え尽き症候群とかの心理的要因

c) 暑いとか蒸し暑いとか、寒いとか、乾燥がすごいとか、まぶしいとか、うるさいとかの物理的要因

で、これらの要因は、どんな製品を作ってるかで全然変わりますよねってことです。

ISOって一見すると製品の品質と関係ないような職場雰囲気とかまで言及してるんですよ。これを使わない手はないですね(笑)
ただ、鉄工所なのにメチャクチャ静かにしろ!とか、菌を繁殖させる現場なのに蒸し暑いから乾燥させろ!とかはダメなんですね。まぁムリですからね(笑)ただし、音の大きな現場では耳栓を準備するとか、蒸し暑ければ半袖の通気性の良い作業着を準備するとかの努力はしたほうが良いですよね。

7.1.5 うまくいってるかをちゃんと見るために必要なものについて

7.1.5.1 まずは一般的なことから見ていきましょう。 

お客さまのニーズに対して、ちゃんと期待に応えたものができているかを確認するために、何か測定するものとか判定するものとかを使う場合には、会社は、その測定とか判定が正しいってことを保証するために、測定するものや判定するものに使うものをちゃんと決めて、現場に与えないといけません。

例えば、分かりやすいところで言うとノギスとかの測定器ですね。寸法が間違ってない、確かにその値だ、っていうことを保証するために、測定に使用するノギスを決めて、そのノギスを使わないといけないっていうことです。適当に個人持ちしてるもので測定してOK!ってやっちゃいけないってことですね。

Go-NoGoゲージなんかもありますよね。ちゃんと決められたものを使ってくださいね!

で、会社として、その用意したノギスとかの測定器やゲージとかの判定器は、次のa), b)の2つのことをちゃんとやってくださいね。

a) 測定しようとする、あるいは判定しようとすることに対して、測定器や判定器は適切なものを選んでくださいね。例えば、長さを測ろうとしてるのに分度器とか使ったらダメなわけです(笑)

b) ちゃんと正しく測定できてるってことを保証してください。で、その正しさを証明するために、何かしらの記録を残さないといけません。具体的なことは次の項目で説明します。

7.1.5.2 何を使って測定したのか、いつ測定したのか誰が測定したのかとかが、後からでもわかるようにしてください。

正しく測定した!ってことがちゃんとわかる必要があるもの、例えば、加工した部品の外寸とか篏合部分になる部分の穴径とかの重要寸法とかの場合、その時に使う測定器は次のa)~c)のことをちゃんとやってくださいね。

a) きちんとした機関、測定器のメーカーとかですね、そこで、定期的に、もしくは測定直前に測定器を校正してください。もし、社内のオリジナルゲージとか、きちんとした機関がない場合には、どのように校正しているかを証明できるもの、例えば、このゲージはきちんと校正されてる三次元測定機で寸法確認してる、とかですね、そういうことを記録として残してくださいってことです。

b) どの測定器がいつどのように校正されたのかを、測定器個別に分かるようにしてください。良くやるのは、測定器そのものに校正日次とか管理No.とかのシールを貼るとかやってますね。

c) せっかく校正してるのに、それをダメにしちゃうようなことはしないでくださいね。で、もし測定器が「校正ズレてる!」ってなった場合、それまでに測定してきた結果が大丈夫なのかってことを確認して、もしダメなら、作り直すとか、特採にするとか、それなりの対応をしてくださいね。

7.1.6 会社としての知識とかノウハウ

会社は、仕事をする上で必要な知識とか、不良品を作ったりしないために必要な知識をはっきりさせておきましょう。で、そのはっきりさせた必要な知識はちゃんと持ち続け、使いたいときには使えるようにしてください。

例えば、溶接をするには技師の資格が必要とか、フォークリフト運転が必要なら免許がいるとか、経理やるなら簿記3級は必要とか、必要な知識とかを明確にしておきましょうってことです。さらに、そういった知識とか資格とかを使えるようにしておいてくださいってことですが、期限が切れてるとか、免許証は個人で持たせるのではなく会社に置いておくとかして、使っても問題ないようにしてくださいってことですね。

お客さまの要求が変化してきたときには、今持ってる知識を踏まえて、新しく必要な知識とかをはっきりさせることとか、どうやったらその新しい知識が得られるか、とかをちゃんとはっきりさせてくださいね。

玉掛けの資格だけじゃなくて床上操作式クレーンの資格が必要だってなったとき、このウェブサイトを見ればどうやって取れるかわかる!とかをはっきりさせてくださいねってことです。


注記 1   会社の知識やノウハウは、その会社に特有のもので、いろんな経験やその蓄積で得られるもので、そんな経験や知識やノウハウは、会社としての目標を達成するために使われるために共有されるものです。

特定の誰かが知っていればいいってものじゃないですよてことですね。

注記 2  会社の知識やノウハウは、次のa), b)の2つに基づいたものです。

a) 社内から得られるもの。

例えば、新技術の特許発明とか、ずっと生産してきたからこそ得られる経験とか、何かの成功事例だったり、失敗事例だったりから得られた学びだったり、必ずしも記録として残っていないような経験的な知識だったりとか口伝の経験則だったりとか、仕事のやり方を改善してきたり、製品をより良くしようと改良してきた結果だったりとかってことですね。

b) 社外から得られるもの。

例えば、ISOのような標準とか、学会が発表した新技術とか、国際会議や公的な会議で議論されているようなことだったりとか、お客さまがいろんなアイディアや情報をくれるとかってことです。

7.2 力量、人のスキルのことですね

会社は、人のスキルの管理として、次のa)~d)のことをしてくださいね。

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