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Twinkle wayから感じた「清らかなカオス」の正体[シャニマス]

「Twinkle wayはイルミネ史上最高を更新する」

「GR@DATE WINGで一番凄まじいのは02」

Game size聴いて常日頃言ってきました。至る所で絶賛してきました。これはすごい曲だと。リリースされたらとんでもないことになると。

そうなりました。とんでもないです。物凄いです。自分的にイルミネのベストが更新されました。Twinkle way、まさかこれほどとは。

めぐる、真乃、そして灯織。3人の円環

まず一番最初にこの曲を聴いた人に強烈なインパクトを与えるもの。それは冒頭のめぐるでしょう。理屈ではなく直感的に多くの人に「ん?これまでのイルミネの曲と何か違うぞ?」という感覚を与えたと思ってます。「最初の歌い出し、真乃じゃないんだ」って。ここの新しさをまず強く推したいので解説します。

これまでの4曲では、いずれもソロパートは真乃から始まっています。基本的にそのあとの順番は、真乃・灯織・めぐる。イルミネーションスターズのいつもの順番、だいたいこのパターンです。それかその逆順。「虹になれ」「We can go now!」の1番は真乃→めぐる→灯織の順番なのですが、これは「ヒカリのdestination」との違いを出したいからだと思ってます。これもいいですね、1番の真乃の歌い出しは変わらず2番3番目の歌い手が違う。真乃はイルミネーションスターズのセンターですから。

ですが「Twinkle way」はこれまでと決定的に違って、めぐるから始まるんです。そしてさらに驚くのが、次が灯織じゃないんですね。めぐる→灯織→真乃と「いつもの順番」の逆ではない、最期を真乃で締めないんです。初めてこの曲聞いたときに、この並びに新しさを強く感じました。1番は真乃の出番は控えめで、めぐると(特に)灯織がメインで活躍します。

2番以下、主な歌いわけは次の通りです。(3人パートはカット)

1番:めぐる→真乃→灯織→めぐる→(サビ)→真乃→灯織

2番:灯織→真乃→めぐる→灯織→(サビ)→めぐる

ラスサビ前:灯織→(真乃)→めぐる→真乃

ラスサビ:真乃→めぐる→灯織

ご覧の通りまとめると、パート分けの順番がこれまでの4曲と明らかに違います。前述の通り、だいたいこれまでのパターンは、真乃・灯織・めぐるという並び方のスタンスを昇順降順の違いはあれどそれを崩してないイメージでした。

でも「Twinkle way」では真乃⇄灯織⇄めぐる、この端と端が固定されたパターンを一切採用してない。

そうです。順番ではなく、「循環」なんです。もっというと、循環というより円環のほうが適切かもしれない。些細なことと思うかもしれないですが、まず歌いわけの時点でこのように目新しさがあると思っています。

「Twinkle way」では真乃と灯織とめぐるが、それぞれ循環・円環しているのです。この3人による随所でのLinkアピールがまず目新しい。

相変わらず質の高い2番。そしてラスサビ前

2番ってものすごく重要です。タイアップに抜擢されるような曲で、露出の多い1番だけはよくて2番がよくないみたいな曲はダメです。曲は最後の音が途切れるまでがその楽曲です。

Twinkle wayは言わずもがな2番も素晴らしい。1番はGame sizeで散々聴いているのですから、多くの人にとっては2番からがある意味本番です。この曲がどれほどのものか、それを見極めるのが1:48あたりからです。

1番で大トリを努めた灯織からスタート。冒頭のピアノの階段を上がっていくようなリズムが大好き。素晴らしい。ついでギターがここぞとばかりに灯織と真乃を「繋ぎ」ます。2番の冒頭からギターさんの主張が激しくなったと思うのは私だけでしょうか。ひょっこり顔を出して、イキのいい音で1番との違いを作ってます。そうして真乃めぐると続いて、最期にまた灯織に循環します。最期はめぐるです。2番のサビが短いですね。「いつだって僕らは」では完全に2番のサビを飛ばしましたが、さらっとやってラスサビ前に繋げてます。ここも新しい。

2番も終わり、3:25から一気に加速していきます。

3:39あたりの「もう一段階飛躍する、羽ばたく」ようなあのストリングスが本当に大好きで、あそこがこの曲の最も美味しい部分なのかもしれないと思っています。

その直後、静寂に包まれた中で真乃のソロパートに入ります。真乃の歌声は相変わらず美しいですね。ソロパートでガッチリ真価を発揮します。流石ですね。そしてめぐるが灯織に繋ぎ、最期にGame sizeで散々聴いたフィニッシュで曲は終わります。

次からは全体的な考察に入らせていただきます。

曲のスケールの大きさ

まず思うことが曲のスケールがでかいんですよね。そこがこれまでのイルミネとは大きく違います。ストリングスの音色が随所で光り、それを重低音が支える。冒頭のピアノやストリングスからは高貴さや高潔さ、イルミネーションスターズ3人の可愛らしく元気な歌声、ドラムやベースは黒子に徹しながらそれらのハーモニーをより一層引き立てています。

大空を想起させる曲、しかも青空ではない。ジャケットにも描かれているような、宵闇とか明け方の大空。雨でも曇りでも青空でも夕焼け空でもなく、Dye the sky.で穿たれる夜でもなく。中立的というか、曖昧な空の色。その空で輝いているんですよ、星々が。夜空という闇の中で輝く星々というよりかは、この曲でのイルミネーションスターズは朝と夜の「境界」で輝いている。ジャケットからはそのような印象を持ちます。

星は青空では輝かないですからね。

出だしのピアノが素晴らしいのはもちろん、ここで推したいのはドラム。最初のめぐるから灯織まで、ドラムのリズムが軽快でとてもテンポがいい。ドラムがいいと曲が骨太になり、曲全体が安定します。Twinkle wayは随所でドラムがいい仕事してるのでドラムの音だけ追ってみても面白いかもしれません。

壮大で力強い輝き

「Twinkle way」をぱっと聴いて思ったことをシンプルに一言で言うなら、壮大という言葉がしっくりきました。力強い。でもヘヴィメタルやハードロックのような重い音ではなく、力強いポップミュージックの音。ヴァイオリンなどのストリングスとピアノが素晴らしい役目を果たしていて、高潔さと壮大さ、そして美しさを際立たせています。

明らかにこれまでのイルミネーションスターズの曲と違う。冒頭めぐるスタート、歌いわけパートの循環についての新しさもそうですが、ストリングスがこんなに前面に出ていた曲ってイルミネにありましたっけ?自分は記憶してないです。音でいうとやはりこのストリングスが強烈なインパクトを持っていますね。美しい音色なのですが、特に推したいのが力強さです。強い。強さがある。何か芯を持っている。イルミネーションスターズに自信や強さが備わったように感じました。

ジャケットから伝わる異質さ、違和感

さてここからが本題です(前座が長い)。GRA@DATE WING 02のジャケット、GRA@DATE WINGシリーズで一番好きです。06も07も01も、最近発表された03も素晴らしいのですが、02は背景が際立って美しくてすごいです。そう思う方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?

一見、ただただ美しく壮大なこのジャケットイラスト。よく考えるとものすごく異質な感じがあります。違和感です。見た目の美しさに騙されてはいけません。それは何かというと・・・。

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3つの空が全く同じ時空に共存してるんですよね。宵闇とか暁とか散々言いましたけど、これってよく考えたらおかしくないですか?さらにですね、もっとおかしいなと思うことがありまして。お手元のジャケットをご覧いただきたいのですが、ケースを開けて中のイラストを見てみると・・・。

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太陽とか月みたいな、3つの光源がこれまた同じ時空間にあるんですよね。

そうです、3つの光源が同じく共存してますね。まるで灯織と真乃とめぐるのようなこの光源たち。清らかで美しい中、とても異様な光景がジャケットに広がっています。朝と昼と夕方がいっしょにある。そんなこと現実ではありえないですよね。イルミネーションスターズを語る上でカオスなんていう異質な単語が自分の中から出てきたことに驚いたのですが、多分このことを思って口から出てきたのかと思います。

清らかな混沌

カオスという言葉について考えてみましょう。ユニットで比べてみると、外面でみた感じカオスを想起させるユニットとそうでないユニットに大きく分けられるのではと思います。

・カオスを感じる

アンティーカ、放課後クライマックスガールズ、ストレイライト 

・カオスを感じない

イルミネーションスターズ、アルストロメリア、ノクチル 

アンティーカやストレイライトは、シリアスさやダークさから混沌を想起できると思ってます。放課後クライマックスガールズから感じたカオスは、「わいわいがやがや」といったいい意味での楽しいごちゃごゃした感じです。

ノクチルはこの中でも最もカオスから程遠いように思います。澄んでいて純粋、何者にも染まらない透明さみたいな。アルストロメリアも幸福論(脳死)って感じですしね。あっ、薄桃色とかいう傑作コミュはもちろんカオスですね。カオスの権化です。

イルミネーションスターズも同様で、場合によってはコミュなどから混沌とした状況にでくわすことはあるのでしょうが、基本的なヴィジュアルからそのようなことを感じはしないです。3人の繋がり、仲の良さが前面にでてきますからね。

ですが、今回のGRA@DATE WING 02、「Twinkle way」からはカオスを感じたのです。なぜだかわからないので、書きながら考えることにしました。そして記事を書きながら、なんとなく自分が思うカオスの正体に結論が出ました。

カオスの正体

結論から言います、ものすごくシンプルです。「Twinkle way」から感じたカオスとは

変わっていくもの と 変わらないもの 

だと思っています。「Twinkle way」で大切に歌われている言葉であり、GR@DATE WINGシリーズのテーマそのものです。

そしてそれは、各アイドルの原点に立ち返り自分自身と向き合うG.R.A.Dの根幹であり、シャイニーカラーズ 3年目の表題そのものです。

某ウイルスの影響で「Twinkle way」のリリースが半年ほど遅れてしまいましたが、製作陣の意図としてはGR@DATE WING 01(特にシャイノグラフィ)の直後にこの曲を出すことで、そういった3年目のテーマをバンと前面に出したかったのだと思います。フルサイズで聴く時期は変わってしまいましたが、その意図は充分に感じ取れました(あってるかどうかはさておきですが)。

「Twinkle way」には、3年目のこのテーマがふんだんに、そして明確に盛り込まれていると確信しています。

このテーマは公の場で高山プロデューサーに明言されています。

該当部分を引用させていただきます。

そうですね。シャニマスで言うと、ざっくりとしたテーマは持っていて、1年目は自己紹介でもあるので、ユニットらしい曲。2年目は“挑戦”ということで、幅を広げるような新しい表現ができるよような曲。そしてこれから出ていく3年目は“変化してきた部分、変化していない部分”みたいなテーマで作っていこうかなと思っています。(高山プロデューサー)

変わっていくものと変わらないもの。それが「Twinkle way」から感じたカオスです。その混沌・自己矛盾のようなものは誰もが持ち合わせているもので、清らかなカオスだと思います。

過去も現在も、変わっていくものも変わらないものも全部ひっくるめて自分です。あなたです。全部を持って未来に進んでいくんです。

過去や現在、そして未来。そんなことを3つの大空で表現しているのだと感じました。3つの空は、すべて繋がっており、そして共存できます。同じ時間軸ではないかもしれないけど、自分の命が終わるときに天国なんてものが存在するのならば振り返れば、「ある時点から見れば」それらは同時空に存在しているのだと。

過去と現在と未来、壮大になりすぎましたが、単なる何気ない1日を切り取ってみてもそれらは常に隣り合っているのではないでしょうか。

朝が来て、太陽が沈んで夜が来て、月が輝く。月が仕事を終え、太陽に役割を交代してまた朝が来る。

こんな短い1日のサイクルですが、これらは循環しているんです。過去や現在、未来と同じく。

朝と昼と夜のあいまいな境界、光と闇のブレンド、混沌。そう、混沌です。でもごちゃごちゃした混沌ではない(意味不明、語彙力。ごちゃごちゃ混ざってるからカオスというのでは?)。美しいカオスというか澄んでいる中でのカオス。ジャケットにも描かれていると思いますが。歌詞でいうと、

「どこかで感じた不安」

「変わらないもの 変わっていくもの すべてを愛おしく追い越した」

あたり。全部ひっくるめて、朝方も夕方も、光と闇もひっくるめて、全てを超越する。どんな空でも羽ばたく、輝くんです。

カオスの大空を切り裂くように彩っている、水色のアーク。この円弧だけが、いずれの3つの空にも存在しているように思うのは私だけでしょうか。

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Twinkle wayとは?

自分は、ジャケットに描かれてるこの流れ星だと思っています。この部分こそまさにこの記事で一番のこじつけ的な部分なのですが笑。これがTwinkle wayかなって。なんでこの色なんだろうって考えました。この色って、青空の色じゃね?って思いましたね。

混沌の空を切り裂くようなこの水色。この円弧から、カオスを破って今にも青空が飛び出してきそうですらあります。3つの空がごっちゃに混ざった大空の中で、循環の中にある一筋の光。循環ではない一本の明確な線、ライン。このアークからは開闢とか、この大空(世界)の外側にあるナニカのような未知なるものを感じました。way(道)と未知・・・。あの青空色の円弧の先には一体何があるんでしょうか。

歌詞に書かれている通り、変わらないもの、変わっていくもの、その一つ一つが輝いているんです。そしてそれらを愛おしく追い越していく。星々(my twinkle stars)は囁いているのです、「(あなたの)可能性は無限大」だと。この蒼い軌跡こそが、Twinkle wayだと思ってます。

作詞家の変更について

シャイニーカラーズのユニット曲の歌詞は、基本的に1人の作家によって紡がれています。ノクチル?みない顔ですねぇ・・・。たとえばアルストロメリアの作詞は鈴木静那氏が担当しており、全体曲でいうと「いつか Shiny Days」も作詞されています(「いつか Shiny Days」はシャイニーカラーズ で1、2を争うほど好きな曲なのでまた個別に記事書きたいです)。他の作詞家さんも基本的に同様です(気になったら調べてみてください)。世界観を統一するという観点で、ユニットごとに専任の作詞家をつけることをすごく重要なことだと思っていますし、丁寧に作品を作っているなとモチベーションの高さを感じています。

一方で今回のイルミネーションスターズは、これまで作詞されていた中村彼方氏ではなく、GRA@DATE WING 02から渡邊亜希子氏に変わっています。中村彼方氏はCUE!などでもいい作詞をされていたので、個人的にはとても残念でしたし、1ユニット1作詞家制が変わってしまうのかと思い不安にもなりました。

ですが、今回の「Twinkle way」にはとても満足しています。どういった事情で作詞家が変わったのか、大人の事情なのかなんなのか、消費者にすぎない我々からは何もわからないですが、作詞家の仕事を前任者から引き継ぐのは尋常ではなかったことだと思います。渡邊氏、素晴らしい曲を描いてくださりありがとうございました。

おわりに

リリース時期が大きく変わってしまい、前述のような運営のプランも崩れてしまったのではないかと思っています。曲を出す順番でその曲の本質が変わったりすることはないと思っていますが(数年や10年だと話は変わってくるでしょうけど)、今回の記事では「Twinkle way」で製作陣がどのような意図や情熱を持って送り出そうとしていたかという観点にたってもいろいろ妄想できたと思っています。

やはり「変わらないもの 変わっていくもの すべてを愛おしく追い越した」の部分が歌詞では特に印象的ですかね。シャイニーカラーズの今年のテーマそのものだと思っているので。「Twinkle way」はまさにユニット曲一発目にふさわしいと思います。

イルミネの担当は灯織なのですが、彼女もずいぶんとたくましく強くなったようでとても嬉しく思っています。これからの彼女たちの成長も見守りつつ。真乃やめぐる担当の視点からの意見や感想などもどしどし送っていただければなと!最後まで読んでいただきありがとうございました。

本記事で使用されている画像はすべて©︎BANDAI NAMCO Entertainment Inc.


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