見出し画像

ノクチルは本当にゴリ押しされているのか?量と質の観点から検証して分かったこと[シャニマス]

「浅倉透のカードが多すぎる」「例年は正月は越境なのにノクチル単独イベか」「ゴリ押しだ」という意見がSNS上で散見されたのでノクチルが本当にゴリ押しされているか考えます。

例年通りなら越境コミュで283プロ全員の活躍が見られたはずなのに、その機会をノクチルが奪ったわけです。ノクチル担当ではない人からすると面白くないですし、2021年1月1日時点でストレイとノクチルのイベント数が並んでいるのは、ストレイPからしたら疑問に思うでしょう。

量的な分析でわかった意外な結果

2020年~2021年1月1日までの各ユニットの実装をまとめました。

ノクチル 

画像15

ストレイライト

画像20

2020年~2021年1月1日までの初期4ユニットの実装内訳です。(元々ストレイとノクチルの比較が目的だったので、他ユニットはカード名と実装日まで詳細に編集せずごめんなさい)

画像18

ノクチルは20種で、一人当たり平均4枚実装されました。ストレイライトは、今年は一人当たり平均5枚です。イルミネは平均で一人5枚、その他のユニットは平均で一人4枚が、ユニット単位で割り振られています。

結論から申しますと、想像よりノクチルの実装が過剰ではないと思いました。ストレイライトも量的には去年より改善されています。2019年度は一人当たり4枚だったのが、2020年には一人当たり5枚に増えているからです。

画像14

ではノクチルはゴリ押しされてなかったかというと、そうではありません。その程度の分析で止まらないのが、このマガジンの記事なので。確かに、量的には上記の結果通りとわかりましたが、質的にはどうでしょうか?

質的な分析でわかった大発見

実装されたカードの総量が量的な分析なら、質的な分析とはユーザに与える印象と定義します。数値で分析できず、抽象的でわかりにくいです。着眼点としては、「各ユニットで全く実装されなかった時期はあるのか?」という発想が出発点でした。

まず、ノクチル以外のユニットからみていきます。ユニットピックアップガシャやBirthdayガシャを除く、一般的なガシャと実施されたイベントで分析しました。一覧にある通り、ストレイライトは3・8月に新カードの実装がありません。初期4ユニットが実装された月を○、実装が全くない月を×で一覧にしました。

画像12

調査の結果、イルミネは4・8・12月、アンティーカは3月、放課後は10月、アルストは1・5・6・9月には実装されてないことがわかりました。一覧にするのは割愛しましたが、データは正確ですので、お手元のカードやインターネットの情報で確認してみてください。

アルストロメリアは、4ヶ月間は新カードが一切登場していないです。特にひどいのが、5月と6月の2ヶ月間はアルストの新カードが全く出ていないこと。2ヶ月間は、新規ユーザからしたらアルストは空気同然でしょう。巷ではノクチルの優遇で一番割りを食っているのはストレイと思われていたようですが、最も不遇な扱いを受けていたのはアルストロメリアだったと言っても過言ではないです。これは大問題です。

画像15

一方ノクチルはどうでしょうか。5月から12月まで、一度もノクチルの実装が途切れたことがありません。これは非常に重要なポイントです。他5つのユニットと違い、ノクチルだけは5月に初めてガシャ産のカードが実装されてから12月までの間、一度も新カードが途切れたことがないのです。

これらの結果から、次のように推察します。ノクチルのカードを8ヶ月間(2021年1月1日を含めれば9ヶ月間)の間途切れさせなかったのは、運営が意図的に行ったのだと思います。常に何かしらノクチルのカードを供給し続けることで、新規ユーザの関心がノクチルから離れないようにしたかったのではないでしょうか。そうだとすれば、運営の策略は成功したと思います。

一方、他ユニットは何かしら空気である期間があったので、ノクチルに比べれば割りを食っています。人数の多い5人ユニットでさえ最低1ヶ月は空気でしたし、3人ユニットは計3ヶ月以上はゲーム内で主な活動がないわけです。もしノクチルの供給を絶えず続けるために他ユニットが割りを食ったのなら、当然ファンからしたら面白くないでしょう。

これが質的な分析の結果です。毎月新カードが供給されるノクチルとは逆に、一度も実装がなかった月は「今月は新カードなかったな」とインパクトが弱まるわけです。自分の好きなユニットは全く新カードがない月もあるなか、ノクチルだけは毎月必ず何かしらの新展開がある。その結果、「またノクチルか」と感じてしまったのではないでしょうか。それ故に、「ノクチル はゴリ押しされている」と多くの人が感じたのだと思います。量的な分析だけでは「その感覚はおかしい」と言われたのでしょうが、質的な分析を踏まえると「そう思っても仕方ない」と思います。

流石に浅倉透は過剰である

画像7

霧子と果穂はpSSRが1年近く実装されていないですが、彼女達と比べ浅倉透の出る頻度は多すぎると思います。ガシャ周期が歪んでいるのは2019年度のアンティーカからです。2020年度はアンティーカからノクチルに変わっただけですが、流石にやりすぎな気がします。

名前は伏せますが、イベントでカードが1枚も実装されなかったキャラもいます。ノクチル内で比べても、円香と小糸は5種、雛菜は3種と現時点で格差があります特に雛菜のサポートは限定sSSRだけで、他3人と比べても特に少ないです。浅倉透だけ7種ですが、なぜでしょうか。これでゴリ押しではない、は流石に無理があります。ゴリ押しする意図がなかったにしろ、雛菜との格差がありすぎるからです。

画像13

このインタビューでガシャ周期の改善は課題だと高山Pは言っていますが、一向に改善される気配がないというのが正直な感想です。質的な分析でも述べましたが、ノクチルを目立たせるために他ユニットが空気になっている期間があるのはまずいのではないでしょうか。特に3人ユニット、アルストロメリアの扱いはかなり酷いと感じました。

その他の質的理由

「ノクチルがゴリ押しされている」と思ってしまう感覚的な理由は他にもあるでしょう。ノクチルより1年前に実装されたストレイのイベントコミュ数と、ノクチルのコミュ数が2021年1月1日の時点で2ずつと並ぶこと。また、2周目のノクチルpSSRの3/4以上が限定であること。灯織や霧子など既存キャラの5周目限定pSSRがつっかえているにも関わらず、4人とも限定だったら、そんなユニットは今までに存在しなかったですし、質的に他のユニットに比べて優遇されていると取られてもおかしくないと思います。つっかえている既存キャラの5周目限定pSSRを後回しにしてまで、ノクチルの過半数(あるいは全員)を限定にしたのは、ただでさえ下手なガシャ周期をさらに困難にさせている悪手だと思います。新しいガシャ周期はイルミネーションスターズから始めるとか、イベントと同じユニットのカードを限定にするとか、変なルーティンやこだわりを捨てて楽になるべきではと思います。どうでもいいことにこだわって「シャニマスはガシャ周期が歪で偏りすぎている」と思われて収益が悪化したら元も子もないのではないでしょうか。

分析したついでに、頻繁に言われる「ノクチルは追加ユニットだから他ユニットに比べてカードが少ないので、大急ぎでカードを実装しないといけない」という意見にも反論します。

追加ユニットはすでに恩恵を得ている

ノクチルだけでなく、ストレイライトにしても、追加ユニットである時点で恩恵を得ています。「シャニマスに新たなユニットが追加された!」と大々的にプロモートされ、ゲーム内外で大きな話題になります。新規ファンの参入理由は、多くの場合新ユニットに惹かれたからでしょうし、新ユニットはその年のシャニマスにおける注目の的です。

初期キャラクターに比べスポットライトを浴びている時点で恩恵は十二分に受けているはずなのに、その上「実装カード数が初期キャラに比べて少ないから大急ぎで実装しないといけない」のはおかしいでしょう。楽曲の曲数やカード枚数に差が出るのは、時間差でユニットを実装していく方針をとった時点でわかっていたはずです。シャニマスはクリエイターの作るキャラや物語は素晴らしいですが、運営の展開の仕方が下手すぎる点は他のアイマスシリーズに共通していると思います。目先の金だけにこだわるのであれば今のやり方が最善なのでしょうが、既存キャラクターを大切にしないコンテンツがどうなるかは目に見えている気がします。

今回の量的分析の結果、多くの人が思っているほどストレイライトのカード量は少なくなかったし、他ユニットも同様でした。重要なのは現状の数値ではなく、2021年に新ユニットが追加されれば、ストレイが割りを食うのはもちろんイルミネとアルストはさらに割りを食うのは間違いないことです。なので、もし仮に2020年度の時点で自分の好きなユニットが割りを食っていると思うのであれば、その人は今後さらにそう感じることが増えるのではないでしょうか。

誰も言及していないノクチルの問題

ノクチルのカードが怒涛の嵐のように展開される中、ほとんどの人が気にしないポイントがあるので紹介します。

画像11

ノクチルが登場してから1年近くたったにも関わらず、恒常pSRが誰一人実装されていないことです。ストレイライトは早い段階で3人とも恒常pSRが実装されています。イベント報酬でSRは実装されている、という反論はナンセンスです。イベント報酬は、復刻だろうがプチセレクションチケットを使おうが、入門者からすると入手するまでにインターバルがあります。しかし、恒常pSRであれば、ガシャさえ引ければ即入手できます。何より、担当キャラでなくとも担当キャラのガシャで「おまけで入手したノクチルのpSR」で遊んで、そのキャラを好きになる可能性があることです。

恒常pSRとは、誰しも平等に与えられた、そのキャラに触れ魅力を知れる機会なのです。ですがノクチルには、それがありません。これはノクチルにとって解消すべきデメリットだと考えます。恒常sSRの実装はじわじわ進んでいるので、pSRの実装もいずれされるはずですが、どうなるでしょう。恒常pSRを増やすことは、運営からすれば3000ジュエルをタダで配ることに等しいです。なので、9ヶ月近く経っても一向にやらないかもしれません。

まとめ

各ユニットのカード総数という量的な分析だけでなく、「実装されていない月があるユニットもいるのでは?」という発想から、ユーザに印象を与える質的な分析も合わせて「ノクチルがゴリ押しされているか」を考えました。カード量的には、一番割りを食っているアルスト以外はどのユニットもだいたい平等でゴリ押しではないと思います。ガシャやイベントの実装日時から考えると、ゴリ押しの印象を持たれても・勘違いされても仕方がない、というのが今回の結論です。量的な分析では「ノクチルはゴリ押しされている」という感覚を否定しつつ、質的な分析で「みなさんがそう思ったのはこれが原因ではありませんか?」と示した形になります。結局のところ、シャニマスの運営はいつまでたってもガシャ周期組むのが下手すぎるってことです。

仮に2021年に新ユニットが追加されるとしたらどうでしょう。ストレイライトでの反省を踏まえた結果、ノクチルは成功したのですから、次のユニットに対してもノクチルでの成功を活かす方針を取るのでしょうか。そうすると、他ユニットは今以上に割りを食うのではないか、そんな心配・不安が頭をよぎったので今回の記事を書きました。

浅倉透だけあからさまにカードのばら撒きが多いのは事実ですし、雛菜のカードだけ少なすぎる。その帳尻を合わせるために残り3人のカードも、今後も引き続き急速に増えるであろうこと、そしてノクチルに続く第3の追加ユニットが実装されれば「ノクチルの成功」を踏襲するだろうという点で、現段階でこの記事を書けて良かったと思います。

画像12

アンケートでも書きましたが、イルミネとノクチル以外ジャケットから外すあたりが、他のユニットを軽視していると感じます。これは去年からずっと思ってました。「23人全員写せるわけないだろ」って反論には、「じゃあジャケットの裏に他のユニット写せ」です。その点で、FR@GMENT WING01のほうがジャケットとして好きでした。もっと他のユニットも大事にした方がいいと思います。

画像13

本記事で使用されているメモ帳以外の画像はすべて©︎BANDAI NAMCO Entertainment Inc.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?