見出し画像

アマプラ・ネフリ等配信サービスのYouTubeチャンネル活用戦略を比較する

国内の定額制動画配信18サービスを対象に、認知・利用などの市場浸透状況、露出状況などを毎月レポートしている「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」は2021年7月号より、各サービスの「YouTube公式チャネルにおける動画再生回数」調査を追加し、これまでの「テレビCM」「番組内露出(番宣)」「ツイッター」「WEBニュース」「ブログ」と合わせ、より多面的に分析が行えるようになりました。そこで今回、その最新結果をもとに「YouTubeにおける露出戦略の分析結果」をレポートいたします。

「Amazonプライム・ビデオ」のYouTube公式チャンネルの動画再生回数が圧倒的1位、次いで「ディズニープラス」「ABEMAプレミアム」「Netflix」「DAZN」「dTV」が積極活用

下記は、各定額制動画配信サービスのYouTube公式チャンネル(注1)における公開動画(注2)の2021/7/1~7/31における月間の合計再生回数ランキングです。再生回数は自然検索による再生数とプロモーションによる再生数の両方を含みます。
注1:「TELASA(テラサ)」は公式チャンネル「TELASA テラサ」以外に、テレビ朝日の公式チャンネル「tvasahi」内にある再生リスト「TELASAおススメ!」の動画も集計対象。「Apple TV+(アップルプラス)」は「Apple Japan」チャンネル内の「Apple TV+(アップルプラス)」に関する動画のみ集計対象。
注2:動画が“限定公開”の場合は対象外とし、一般公開への切り替え日を公開日として対象。ただし、“限定公開”中の再生回数は、一般公開日に一括でカウントする。

YouTube公式チャネル動画再生回数ランキング(7月)

7月の動画再生回数ランキングでは、「Amazonプライム・ビデオ」が4,000万回超と、2位の「ディズニープラス」の約4倍と圧倒的な差をつけ、1位に入りました。「Amazonプライム・ビデオ」は6月のランキングでも突出して1位でした。そのため、「Amazonプライム・ビデオ」がほかの定額制動画配信サービスと比べて、最もYouTubeでの露出に積極的であることが見てとれます。

続く2位以下には、「ディズニープラス」「ABEMAプレミアム」「Netflix」「DAZN」「dTV」が入り、比較的再生回数が多いグループとなっています。これら5サービスは6月ランキングでも順位の変動はあるものの、上位を占めていました。「Amazonプライム・ビデオ」と合わせて、これら6サービスがYouTubeの露出に積極的であると言えます。

ちなみに、テレビ局系のサービス(「Hulu」「Paravi(パラビ)」「TELASA(テラサ)」「FOD(FODプレミアム)」)の再生回数は少なめですが、「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」によると、これらのサービスはやはりテレビ番組での露出が多く、自社メディアという強みを生かした露出を優先しているためと推察されます。

短尺・宣伝型動画が上位の「Amazonプライム・ビデオ」「ディズニープラス」「Netflix」
長尺・コンテンツ体験型動画が上位の「ABEMAプレミアム」「DAZN」「dTV」

YouTubeを積極的に活用している前述の6サービスにおいて、具体的にはどの動画の再生回数が多いのでしょうか。各サービスの上位5動画のランキング(7月)は下記となっており、再生数上位の動画の時間の長さで大きく2つのグループに分けられることが見えてきました。

【1】 短尺・宣伝型:「Amazonプライム・ビデオ」「ディズニープラス」「Netflix」

画像2

画像3

画像4

「Amazonプライム・ビデオ」「ディズニープラス」「Netflix」の3サービスにおいて、再生回数の多い動画は15秒~3分未満の予告編、ブランド訴求、シーン動画となっており、短尺・宣伝型の訴求であることが読み取れます。これら3サービスはテレビCM露出も多いことが「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」から分かり、宣伝・出稿に積極的であることから、YouTubeも宣伝のための訴求チャンネルの一つとして活用されていることが推察されます。

【2】 長尺・コンテンツ体験型:「ABEMAプレミアム」「DAZN」「dTV」

画像5

画像6

画像7

「ABEMAプレミアム」「DAZN」「dTV」の3サービスにおいて、再生数上位の動画はすべて3分以上の長尺の動画となっています。「ABEMAプレミアム」ではシリーズの1話目をフルで公開した動画が上位に入っています。また、「dTV」も上位動画はすべてシリーズ内エピソードのフル尺動画で、1年前に公開された動画が、今なお上位を占めています。「DAZN」では、試合の得点シーンなどのハイライトを編集した動画が上位にあがっています。これら3サービスは、コンテンツの中身を知ってもらう長尺・コンテンツ体験型の訴求としてYouTubeを活用していることが読み取れます。

今回の分析結果は「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」をもとにしています。本調査は、国内の定額制動画配信18サービスを対象として、「認知・利用状況」「テレビ/デジタルでの露出状況」「新規/継続利用意向の状況」「加入・解約の理由とサービス間の流出入状況」やブランドイメージなど、様々なデータを扱っており、より深く多面的な分析が可能となっています。

7月号より各サービスの「YouTube公式チャンネルにおける動画再生回数」をレポートに追加し、これまでの「テレビCM」「番組内露出(番宣)」「ツイッター」「WEBニュース」「ブログ」と合わせた分析が行えるようになりました。自社サービスのポジションニングや宣伝効果の把握、競合分析による施策検討はもちろん、提案資料の素材としてぜひご利用ください。

■調査概要
【出典】「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」
【発行日】年12回(1月~12月、毎月15日発行)※15日が日曜・祝日の場合、翌営業日
【調査方法】インターネットアンケート
【調査対象】日本在住の15~69歳の男女
【調査実施日】発行号の前月末
【回答者数】各回10,000人弱
【数値重みづけ】総務省発表の人口統計を参考に回答者を性年代別に重みづけ
【調査対象サービス】ABEMAプレミアム、Amazonプライム・ビデオ、Apple TV+(アップルTVプラス)、DAZN、dTV、dアニメストア、FOD(FODプレミアム)、Hulu、J:COMオンデマンド、Netflix、Paravi、Rakuren TV、TELASA 、TSUTAYA TV、U-NEXT、アニメ放題、ディズニープラス、ひかりTVビデオサービス(アルファベット順、五十音順)

画像8


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?