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お金がなかったおかげです

11月に入ってから、息子に「またアドベントカレンダーを作ってほしい」と言われていて。「また」っていうのは、以前にも作ったことがあるからで、だから今回もそれと同じものを作ればいいやと思っていたのだけど。

先日たまたま雑貨屋で、家の形をした、お菓子を入れる部分が引き出し状になっているタイプのアドベントカレンダーを見かけて、それがとても可愛くて。
それを見たら、家の形のアドベントカレンダーを作りたくなってしまって。早速、家にあったダンボールやら牛乳パックやらで作ってみることにしたのです。

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何かを作ることが好き。工作とか、手芸とか、裁縫とか。昔からそうなんだけど、とりあえず作る、自分で作れないか考える。そういう癖が染み付いているように思う。

幼い頃は、絵を描いたり紙を切ったり貼ったり粘土をしたりは、ごく普通に標準程度?に好きな子どもだったと思う。家庭科や図工、美術の授業は好きだったし。

学生時代を過ぎてからは、バイトしながらの貧乏劇団員でしたので、まあ、お金がなかったんですよね。買えなければ作っちゃえ、そういう流れでいつの間にかできることが増えていた、というのは絶対あると思う。

洋服なんかは今は洋裁本を見て作る方が多いけど、昔は何の知識もないまま見よう見まねでやっていた。
古着屋で安い服を手に入れて自分の好みやサイズに直す。そういうことをよくやっていた。リメイクするのが好きだった。好きっていうか、まあ新品を買う余裕がなかっただけですけども。でも可愛い服や雑貨は身につけたかった。

サイズの合わないGパンはバッグに、Tシャツをタンクトップに、トップスとスカートを縫い付けてワンピースに、地味すぎるスカートに飾りをつけてみる、、、思い付けばいろいろ試していたと思う。

洋服屋さんで好みのデザインを見つけると、その服を買うかどうしようか迷ってるフリしてじっくりと構造とか縫い目とかを観察。で、家に帰って記憶をたよりに見よう見まねで縫ってみる。そんなこともよくやってた。

新品の布を買ってきてゼロから服を作るなんてその頃の私にとっては贅沢だったし、というかそこにあまり興味がなかったように思う。服一着分の新品の布買うのって、服一着買うより高くつくことも結構あるんですよね。

リメイクは失敗もたくさんしたけどたまにうまくいくと「その服可愛いね」なんて褒められて。それが嬉しくて、そしてまた作る。たぶん気付かぬうちに少しずつ上達していて、また褒められる、嬉しい、また作る。その繰り返しだと思う。
そうやって、いつの間にか出来ることが増えていたんだと思う。

手芸とかに限らず、何にしても、難しくて諦めちゃうゾーンみたいなのがあると思うんだけど、そこを通過できるかどうかはやっぱり「好き」かどうかは大きい気がしますね。好きこそものの上手なれ、ですかね。私の場合、そこに「お金がない」という状況がプラスされて自然と現在に至る感じなのかも。

そんな流れもあってか、今モノを作るとき「どうやったら作れるか」その構造や仕組みを考えるのもとても好き。作り方をすぐ調べたりしないで自分で考えてみる。それが面白い。自分で考えた手順でうまくいって作りたい物が出来上がったときの満足感といったらもう。

はい。

そんなわけで、今は引き出しタイプのアドベントカレンダー作りを楽しんでいます。っていう話でした。

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