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気をつけたいバーナム効果と非科学的な血液型診断

科学的に否定されたこともあり、以前より気にする人は少なくなりましたが、まだまだ血液型診断を信じている人は多いですね。
そもそも、血液型を気にするのは日本人くらいのものです(韓国は血液型を表記することがあるようです)。
最近は、いじめの原因になっているため、科学的根拠はないと言及されているのを見かけることもあります。

血液型は赤血球の抗原の型です。
輸血の時に型を言っても、やはり使用するときには型を調べます。
実は、自分の血液型を間違っている人は意外と多いんです。
そして、白血球などにも型はあります。
赤血球の抗原の型だけで性格が決まるというのは無理があります。
その人の育った環境や関わってきた人たち、経験してきたことや性別、趣味嗜好、宗教などを無視して性格をあてはめるなんて無茶苦茶でしょう。

私たちの血液には、非常に多くの血液型があります。なかでも、ABO血液型とRh血液型は輸血をするうえで極めて重要な血液型となります。また、移植や効果的な血小板輸血のために、白血球型(HLA)も重要になることがあります。
引用元:日本輸血・細胞治療学会「血液型について」
http://yuketsu.jstmct.or.jp/general/for_blood_type/
このいわゆる「ABO血液型」の他にも、「Rh血液型」や「MNS血液型」、「Lewis血液型」など、実はたくさんの血液型があります
引用元:駒込病院スタッフコラム
https://www.cick.jp/column/archives/343


それでも、信じている人はこう言います
「自分も周囲の人も、型と性格が当てはまっているんです」

はい、その通りです。
なぜなら、血液型診断に記載されているのは、誰にでも当てはまるようなことだからです。
大なり小なり、誰もが持っている性質です。
本当に細かく人の性格を分類しようとしたら、大雑把に4つに分類することなんて出来ません。

血液型診断のように「誰にでもあてはまる特徴を言う事で人の性格を当て、信じ込ませてしまう」効果をバーナム効果と言います。
占いはこのバーナム効果を巧みに利用しています。
上手い人は相手の容姿や会話から年齢・経歴を巧みに類推し、次々と性格や特徴を言い当てます(その人の年代や出身地、仕事にだいたい当てはまることを言います)。
占いなら良いんですが、悪用される例もあります。
自分の特徴を見事に言い当てる相手を深く信用し、高額な商品やサービスを買わされたり、何らかの団体に入会させられたりします

バーナム効果の一番厄介なところは、信じた性格に自分を合わせてしまうことです。
血液型診断を信じている人の中には、この状態に陥っている方がいます。
確かに、誰にでも当てはまる特徴が記されているんですが、信じることでその特徴に合わせすぎてしまい、極端な性格になります。
軽い占い程度に思っている人はそうでもないんですけどね。

ただ、頑なに信じている人にバーナム効果の話はしない方が良いと思います。
もはや一種の宗教と化しているので、過激な反応をされることがあります。

また、科学的根拠があるとして示されているデータは、血液型診断を信じている人を対象としているか、そもそもサンプル数が少なくてあてになりません。
この調査をするなら、血液型信者の居る日本ではなく、欧米諸国などで行うべきですね。実際、根拠が無いと否定した研究は、国内に加えて海外でも調査を行っています。
ちなみに、サッカーや野球などの選手名鑑で、海外の選手は血液型が不明となっているのをよく見かけると思います。
分からないのが当たり前なんです。知る必要がありません
そもそも、プロフィールに血液型なんて不要です。
その人の特徴、スキルに何の関係もないんですから。

バーナム効果については、以下のサイトに詳しいです。

A型の人だけが几帳面で真面目なのではなく、誰でも少しは几帳面で真面目な一面を持っています。本当に几帳面で真面目としか言いようがない人はもちろん、普段は大雑把な人でも洗濯物だけはきちんとたたむ、一見不真面目そうな人でも仕事のことになると誰よりも熱心に打ち込む、などの部分は多くの人にあるはずです。
しかし、それを「A型の特徴」と言うことによって、A型の人は「当てはまる」と思うようになります。別の血液型の人も、「たしかにあの人は几帳面なところがある、A型らしい人なんだ」と信じてしまうようになるのです。

*上記リンク先より引用

バーナム効果は広告などにも利用されています。
上手くバーナム効果を利用しているものは、自分のためにある商品(サービス)のように感じさせられます。
全てが悪いわけではないんですが、大きなお金を使うときや、何かの入会を誘われたときはバーナム効果に注意したいですね。

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