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閲微草堂筆記(277)黄金印
巻八 黄金印
閩(現在の福建省の一帯)地方には方竹がある。燕山の柿もわずかに方形であり、これらはそれだけで独立した一種である。
山東の益都には方柏があるが、これはそもそも、その一株だけがたまたまそうなっているのであって、他の柏の樹は方形ではない。
私は八、九歳の頃、外祖父の家の介祉堂の中に菊が四鉢あるのを見た。それらの菊は、開花するとその花弁がすべて正方形になっており、まるで剪刀で切りそろえたかのようであった。
伝えるところによると、これは天津の查氏より得たもので、名を「黃金印」という。
亡き姚安公は頼み込んでこれを数株持ち帰ったが、次の年、花は徐々に丸くなっていき、さらに一年経つとすべて丸くなってしまった。
ある者は言った。
「その花は、もとは通常の菊で、その植え方に特別な方法があったのだ。例えば、藍の染料に蓮の種を浸しておくとその花は青くなるし、玉簪花(ギボウシ。ユリ科の多年草。)の根に墨を揉みこむとその花は黒くなる。」
これもまた一説か。
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