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つけて剥がせるキュービック・ゲル②

一ヶ月前に始めた「簡単にくっつけて剥がせるゲル」の研究。
ようやく改良バージョンを作ることができました。

初期バージョンはベタベタする上に柔らかすぎるという欠点がありました。
触って遊ぶことを想定しているので、これでは厳しい。
そのため、材料を変えて試作を続けました。

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そしてようやく理想に近い物が出来ました(前も同じこと言ってたw)
材料や組成を変えながら20通りくらい作ったと思います。
今回は型に流し込んで成形しました。
キュービックゲルのコンセプトをもう一度確認しておくと

①面と面をくっつける事が出来る。
②短時間(数分以内)であれば、くっつけた面を簡単にはがすことが出来る。
③軽く押した程度では型崩れしない(割れたり潰れることがない)。

この三つです。

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同じ重さのゲルなら、くっつけたまま持ち上げられます。
くっつき方が弱いので、3個以上つなげると剥がれ落ちてしまいます。
もちろん、それが特徴なので、下の写真のように簡単にブロックを組み替えることが出来ます。

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さらに、初期バージョンでは綺麗に出来なかったHの形。

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改良版では綺麗に出来ました!

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良い感じです。

気になる強度のほうは...

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強めに指で押しても、元に戻ります。若干変形しましたが、初期バージョンなら潰れてました。
これなら多少乱暴に扱っても形を保つことが出来ます。
また、あまりベタつかないので、触っていても手がベタベタしません。
そして、10分以上くっつけていても直ぐに剥がすことができます。

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接着は、水素結合とイオン結合に因るものです。
今回使った材料はゲル化を阻害したために苦戦しました。
しかし、なんとかゲル化と接着性を得られる配合量を見つけることが出来ました。
実は抗菌性(おそらく菌の活動を抑制している)があるため、25~28℃(湿度60%付近)の室内に一週間以上放置してもカビが発生することはありませんでした。
弱くくっついて剥がせる機能をつけるために選んだ材料なので、抗菌性はあればラッキーくらいに思ってました。
以前、仕事で使ったとき、黄色ブドウ球菌の増殖を抑制したんですよね(ゲルではなく、全く別の目的で試しました)。
まさかの結果に、一緒に研究してたバイオ系の人が驚いてたのを思い出しました。

改良版のキュービックゲルなら、イベントなどの展示に十分使えると思います。
もう少し接着性を強くしたいのと、僅かにベタつくため、更に改良を続けます。
キュービックゲルは仮名称なので、将来的に変えるかもしれません。
形が立方体である必要はないのでw


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