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俺は幽谷霧子に医者になってほしいと思う。だが、それでも。[シャニマス]

霧子、お誕生日おめでとう。今回は担当のなかでも古株の1人である幽谷霧子について書く。

劇的ではなかった霧子との出会い

実を言うと、シャニマスを知ってから霧子より先にアンティーカで好きになったキャラがいる。シャニマスがリリースされて1週間後、「なんだこの子、めっちゃ可愛いな!新しいアイマスいいやん!」と思ったきっかけは月岡恋鐘である。

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リリースされてから1週間後にガシャで「ばりうまかブルース」を速攻で手に入れた。恋鐘は今でも特に愛着のあるキャラの1人だ。Landing Pointも素晴らしかったし、優しくまっすぐな姿をみるたびに感銘を受ける。では、なぜ恋鐘を差し置いて霧子が担当になったのか?

霧子を担当だと自負するようになったのがいつからだったか。冬の季節だった気がするが、それ以外覚えていない。少なくとも、冬優子に会う前にはすでに担当になっていたはずだ。2019年4月に開催された養老乃瀧コラボで書いたアンケートをみると、少なくともこの時点で霧子の存在が他のキャラより大きいものだったとわかった。

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風野灯織、幽谷霧子、有栖川夏葉、大崎甘奈は1周年になる前の時点で既に担当で、並々ならぬ思い入れがある。灯織は運命の出会いガシャで真っ先に選んだし(リリース当時はイルミネの3人しか選べなかった)、「柔らかな微笑み」のコミュも良かったし「淡雪の戯れ」のイラストも可愛すぎた。夏葉はW.I.N.G.優勝後に泣いてるシーンとアルティメットマーメイドのTrueエンドが良すぎたし、甘奈はシャニマスを追い始めたきっかけそのものだ。

このように霧子以外の3人には好きになった決定的瞬間があったが、それと比べると霧子の印象はやや大人しめかもしれない。確かに、俺にとって霧子は、パッと「この瞬間に大好きになった」と言えるキャラクターではない。でも他のキャラ同様、紆余曲折を経て時間を積み重ねながら、いや、他のキャラ以上に時間を積み重ねる過程で好きになっていったキャラだ。

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その意味で、霧子は俺にとって他のキャラ同様、唯一無二の存在なのである。いつの日からか気づいたら自然に、まるで水や空気などの生きる上で欠かせない存在のように、当たり前のように霧子の笑顔はそこにあった。いつのまにかフッと霧子を好きになっていた。

静かだが強く印象に残る”霧子達”

前節から考えるに、霧子を好きになった決定的要因はルックスではなかったのは確かだ。ルックスで惹かれたのなら、恋鐘ではなく最初から霧子に魅了されたはずだからだ。これまでツインテールのキャラをそこまで好きになった記憶がないし、少なくともシャニマスに触れた時点では、霧子は5人いる1ユニットの1人に過ぎなかった。今となっては見た目も抜群に可愛いと思うが、霧子に惹かれた要因は何だったのかと考えると、初期の3枚のカードが挙がる気がする。

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まずは「霧・音・燦・燦」。霧子の瞳に銀河のような美しい景色が広がるさまを見たときは、「宇宙は霧子から始まったのではないか」とさえ思えたし、思い出アピールはクールにぬるぬると動く。コミュではねずみさん一家の話がとても可愛く、ミステリアスな霧子が気になり出したきっかけになった1枚だ。

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2枚目は最初のpSR「包・帯・組・曲」だ。Trueエンドで、霧子がどういうキャラクターか少しわかった気がするので、初期では最も印象に残っているカカードだ。プロデューサーの名前を腕に書いて絆創膏で守っていて、そうすることでプロデューサーがそばにいてくれる気がして、大舞台でも緊張とか不安がすっと消えて笑顔でいられた、という話だ。

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一般的な少女の行動ではないかもしれないが、それを見て俺は、「気持ち悪い」なんて全く思わなかった。とても健気で、愛おしいなと思った。霧子らしさが現れている1枚であると同時に、やはり最初のpSRやpSSRのカードにはそのキャラの基本的な魅力が描かれているのだと再確認できた。真っ白な服装も霧子らしいし、特に推したい1枚だ。

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3枚目は同じくpSRの「白・白・白・祈」である。本格的にシャニマスを始めてからそれなりに早く実装された1枚。ゴシックロリータ系に近いフェス衣装は霧子の可愛さをとても引き立てていると思うし、「霧子可愛いな」とグッと魅力に感じた1枚だ。

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2個目の「エビさん」コミュばかり話題になっているが、特に推したいのは1個目の「寒い日」とTrueエンドである。まず「寒い日」は、自販機でドリンクを買うときにシャニPが「あったか〜い」と言って、その伸ばし音がおかしくって霧子の笑いのツボに入ってクスクス笑う話である。小鳥の囀りのようにクスクスと上品に笑う霧子がめちゃくちゃ可愛くて、ここでも一気に「霧子って可愛いなぁ」と思った。霧子の笑いのツボは、一般的な人とちょっとずれているかもしれないが、独特で見ていて面白いしかわいい。

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Trueエンドは、雪は綺麗で当然だと思われて緊張しているからと、一番最初に降りてきた雪を讃えるお話。カードのイラストが良いのもそうだが、最期にエモーショナルなシーンを持ってきたからこそ強く印象に残った。繊細で、優しさと慈愛に満ち溢れている霧子の言動を見て、素敵だなと感じた

霧子の慈愛は、有機物だろうが無機物だろうが無関係に降り注がれる。自分以外の「他の存在」に対して、こんなにも慈しみに溢れている霧子を見て、自分にはない尊いものを持った人なんだなと強く感じた。共感ではなく、自分にない優しさを持つ彼女に強い尊敬を抱いたからこそ、他のキャラクターとは違う次元の存在として見るようになったのだと思う。

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このように霧子は、刹那的に強く惹かれたのではなく段階的にじわじわと印象に残っていったキャラである(間髪入れずに3連続もエモーショナルなカードをぶつけられたら、ノックアウトするのは当然な気もするが)。

アイドルと医者と、霧子

G.R.A.D.や「琴・禽・空・華」では、医者という職業、ひいては霧子の進路について霧子とシャニPが向き合っていく様が描かれた。この一連の物語をみて、シャニPがとってきた選択と行動は正しいものだと信じていると同時に、俺個人としてどう思っているかを話す。俺は、霧子にはアイドルではなく将来医者になって欲しい。なぜそう思うのか。

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誰かを勇気づけ、応援することはアイドルにも医者にもできると思う。アイドルのように著名な人でなくても、家族や親しい友人や、日常のなかで誰かからそういったポジティブな力をもらうことはあるはずだ。この文章を読んでくれているあなたも一度は感じたことはないだろうか?あなたが誰かにそのような感情を気づかせるきっかけを作ったことだって少なくないだろう。もちろん、アイドルのほうが不特定多数の人に想いを届けることができるだろうけど。

誰かを勇気づけることが簡単だと言いたいわけではない。アイドルより医者の方が偉いからと、職業に貴賤があると主張したいわけでもない。貴賎はないと信じているが、同時に人命を救う行為は何物にも変えがたい尊いものだとも思う。医者の種類にもよるが、失われそうになっている命を救う行為は、誰にでもできるものではない。正しい技術(専門知識)と能力が求められるからだ。アイドルは誰かを元気づけられるかもしれないが、人命は救えない。

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多くの人にとって、この世のほとんどのものは人命より些細であるはずだ。アイドルなどのエンターテイメントに関して言えば、そもそも人間がいなければ成立しないものだからだ。作り手にしろ受け手にしろ、人間がいなければエンターテイメントは成立し得ない。また、シンプルに人命が尊い加えて、医者として従事する霧子の姿を想像すると、どうしても感動してしまうのだ。霧子は聡明であると同時に、他者に対してとても優しく慈しみ深い。霧子に治療されて回復した患者は、前を向いて生きていけると思う。患部だけではなく、心をも癒してくれる名医になってくれるのではないかと、どうしても想像してしまう。

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名医になることはアイドルと同様、適性を持った特別な人間にしかできないはずだ。聡明なだけでなく、他者を深く慈しむことのできる霧子にうってつけの仕事、天職だと思っている。一方で、霧子にはアイドルと医者の、両方の適性と才能があると思う。というか、霧子は基本的に何にでも適性がある。才能があり多くの未来を選べるからこそ、迷うわけだ。では、この節で述べた2つめの議題である、シャニPがとってきた行動と選択が正しいと思う理由は何なのか。G.R.A.D.で医者を目指す可能性について提示した霧子と、それを踏まえて2人が出した結論は何だったか。

保留するという判断、”決めきらない”力

漫画やドラマなどのフィクションでは、主人公が素早くそして力強く物事を決断する様が描かれる。それが潔くて真っ直ぐであるかのように描かれ、感化された人たちはそれが正しいと信じ、迷うのは良くないと決めつけるようになる。強く言うが、それは愚かな考え方だと思う。

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霧子とシャニPは、G.R.A.D.時点で結論を保留した。アイドルも、医者としての将来も、両方とも模索する道を選んだ。「アンティーカやプロデューサーさんというかけがえのない仲間がいるから」と安易にアイドルの道を選んだわけでも、医者になりたいと即決したわけでもない。安易に決めつけず、時間の許される限り何が霧子自身にとって最も大切なのか、あらゆる可能性を考え続ける道を選んだ。

判断を保留できる能力は、教養があることに等しいと思う。一時の感情的な気持ちや、感覚的な判断だけで物事を決めつけずに、多角的に物事を考えて検討できる力は、冷静さや知性を持った賢者でなければできない。必ずしも熟考すればいい結果を生むわけでもないが、大抵の場合はじっくり時間をかけて様々な可能性を考えた方が有利なはずだ。時間がたくさんあり、精神的に余裕があるに越したことはない。

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これは、経済的・年齢的に余裕があるからできることであり、たくさんの選択肢を持った霧子だからこそ贅沢に悩めるのだ。結論を出さなければならない期日までは、大いに悩めば良い。俺も同じ意見だからこそ、よくやってくれた、流石だとシャニPの判断を高く評価している。俺があの立場だったとしても、この選択を下しただろう。二兎を追うのは大変で、とても難しいはずだ。でも、いつだって霧子ならできるとなんの疑いもなく信じている

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心配性で不安に思うのは、霧子の性格が気弱だからではない。ネガティヴに考えて対策を打てることは、霧子が聡明である証だ。悪い状況を想定し、前もって対策を打つのは賢くなければできない。それは、科学がこれまでどのように進歩してきたかを見れば自明だ。様々な可能性を考えられる聡明さがあるからこそ、心配になったり不安になるのも人より多いかもしれないが、同時に自分以外の他者を深く慈しむことができる。霧子の優しさは劇的ではなく穏やかで静かで、見落とされがちだがわかる人にはわかる。神は細部に宿るとわかっている人間であれば、霧子の強烈な魅力がわかるのだ。

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そして、霧子は強い。霧子を分かろうとしない人たちは不思議ちゃんと言うかもしれないが、霧子は霧子なりの理屈や意志を持って言葉を紡ぎ、行動している。一般的な感性とは少し離れている、ちょっと変わっているかもしれないが、非凡で強烈な個性と意志を持っている。思えば、一番最初に出会ったときもそうだった。聡明で才能豊かな霧子は、街中で歩いていたら即スカウトされるはずだ。だが、今までそういった巡り合わせがたまたまなかったからか、霧子はオーディションでアイドルに応募した。自分の意志で、変わりたい一心で、この世界に足を踏み入れた。そういう何ものにも代え難い強さを、霧子は持っている。

二兎を追う覚悟

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他のキャラにも常日頃から言っているが、トップアイドルになれなかろうが正直どうでもいい。もちろん成功したのであれば喜ばしいが、別にアイドルとして大成しなかろうが、俺にとって彼女たちがかけがえのない存在であるのは変わらないからだ。仮にアイドルとして名声を手に入れたとしても、彼女たちへの評価が特に変わるわけでもない。そう考えるのは、自分が元々アイドルに対して懐疑的で好きではないことも関係あるかもしれない。

これまで言ってきた通り、「1人の人間としての彼女たちの願いが叶うこと」が俺にとって何より重視することだ。もちろん、それがアイドルとしての成功ならそれを否定するつもりはないし、一緒に叶えたいと思う。でも結局、彼女たちの人間としての成長や強さ、人としての美しさが垣間見れたときに自分は最も感動する。彼女たちはアイドルや少女である前に1人の人間であり、プロデュースするときも1人の人間として接しているつもりだ。だから彼女たちが幸せであれば、それがアイドルだろうが何だろうが構わない。

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俺は幽谷霧子に医者になってほしいと思う。だが、それでも、霧子の「アイドルとして頑張りたい」気持ちを否定することは絶対にしない。たとえそれが、アイドルに対して俺が懐疑的に見ていたとしてもだ。アイドルとして輝こうとする霧子は、いつだって俺の誇りだ。もちろん、たとえアイドルを辞めたってそれは何も変わらない。結局、人は「やってみたい」という己の中から湧き上がってきた意志による行動でこそ最も輝くのだと思う。己の内側から湧き上がってくるその意志は、きっと誰かの模倣ではなくその人唯一のものだ。だからこそ尊く、価値がある。

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俺の願望としては、霧子には医者の道に進んでほしい。でもそれは俺のただのエゴで、霧子にとって関係ないのは当然だ。選ぶのはいつだって俺じゃなく、霧子だ。霧子がアイドルを選んだのなら、俺も一緒に戦う。

だが、もし霧子が自分に自信がなくなったり、不安になってしまったときは、何度だって「それは違うと思う」と言いたい。霧子なら大丈夫だと、そのままの霧子を出せばできないことなど何一つないのだと強く言いたい。そんなことを言う必要はないと思うけども、万が一そのような状況になったなら、俺は静かに、そして(痛くない程度に)強く霧子の背中を押す。

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霧子と進む道は過酷で険しいものだ。大変だが、俺のやることは至極シンプルだ。G.R.A.D.で物語が大きく進んだかもしれないが、結局W.I.N.G.でシャニPの発言が全てだと思う。霧子のプロデューサーとしてやるべきことは、過去も今も昔も何1つ変わらない。霧子と、霧子が大切にしているすべてを守る。それが俺にとってのただ1つのシンプルな正義だ。

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「二兎を追う者は一兎をも得ず」と言うが、うまくやれば二兎でも三兎でも得ることができるはずだ。霧子にはその能力が備わっていると信じている。いけるところまで行ってみよう、望むすべてを成し遂げてみよう。仮に二兎を追えなくなったとしても、そのときはどちらか1つの道に絞ればいいのだ。

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二兎を追ったその果てに霧子が何を選んだとしても、俺はそれをただ尊重するだけだ。アイドルも医者も両方目指す困難なその道の先にしか見えない景色がきっとあると信じている。俺はそれを、霧子と一緒に見たい。そして願わくば、周りの人を幸せにするのと同時に、霧子自身にもこの上なく幸せな人生を送って欲しい。霧子の優しい笑顔を見れるのなら、些細なことなど大した問題ではないのだ。他のキャラ同様、霧子のこれからが楽しみである。

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霧子は、プロデューサーに見つけてもらえてよかったと言った。事実、16人のなかから俺は霧子を見つけた。一方で、霧子もまた俺を見つけてくれたのである。霧子のおかげで、霧子との対話する中で、新しい自分を発見できているし、俺を霧子のプロデューサーにしてくれたからだ。いつも本当に感謝している。ありがとう。

改めて、霧子、お誕生日おめでとう。これからも末長くよろしくね。

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本記事で使用されているゲーム内画像、動画はすべて©︎BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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