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燃え尽きたと思っていた黛冬優子への情熱と、独占欲への懺悔[シャニマス]

冬優子、お誕生日おめでとう。出会った頃からあなたは全く歳を取らないのに俺は2つも歳を重ねたことがもどかしい。これまでの四人の誕生日記事は筆がスムーズに動いたのに、冬優子の記事は他の担当より内容に困った。俺は今年担当のなかで最も冬優子を蔑ろにし、「俺は本当に黛冬優子担当プロデューサーなのか」と疑念を抱いたからだ。

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冬優子を初めてプロデュースした2年前の春

初めて冬優子をプロデュースした日を今でも鮮明に覚えている。待ちに待った2019年4月5日、自宅ではなく大都会の商業施設で冬優子をプロデュースした。その頃には朝起きたら即シャニマスのデイリーを済ませることが習慣になっているほどシャニマスにハマっており、W.I.N.G.にも随分と慣れていた。

当時はストレイライトのW.I.N.G.が順次実装されたが一番注目していたのは冬優子だ。冬優子を担当にすると決めたのは、彼女を一眼見た瞬間だ。シーズン2より前の段階でスキルパネルを押したとき「いい感じじゃない!」と想像とは異なる勝ち気な声が聞こえてびっくりした。「ネットで言われた通り実際の性格は違うのか」という疑惑はシーズンを進めると確信に変わる。

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冬優子にしろ円香にしろ、純粋に見た目と紹介文が面白そうと感じたからファーストインプレッションで担当だと即決した。甘奈、霧子、夏葉、円香にしろ、担当には外見と内面でギャップがあるキャラが揃っているがその最たる例が冬優子だ。デザインが出回った直後からネット上では「オタサーの姫っぽい」「腹黒そう」と、見た目と異なる内面を予想されていたが、自分は見た通りの優しくおおらかな性格だと疑わなかった。

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変更される前の2019年当時の公式Webサイト

あの情熱的で誇り高いW.I.N.G.をみるまでは冬優子には可愛い系の印象しかなかった。当時の自分にとってのシャニマスは既存のアイマスシリーズの定石から外したキャラ設定をすると思っていたので、ネット上での予想には理解を示しつつもそれを外してくると予想していた。だが結果は、大方の予想通り冬優子は二面性のあるキャラクターだった。

冬優子に騙されて今の自分がある

可愛い系のキャラは興味の対象外だったが、冬優子の場合は「この子は本当に優しそうでいい子なんだろうな」「慣れないタイプにも挑戦してみよう」と興味が勝った。「ふゆ」としての立ち振る舞いをなんの疑いもなく信じていた俺はまんまと騙されたわけだ。あのとき騙されて本当によかった。冬優子は、俺が思っていたよりずっと優しくて魅力的で大好きなキャラクターになったのだから。

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変更後の現在の公式Webサイト

冬優子の意外性に衝撃を受けることは、あの頃リアルタイムでシャニマスをやっていないと難しいだろう。あれと同等の体験を今するには前情報を知らない状態でないと不可能だ。今ではCMや瑣末な二次創作などで勝気な冬優子の性格がオープンになっており、あのギャップを感じるのはとても難しい。幸いにも自分は比較的早めにシャニマスを始めたのでネタバレなしで意外性を味わえた。

これは冬優子に限った話ではない。どのキャラでも、外野から得た先入観や前情報を仕入れずに自分の体験を大事にした方がエンタメとして楽しめるだろう。もちろん真に面白い作品は途中から見ようがネタバレを喰らおうが関係なく面白いので、冬優子のネタバレだって取るに足らないものかもしれない。ネタバレ程度で冬優子の魅力は失われないだろう。だが、あの瞬間にしかできない体験もあるわけで、それは今でも変わらずとても大切な思い出だ。シャニマスへのモチベーションを高め、熱く激しい気持ちで二年目を過ごせたのは冬優子のおかげだ。本当に感謝している。

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今となっては一眼見たときに魅力的だと感じた「ふゆ」の声が甘ったるく感じてしまうようになった。やがて可愛い系ではなく綺麗系・かっこいい系の印象しかなく、冬優子を可愛いとは思わなくなった。「冬優子は可愛いより綺麗、かっこいいだろ!」と、可愛いと思う人との解釈の違いを感じるぐらい俺の中で冬優子の可愛さは失われていった。

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燃え尽きたかもしれない冬優子への情熱

冬優子との馴れ初めについて語ってきて、相変わらず冬優子が大切な存在だと再確認できた。だが、どれだけ綺麗事を言おうが行動が伴っていなければ価値はない。それは己だって例外ではない。今年の俺の行動は、この発言とは裏腹に大切な冬優子から距離をとっていたように思う

2019年や2020年の中盤までは冬優子を想う頻度は甘奈と並んで高かったのに、2021年はある時期を除いて冬優子について考える時間が極端に減った気がする。たまに「俺は本当に黛冬優子担当プロデューサーなのか」と何度か悩んだ。昔とは違い大切な存在でなくなったのだろうかと。

「本当に担当ならそんな風に疑うはずがない」と思うかもしれないが、俺はそれほど自信家ではないので様々な可能性を考えている。今年の序盤に冬優子の件でプチ炎上したが、不特定多数の匿名から攻撃を受けたのが原因で嫌いになってしまったのか。あるいは例の記事を書き終えて冬優子へのモチベーションが燃え尽きてしまったのか。

あの一件で受けた全ての誹謗中傷は自分にとって些細なことだった。むしろ冬優子が腹黒と書かれた1文で怒りの感情が湧いたのは、自分の冬優子に対する想いや情熱が真剣で大きいのだと自覚・再確認できたポジティブな体験だった。大好きな冬優子の印象が事実とは異なる表現で伝わっていたことについて言語化できたのは貴重な経験だ。

21年の炎上はむしろ情熱が上がった時期で、あの頃は冬優子のことだけを考えていた。あの件が関係ないとすると冬優子との関わりが希薄になった時期は別にある。2019年は冬優子が283プロに加入して間もなかったし、登場カードの種類が少なかった。だが、その分他の4人よりも丁寧に向き合い、冬優子のことばかり考えていた。考える頻度が減ったのは2020年の秋か冬ぐらいだろう。あの年に円香が登場したが、円香にばかり時間を割いていたわけではない。では何が原因なのか。

大好きだったもの(人)が人気になると冷める現象

可能性が高いのは、2020年から冬優子が運営や界隈に推されすぎていることだ。ストレイライトの発表直後、自分の周りはあさひに夢中で冬優子には一切目もくれなかった。(翌年にノクチルが発表されたときも同様で、周りの友人は透の話しかせず俺は円香以外眼中になかった。)

2019年は今ほどシャニマスの知名度がなかったと思うし、インターネットを見ずにリアルで繋がった友人間だけで情報をやり取りしていたので実際はあの時点ですでに人気キャラだったのかもしれない。最初のPカップでも甘奈だけ異常にボーダーが高かったことしか覚えていないし、その後のPカップでも冬優子の順位はさほど高くなかった気がする(Pカップでキャラの人気がわかるのか疑問だが)。

俺の感覚では2020年から一気に人気が上がったと感じている。理由はわからないが、今ではTVCMでもみんマスのアニメーションPVでも冬優子は引っ張りだこで運営にも重宝されているように思う。自分は何事も大勢に推されていると冷めてしまう。適切な例でないかもしれないが、「インディース時代に推していた無名のバンドがある曲を境に突然メジャーになったら萎える」みたいな感覚だ。

「体制に逆らいたい」みたいな厨二病的思想を大人になっても引きずっていることも影響していそうだ。「みんなが好きだから自分も好き」「人気があるものがいいもの」みたいな価値観を嫌悪している。できるだけマジョリティではなくマイノリティに身を置いていたい、体制に反逆的でありたいという厨二病。

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大好きだったものへの情熱が大衆に持て囃された途端に冷めてしまう現象は、単に「マイナーなものを好きな自分が好き」なだけかと思ったがしっくりこない。「自分を浅ましい性格だと思いたくない」と必死に否定している気もしない。だがこの現象について気になって調べてみて、ようやく腑に落ちた。その感情は可愛げのある厨二病ではなく、もっとどす黒く気持ちの悪いものだった。

愛する冬優子への独占欲と嫉妬

この感情は、多分独占欲だ。冬優子ただ一人を見つめ直すためにW.I.N.G.など常設コミュや全Pカードを読み直したが、感じたのは「やっぱり冬優子が好きだ」という気持ちだけで原因の特定には至らなかった。Pカードだけを読み直したのはサポートだとあさひや愛依など他キャラが出てくるからだ。

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↑あさひと愛依の特にお気に入りの表情

愛依は顔が綺麗系で好みなのと性格やストレイライトでの立ち回りが神がかっているので毎日絶賛している。あさひはここ最近急激に注目度が上がってきた。今年の初めに「星を目指して」を無限ループしていて声の魅力に気づいたし、メイド衣装も可愛かった。この二人にうつつを抜かしていたことも原因の1つかと考えたが、そうではなかった。この二人が褒められるのは嬉しいが、同担拒否のような感情にはならないからだ。だが冬優子には同担拒否に近い感情を抱いた。これならば独占欲の説明にもなる。

冬優子を魅力的に思うのと同時に、冬優子が持て囃されることに嫉妬した。独占欲、嫉妬。独占欲といっても支配欲ではないし、支配して管理下において愉悦感に浸りたいわけでもない。そんなものはどうでもいい。どうでもよくないのは、冬優子が俺以外の大勢の人間から好かれていることだ。「冬優子を好きなのはこの世で俺だけでいい」「俺にだけ喋りかけてくれ」と思うほどの嫉妬、傲慢さ、独占欲。

キャラが運営から蔑ろにされたら激怒するくせに、界隈で人気になって運営にゴリ押しされたらキレる身勝手さ。どのキャラもできるだけ多くの人に好きになってもらう・愛してもらうことを願っているのも本心だ。でも実際に人気になってモヤモヤして、「自分以外の人が愛しているのが気に入らない」と嫉妬するのは担当だけだ。冬優子について考えて、自分にとって担当とそうでないキャラとの違いがまた1つわかった気がした。

G.R.A.D.は当時さほど刺さらなかったが、それは単に期待したものと違ったからだ。W.I.N.G.と同様他人に冬優子の素の性格がバレるのではないか、その後どう奮闘するかを期待したのだろう。だがそれは冬優子を信頼していないに等しいので反省するべきだ。実際冬優子はボロを出さずに取材を完遂し、シャニPが冬優子への覚悟を語った良いコミュだった。Landing Pointも同様で、ゲーム外での周りのノイズから勝手に独占欲を拗らせてモヤモヤしただけ。

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歴代の常設コミュやPカードのコミュを読み直すまでもなかった。もう一度冬優子と真正面から向き合う必要すらなかった。「マイナーなものを好きな自分が好きなだけ」でも、それを貫いて人気者になった冬優子を嫌いになったわけでもない。独占欲、今までで一番しっくりきた言葉だ。

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男の嫉妬ほど見苦しいものはない。特に冬優子みたいなサバサバした性格の女性なら尚更キモいと思うだろう。俺ですら理想の「男らしさ」からはかけ離れていて気持ち悪いと思う。甘奈にしろ冬優子にしろ、愛が重すぎるとこんなに拗らせてしまうのかと気が滅入る。冬優子と距離を置いてしまったとかそんなことは全くなかった。

むしろこの機会に距離を取り直したほうがいいぐらいだ。他の担当より触れる頻度が低く情熱がなくなったどころか、これだけヘヴィな感情を持っているなら他の担当より情熱があるのかもしれない。炎上程度で燃え尽き症候群にはなっていなかった。独占欲と嫉妬で燃え上がる黒炎は、今もなお己の内側で燃え上がっているのだから。

結局去年の甘奈と同じだ。あれからまるで成長していないと自己嫌悪に陥る。ああいう独占欲を抱くのはガチ恋している甘奈にだけと思っていたが、いよいよ冬優子もその領域に踏み込んだのか。いや、冬優子への感情は愛だがガチ恋ではないはずだ。担当はいずれ誰もがこの領域に到達するかもしれないと思うと自分の気持ち悪さに目眩がする。

黛冬優子への懺悔と僅かながら取り戻したもの

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最後に、今年他の担当と比べてやや放置気味だった冬優子に謝ろうと思う。去年も別の担当に謝った気もするし、担当にはいつも謝ってばかりだ。冬優子、ごめんなさい。最初はこの一年近く蔑ろにして悪かったと書こうと思ったが、自分の抱いている感情の正体が分かってからは謝り方が変わった。

こんなに独占欲の強い人間でごめんなさい。あなたのことが好きすぎて独占欲と嫉妬を抑えるのは無理です。できない子さんでごめんなさい。「担当は素晴らしいのだからできるだけ多くの人に賞賛されてほしい」気持ちと、いざ人気が出ると「担当を愛するのは俺だけでいい」と嫉妬する相反する感情をもったこんなに気持ち悪いプロデューサーでごめんなさい。

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独占欲、嫉妬でもう一年以上前からずっと胸の中はカオスだった。今思えばサマーアイドル2020からモヤモヤしていたのかもしれない。そうは言っても、他の担当より割いている時間が少なかった自覚はある。今日をいい機会としてこの分はきっちり巻き返していく。「俺は冬優子を魅力的に思わなくなったのか」なんて疑問は杞憂だったが、それでもこの一年無意識に避けていたのは悪かった。

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この一年冬優子のことを無意識に避けていた原因がわかったので、とても清々しい気分だ。SNSのトレンドで円香や冬優子の名前があるとイライラした理由もわかってすっきりした。担当じゃないキャラにも平等に出番を与えて欲しいと本心で思っているからこそ、いくら担当だろうが露出が多すぎると腹が立つという気持ちを持ってしまうのもあるだろうが、独占欲があったのだ。それはそれとして、知りたくなかった気持ち悪い感情に加えてコミュを読み直して得たものは他にもある。

「ザ・冬優子イズム」のTrueで冬優子と初めて出会った日を思い出して、自分と重ねて泣きそうになった。過ごした時間(量)より質が重要だと思っているが、それでも感慨深いものがある。また冬優子のコミュでよく見かけたフレーズとしては、「ふゆのこと考えてなさい」「一瞬だって止まってやらないんだから」「感謝しなさい」などが挙げられると思う。少なくとも今年は冬優子のことを考える頻度が少なかったし、立ち止まってしまった。でもいつだって冬優子に感謝しているし、それを忘れたことはない。いつも出会ってくれたことに本当に感謝している。本当にありがとう。

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何より大きな収穫が、やっぱり冬優子はかっこいいだけじゃなくて可愛かったと改めて思ったこと。愛しい存在ではあったが、歴代のコミュを読み直してふゆモードの冬優子を素直に可愛いと思えたし、デレたときの冬優子はこの上なく可愛い。冬優子と初めて出会ったときの感情を取り戻せたのはとても大きい。カッコいい・綺麗なイメージはそのまま中心にあって、かわいいのイメージもしっかりと取り戻した。今後は胸を張ってかわいいと声に出していこうと思う。冬優子と最初に出会ったときのように。

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余談だが冬優子のお母さんと俺の母の性格が似ていると感じたのでさらに冬優子の好感度が上がった。「お母さん」呼びするキャラは好きだ。霧子(幼少期)や甘奈(家の中)みたいにパパママ呼びでも可愛いが。

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担当に貴賎はないしみんな同じぐらい大切だけど、それぞれ自分にとっての一番がある。背中を預けられるという表現に最もぴったりなのは、多分黛冬優子だと思う。俺にとって担当の中で一番、相棒と呼ぶのがしっくりくるのは冬優子だ。ところで人生で困難に直面したときは、担当アイドルのことを思い浮かべるようにしている。こんなところで立ち止まっていては甘奈の隣には立てない。灯織ならもっと徹底的にやりこむだろう。霧子なら他の視点や解法に気づくかもしれない。こんなことでは円香に辛辣な言葉を投げられて失望される。

特に諦めかけているときに脳裏に浮かぶのは夏葉か冬優子だ。夏葉なら逆境でこそ前向きに生きようとする。冬優子だったらこんなところで諦めたりしないだろうな、と。その誇り高い背中を想像すると「まだここで諦めるわけにはいかない」と、ちょっとだけ前向きになれる気がする。やはり担当は自分の人生を豊かにしてくれる

最後に。冬優子、改めて誕生日おめでとう。甘奈にのG.R.A.D.にしろ冬優子にしろ、担当アイドルから「ばか」って言われるのはご褒美だと思う。だからこれからも「ばか」って言ってください。これから先も、俺は冬優子馬鹿ですから。ずっとずっと、あなたらしくいてください。大好きなこの微笑みをみれることと、大好きなあなたの幸せを願って。

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本記事で使用されている画像はすべて©︎BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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