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【9月号】劇場支配人の記憶/ヨシモト∞ホール支配人・西尾編

月刊芸人をご覧のみなさま。

はじめまして、ヨシモト∞ホール支配人の西尾と申します。どうぞよろしくお願いします。2019年5月に沖縄から異動し着任しました。

記憶にある限り数えてみると、私が10代目の支配人になります。
ヨシモト∞ホールは今年でオープン15年目ですので、結構な頻度で交代していますね。歴代の支配人は皆さん面白くて個性的な人ばかりでした。それに比べて自分は何の個性もないスーパー普通人間なので、少し悔しいです(笑)。

さて今回は、月刊芸人の編集担当者より「支配人企画」をつくってみないかと、執筆の依頼を受けました。正直、初めてのことなので何を書けば良いか分かりませんが、月刊芸人の創刊に至った経緯や想いを書いてみようと思います。

遡ること1年ほど前のこと。
当時は、劇場の月間スケジュールを掲載したパンフレット(フリーペーパー)を制作していました。手に取ってみると、空欄が多かったりスペースに対して文字が小さかったり、とにかく紙のサイズに対して情報量が少ないなと感じておりました。と同時に、スケジュールだけのパンフレットに付加価値をつけられたら、もっとたくさんの方々に手に取ってもらえるのではと考えました。

公演スケジュールはホームページを見たら最新の情報が入手出来るのですから、情報だけでなく、紙媒体(モノ)としての魅力や価値が必要ではないかと思いました。

ヨシモト∞ホールがオープンしたての頃は、「Y∞H!(ヨー)」というフリーペーパーを発行していました。

中身は、芸人さんの特集や連載コラム、名物社員による渋谷のオススメグルメ企画もあって充実していて、毎月1万部くらい渋谷エリアで配布していましたね。

私も若かりし頃、劇場近隣のお店に設置のお願いにまわっていましたが、おかげさまで、たくさんの方々に手に取っていただくことが出来ました。

あの頃のように、多くの人に読んでもらえる劇場のパンフレットを作りたい。今度は若手芸人にフォーカスして、単なる情報誌ではない読み物になる企画を作りたいと思ったのです。


時を同じくして、プロモーションという部署の担当者から「若手劇場を盛り上げる手伝いがしたい」と熱いメッセージが届きました。

あの瞬間のことはよく覚えています。

2019年、吉本興業が世間を騒がせている真っ只中のことで、そのメッセージは、私の中にあった不安な気持ちを一気に吹き飛ばすくらい嬉しくて、涙が出そうでした。

それから程近くして有志が集まり、パンフレットのリニューアルに向けた打ち合わせを行い、デザインや名称、企画などを決めていきました。
創刊号の特集は、「キングオブコント2019」で決勝進出を決めていた空気階段に決めました。

その頃の∞ホールは圧倒的にEXITに人気が集中していましたが、その一方で空気階段は∞ホールのランキングシステムでは不動のファーストクラスTOP5に君臨し、ネタの評価が高く人気も上昇中でした。
編集メンバーの満場一致で、空気階段に決まりましたね。

水川かたまりくん、鈴木もぐらくんに声をかけた時は「え? 俺らが?」みたいな苦笑い混じりのファーストリアクションだったと記憶していますが、実際に完成品を見せると二人とも穏やかな表情に変わった気がしました。

これからつくるパンフレットでは、その時々の注目を集めている芸人を特集していこう。ライブやイベント以外でも劇場が出来る若手芸人のバックアップをしていこうと思いました。

媒体の名称は「月刊芸人SHIBUYA」に決まりました。

これは、シンプルに「芸人」という言葉を使いたかったのと、渋谷の要素を何かしら入れたいという思いがありました。
他にもいろんな候補がありましたね。

WAKATE
スクランブル
SCRAMBLE
ゲイニン
芸人図鑑
芸人まとめ
芸人東京
芸人/東京/若手/10年未満
芸人渋谷発
芸人地図
渋谷芸人
シブヤゲイニン
スクランブル
ミゲイニン
次世代芸人
東京芸人案内
一期一芸
きょうの芸人
芸人時間 などなど……

図2

名称は、長く続くことを考えたら安易に決められないですよね。同じ名称でもフォントが異なるだけでイメージもだいぶ変わるので、制作チームでアイデアを出し合いました。

デザインはとにかくカッコ良くてオシャレを追求し、若手芸人らしからぬ一流モデルのような「映え」に拘りました。

今までのお笑い系雑誌にはなかった「お洒落テイスト」をコンセプトに、凄腕カメラマン、敏腕編集マン、ハイパー映像ディレクターの方々にご協力いただき、想像以上の読み物が完成しました。
これは自分だけの力ではなく、あの時声をかけてくれた有志がいたからこそ実現できたと思います。本当に感謝しています。


現在は、紙媒体からnoteに移行し、クオリティは変わらず、いや、よりおもしろく、よりカッコよく展開しています。

また、∞ホールだけでなく、大阪のよしもと漫才劇場、神保町よしもと漫才劇場とも協力して、若手芸人と劇場を盛り上げていこうということで、「月刊芸人SHIBUYA」は、「月刊芸人」として各劇場の芸人たちが登場する媒体になります。

紙媒体で読む魅力も十分わかりつつ、今は、劇場になかなか足が運べなかった方々にもお届けする機会をつくれていることを嬉しく思っています。

これからも若手芸人の様々な情報を発信していきますので、ぜひ楽しみにしていてください。

ご意見やご要望がありましたらコメントしてくださいね! 
ファンのみなさまの声を楽しみにしています。

今後ともヨシモト∞ホールと、若手芸人たちをよろしくお願いしますm(_ _)m

ヨシモト∞ホール支配人 西尾彰記


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