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【9月号】山あり谷あり渋谷を歩く特別版/なんば篇 ~ビスケットブラザーズ~

男のロマンを追求したネタで孤軍奮闘すること約10年、ついに吹いてきた追い風。全国を席巻する日もそう遠くないビスケットブラザーズに、出会いの地・難波で、涙の味を噛みしめてもらった。

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ビスケットブラザーズ:きん(左)、原田(右)

――『漫才Loversスペシャル 第9回ytv漫才新人賞決定戦』おめでとうございます。源兵衛 なんば店さんにおじゃましておりますが、和牛ウチヒラの「塊肉ステーキ」(390g)でお祝いプレートを作ってくださいました。

原田・きん:ありがとうございます!

――源兵衛さんは何度か来られたことはあるんですか?

原田:6、7回、来てます。僕が初めて来たのは2019年1月にやった、僕が化粧品を紹介する『原田ビューティークリニック』っていうイベントの後です。
僕のイベントなのできんちゃんにMCを任せたらよかったんですけど、僕が「やりたい」って言って。でも初めてのMCで緊張しすぎて、1時間の予定のものを早口で20分でやってもうて、やることなくなって。

きん:開始18分でエンディングにやる茶番のくだりに入ってて。え? ってなって。そこから原田が大汗かいて。舞台袖から作家さんが出したカンペに「見たことない顔色してるよ。落ち着いて」って書かれてた。

原田:すごい不安になって、宇宙空間に放り出されたような気持ちになって涙が出てきて。

きん:舞台上で泣いたんですよ。

原田:そしたら先輩らが「大丈夫やから。俺らおるから!」って。「だっておらへんかったんですよ~」って言って泣いて。

きん:そこから原田は何もしなくなりました。残りの40分間はゲストの男性のヘアメイクさんがボケてくれました。

原田:すごい汗かいてて、紅しょうがの稲田がティッシュ持ってきてくれたんですけど、差し出されたティッシュを指さして「ティッシュ……」って言うだけとか。
僕は完全にショートしてもうて、ただの怪物みたいになってましたね。そんなイベントの後に、ヘアメイクさんが「おいしいお肉、食べようよ」って連れて来てくれました(笑)。

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――1年半後にこんなに祝福されるとは嬉しいですね。難波は出会った場所ですが、お互いの第一印象は?

きん:NSCの最初のクラス分けの前にある面接の日、面接会場の下の商店街で体育座りしてる原田を見て。おかっぱで、当時まだ痩せてて。なんかすっごい子がおると思って見てたらタピオカジュース飲んでたんですよ。当時、飲んでる人、誰もおらんくて。

原田:NSCに入ったのは10年前ですからね。最速のタピオカ。タピオカをはやらせた男ですね。

きん:僕は顔を覚えてたんで、タピオカの人や! って授業が始まってから声をかけました。

原田:「気になってます」って言われた。

きん:ええ? 「気になってます」って言った? え? ラブワゴンみたいな感じで言ってた?

原田:うん。ラブワゴンやった。「きんです」っていう札持って。

きん:ほなラブワゴンやん。『あいのり』やん。

原田:「気になってます」って言われた後、きんの顔にめっちゃ接近して「失礼します」って言って帰りました。当時のきんちゃんはまっ金髪でピアス開けてて、怖すぎた。

きん:すごい振られ方したなっていう印象でしたね。でもちょっと話すようになって。で、ご飯に誘って、そこでまた断られながらもめっちゃ押したんです。でも、1時間くらいして「じゃあいいや。ほかを誘います」って急に引いたら、原田から「ちょっと1回やってみようか」って。

原田:恋愛と一緒ですよ。これかって。グラグラさせられるやつ、これかって。まあ、コンビやから恋愛とは全く違うんですけど、なんか釣られた感じですよね。釣られた魚みたいに胸に飛び込んでもうた。

きん:ほんまにグン! って来ました(笑)。

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――10年経った今とで、飲食へのお金のかけ方はやはり変わりましたか?

原田:去年まではほんまに金なくて。今も特別あるわけじゃないですけど。100円のあま~いだけの長いパンわかります? 砂糖がついている。僕、あれしか食った記憶ない。あれと100円のカップ麺。200円オーバーしたら汗かいてた。

きん:弱すぎるやろ、生き物として。

原田:先輩らがたまにいいお店に連れて行ってくれるんですよ。おいしい! ってなった瞬間に「明日また、あのパンや……」って悲しなって。だから『ytv漫才新人賞決定戦』が獲れて本当に良かったです。
だいぶ忙しくなって……。だいぶ落ち着きましたけど。

きん:おいおい早いな。でも仕事をめちゃ入れていただきました!

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――やっぱり優勝って違いますか。

原田:違いますね。個人的には全国区というのもあって去年の『キングオブコント』決勝が僕らの経歴では一番でかいかなと思ったんですけど、優勝ってこんなに祝ってもらえるんやって思いました。

きん:確かに……!

ビスケットブラザーズ
2010年結成、きん原田泰雅のコンビ。大阪NSC33期生。第9回ytv漫才新人賞優勝。よしもと漫才劇場を中心に活動中。


マンゲキ×∞×神保町 presents わちゃフェス2020~よしもと東西若手3劇場の10時間ぶっとおしオンラインフェス!~
9月27日(日)12:00~ 開催



■今回のスポット:源兵衛 なんば店

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赤身肉の真骨頂と謳う神居牛ウチヒラや、和牛ランプに和牛イチボと希少部位を用いた「塊肉ステーキ」(時価)は、仕入れにより350g前後からの提供となる。ビスケットブラザーズがいただいたのは和牛ウチヒラ(390g)。「肉を頬張った時は、弾力がすごくて焦ってしまいました……」と原田、イベント『原田ビューティークリニック』のことを思い出したとか。きんは「うますぎてガツガツ食べてもた」と笑顔で完食。

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ライター/岩本和子 撮影/越川麻希

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