「ゆっくりしたい」「ガンガンいきたい」2021年のすゑひろがりずはどうなる!?
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「ゆっくりしたい」「ガンガンいきたい」2021年のすゑひろがりずはどうなる!?

迎春の喜びにふさわしい、おめでたい撮影にすゑひろがりずが挑戦! 本物の能楽堂で傘を回してみたりクラッカーを鳴らしたりと、お正月ムードが満開です。社会の暗いムードを吹き飛ばす大うつけな写真と共に、躍進の1年となった2020年を振り返ります。

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――2020年、大変な1年ではありましたがすゑひろがりずさんにとっては躍進の年でした。「月刊芸人」では夏にインタビューをさせてもらって、その後も勢いそのままに走り抜けた1年だったんじゃないでしょうか。

南條:そうですね、夏に取材していただいたときからなんとか保ってます。

三島:急に躍進した年でした。

――『M-1グランプリ2020』の打ち上げ生配信で、マヂカルラブリーの2人が「もともと劇場メインだった人は体力がない。芸能人の体力になれるのか」と言っていて興味深かったんです。物理的な体力はさておき、お二人は芸能界に適応した“筋力”はついたと思いますか?

三島:まったくできてないと思います。やっぱり寄席の筋肉のみですね。

南條:全然違うもんな。そのあたりの足りない部分を鼓にだいぶフォローしてもらってるかもしれません。困ったらポンポンしてますんで。僕らよりも鼓のほうが芸能界の温度に対応してる。

三島:今日もクイズ番組の収録やったんですけど、「ポンポン入れていってくださいね」って言われてましたね。本当に需要があります。もっと(鼓が)売れていい。

南條:ヤマハさんあたりから子どもも楽しめる鼓が出ていいと思うんですけどね。

三島:これ持ってなかったら仕事は半分以下やったと思いますね。それくらいの働きぶりです。

南條:絶対そうやと思う。

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――3人目のすゑひろがりずですね。この1年、すゑひろがりずさんがテレビに出ているのを観ると、三島さんがどことなく居心地悪そうな顔をしてるときがあるなぁと失礼ながらたまに思っていました。「なぜ俺がここに?」という感じが……。

南條:(笑)。

三島:慣れないんですよ……。

南條:ずっと石の裏にいたのを、急に石ひっくり返されたから。

三島:日陰の場所が好きなので、光をパッと当てられると逃げたくなっちゃうんですよね。苦手なのが顔に出ちゃってるのはもう仕方ないですね。そういう人間なんで。苦手なままやるしかない。

南條:それがいいんでしょうね。ブロードウェイに漬物石一個置いてあるみたいなコントラストが面白がられてるんやなと思います。顔の固さは、扇子でなんとかごまかしてますね。

三島:これ持ってるだけで、なんか楽しそうな感じになるんで。新たな仕事が増えるから、次から次へと「あ、これは違うんや」「こっちはあかんねや」を繰り返してる状態ですね。コメント能力のなさなんかどうしたらいいのか、いまだに答えが出てないです。

――南條さんはどうですか?

南條:僕はね、そういう顔ができる人間なんで。心は三島と一緒なんですけど、顔と声の感じがうまいんですよ。そのトーンを合わせる能力と鼓でなんとかやってます。「楽しいー!」って思ったことはないですね。心はずっと冷え切って震えてる(笑)。

三島:「楽しいー!」って思ってる人、おるんかな?

南條:フワちゃんとか思ってるやろ。こないだ収録で一緒やったんですけど、三島と並べるとダンゴムシの横でセミがずっと鳴いてるみたいで面白かったです。あれでそんなん思ってなかったらバケモンやろ。

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――売れてないときはみなさん「売れたい」と言いますが、売れたら売れたで苦労は当然ありますもんね。

南條:2020年から別人の人生やってるみたいな気がしますよ。きらびやかな大番組に出させてもらって、セットの裏側を見たときに「これぞ芸能界やな」といっつも思うんです。

見えてるところは電飾がたくさんあっていろんな色が使われていてきれいなんだけど、裏側はマジでただのハリボテ、つぎはぎだらけのベニヤ板でできてる。「これを全員がやってんねや」って思いました。

でもそれこそ僕らも伝統芸能のニセモノをやってるわけで、そういうことでいいんかなって思ってます。本物かどうかというより、にぎやかなヤツだっていうイメージが伝わればいいな、って。

――すゑひろがりずさんは、もともと以前から「テレビや賞レースより、営業や寄席で息長くやっていきたい」という考え方が強かったと思います。

三島:そうですね、そこは変わってないです。

南條:のちのち営業で呼んでもらえるように賞レースで結果出してテレビ出ることが目標だったんで、そういう意味では今、良い状況にあるなと思います。狙っていた以上の結果になって、びっくりはしてますけど。

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――賞レースでいうと、2020年の『M-1グランプリ』は残念ながら準々決勝敗退でした。

南條:悔しかったですね。「最低でも準決勝」って思ってたんですけど、シビアに判断されたな、と。2019年の決勝メンバーで僕らだけ準決勝に上がれなかったんで、逆に気合入りましたよ。去年はM-1に合ってないネタだったんだなと思ったんで、今年に向けてそのあたりは参考にしたいです。

三島:決勝をテレビで観てて、やっぱりここにもう一回立てたらな、と思いましたね。

――チャンピオンになったマヂラブさんは、すゑひろがりずさんと同じ大宮セブンの一員です。2020年は『ネタパレ』(フジテレビ)や『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』(テレビ朝日)などいろんな番組で大宮セブンが取り上げられて脚光が当たりました。でもそれこそ野田さんが「オールナイトニッポン」(2020年9月21日放送/ニッポン放送)で「そんなんじゃなかったじゃん、誰も入りたくない集団だったじゃん」「ライブのコーナーで『大宮愛を語ろう』とかやってるけど、ねぇよ」と断言していて(笑)。

南條:たしかに呼び集められた枠組みであって、大宮を愛して大宮セブンになったわけではないですからね(笑)。大宮セブンのこともいろいろ取材で聞かれるんですけど、みんな強いエピソードから取り合ってしゃべっていってるんで、だんだん薄くなってきてますね。あとはタモンズがすべて話してくれると思います。

三島:タモンズが真の大宮セブン。

南條:そう、結局タモンズなんで、大宮セブンって。

――「賞レースに強い集団」という取り上げられ方もあります。

三島:マヂラブさんとGAGさんがたまたま大宮セブンにいらっしゃったからそういうイメージになってるだけやと思いますけどねぇ。単純に、マヂラブさんが幕張にいたら幕張がそういう集団みたいになってたと思います。

南條:もともと僕らは賞レース弱かったですしね。

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――でも言い方はさておいても、みなさんなかなか売れずに苦労してきた時期が長かったからこそネタの練度が高いし、急にスポットライトが当たってもちゃんと輝けるということなのかな、と思いました。

南條:ほら、やっぱりこうやって取材となると良い結論になっちゃうんですよ! みなさんライターさんなんでね、文字にしたときにきれいな話にしてくれちゃうんですけど。

――すみません、どうしてもついそういう方向に……。

南條:本音はほんまただただ偶然が積み重なってるだけで、苦労なんてせずに才能ある人が早くからドンと売れるのがいちばんいいですよ。

僕もこういう取材受けてて最初のほうはええ感じで言ってたんですけど、だんだん「あれ、俺、キモいこと言ってないか? 良いこと言い出してるぞ」と思って(笑)。「苦労が長いほうがいい」なんてことじゃなくて、もっと泥臭くて厳しかったんで。大宮セブンがあったから今があるんだというよりは、やっと抜け出したっていう。

三島:あれが足引っ張ってた可能性もあるな。

南條:(笑)。その因果関係はわかんないですよね、こればっかりは。

三島:大宮が沼だったのかもしれないって、真実を書いてくださいね(笑)。

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――わかりました。では最後に、2021年の抱負を聞かせてください。今年はどんな活動をしたいですか?

三島:僕は「安定した暮らしがしたい」っていうのはずっとありますね……。朝はゆっくりできてお昼ぐらいから舞台があって、週末は数ステージか営業があって、みたいな。

南條:30年後くらいの話してる? まだ無理やって。

三島:ほんまに、早いこと師匠みたいな感じになりたいなって思いますね。師匠たち、楽屋で本当に楽しそうなんですよ。集まって釣りの話とかで盛り上がって、人生楽しいだろうなってうらやましい。

南條:これはだいぶ疲れてるんでしょうね。夏のインタビューのときはもうちょいポジティブやったんと違う?(笑)。僕は引き続きガンガンいきたいですね。言ってもまだ寝る間はあるんで。EXITとか、寝る間もないでしょ。

三島:(引いた顔で)そうなりたいってこと? 寝る間ないくらい働きたい?

南條:いけるところまでいきたい。

三島:僕はもうこれが限界です(きっぱり)。

南條:そりゃずっとは無理やけど、それくらいを一回体験してみたいなって思いますね。パチンコやとしたら、確変の途中で「もう大丈夫です」「眠たいから」ってやめる?

三島:パチンコやったら絶対やめへんけど。

南條:いま確変状態やから。

三島:パチンコとは全然違うから!

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すゑひろがりず 
ツッコミ・小鼓担当の南條庄助(左)、ボケ担当の三島達矢(右)
2011年に結成。NSC大阪校28期生。


■おまけ

新年の寿ぎ、ということですゑひろがりずに短冊を書いてもらいました!

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三島:(南城の短冊をのぞいて)うわ、字ぃうま!

南條:(三島の短冊に)『妖怪人間ベム』みたいやな。「早く人間になりたい」やん(笑)。


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■取材協力
世田谷長山能舞台


すゑひろがりずINFO

活弁でGO! vol.6
日程:2021年1月28日(木)18:30開場 19:00開演
会場:よしもと有楽町シアター(東京都)
出演:片岡一郎(活動写真弁士)/上屋安由美(ピアノ)/おいでやす小田/こがけん/すゑひろがりず/他


すゑチキ!
日程:2021年2月1日(月)19:00開場 19:30開演
会場:ルミネtheよしもと(東京都)
出演:すゑひろがりず/コロコロチキチキペッパーズ


すゑひろがりず初のポップアップショップ「萬屋 すゑひろがりず」
渋谷PARCOポップアップ&公式オンラインストア期間限定開催

◆ポップアップショップ 「萬屋すゑひろがりず」
日時:2021年1月8日(金)~1月17日(日)
場所:渋谷PARCO 5階 「PARCO de YOSHIMOTO」
・入場無料
PARCO ONLINE STORE:
https://kaeru.parco.jp/shop/detail/shop000026431/

◆公式オンラインショップ 「萬屋すゑひろがりず」
日時:2021年1月18日(月)~
URL: https://www.yorozuya-suwehirogaris.jp




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ライター/斎藤岬 撮影/越川麻希




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