見出し画像

リュウグウノツカイ

特徴的な姿が印象的なリュウグウノツカイ。
大型の深海魚で、体長は3~5mとされています。
過去の報告例では、11mという個体があったそうです。
そのため、現在において世界最長の硬骨魚類とされています。

リュウグウノツカイ(竜宮の使い):https://cocreco.kodansha.co.jp/move/news/%E3%80%8E%E6%B7%B1%E6%B5%B7%E3%81%AE%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%82%E3%81%AE%E3%80%8F/series_list_2_7

世界中の海の外洋に幅広く分布し、古くから目撃例のある生き物です。
チョウチンアンコウなどと並び、最も有名な深海魚の一つですね。
水深200~1000mの海域に生息すると考えられています。
……取りあげておいてなんですが、ほとんど書くことがありませんw
深海の調査は容易ではないため、深海魚は生態の分からないものが少なくありません。
リュウグウノツカイも例外ではないんですね。
古くから目撃例があると言っても、多くはないです。
現代でも発見されることは稀で、泳いでいる姿に遭遇するのは奇跡と言えます。
そのため、その生態は謎に包まれています。

鱗や歯はなく、単独で行動すると考えられています。
胃の内容物の調査から、プランクトン食性と推測されており、中でも甲殻類を主食としているようです。
ただ、深海は生き物が少なく、エサにありつけない事もあります。
エサを満足に摂取できない状態が続くと、リュウグウノツカイは尾を切ってエネルギー消費を抑えます
敵に襲われた時も同じ行動を取るとされます。
ただ、切った尾は再生せず、切れたままです。

1996年にアメリカ西海岸に漂着した個体(Wikipedia)

海外ではOarfishと呼ばれています。腹びれの先端がオール状に膨らんでいることから名づけられたそうです。
リュウグウノツカイは、竜宮城を連想させる見た目から付けられました。
特徴的な姿をしている上、とても大きなため、世界各地で目撃例が報告されています。
様々な国で、伝説に出てくる海洋生物のモデルになっていたようです

日本では、リュウグウノツカイに似た人魚の絵が残っています。
ひょっとすると、人魚はリュウグウノツカイを指していたのかもしれません。

標本は多くの水族館や博物館に展示されているため、行ったら観察してみて下さい。
標本ってスルーしがちなんですよね(^^;)

ちなみに、2019年の2月、沖縄美ら島財団総合研究センターが、偶然網にかかった雌雄の個体で人工授精させたところ、20匹が孵化しました。
これが世界初のリュウグウノツカイの人工授精と人工孵化となりました。
ただ、努力もむなしく、孵化した稚魚は数日で死んでしまいました。
どこで孵化し、どのように成長するのか全く分からないので、無理もありません。
とはいえ、この事例はリュウグウノツカイの生態を解明する大きなヒントになりそうですね。



読んでいただけるだけでも嬉しいです。もしご支援頂いた場合は、研究費に使わせて頂きます。