「卒業」やさしいズ・佐伯元輝
3月なので「卒業文集」企画。
ヨシモト∞ホールで活躍する6人の芸人、やさしいズ・佐伯元輝、空気階段・水川かたまり、うるとらブギーズ・佐々木崇博、アイロンヘッド・辻井亮平、ラフレクラン・きょん、ダンビラムーチョ・大原優一にそれぞれの想う「卒業」を文章で表現してもらいました。
結構最近、童貞を卒業した。
【童貞卒業】
ひとつ大きな事を成し遂げたように聞こえて、”卒業”という言葉は良い響きだ。
かたや、”童貞を捨てる”とも言う。
どちらもほとんど気にせず使っているが、”童貞を捨てる”という表現についてふと考えると、童貞の思い出までも否定してしまうようで、なんだか悲しい。
何故かエロ本を大量に仕入れてくることができた同級生がいたこと。
景品の8割がAVだったゲームセンターに18歳になって満を持して行ったこと。
何が売っているのかわからないが周りを見えないように囲われた自動販売機が道路沿いに有ると聞き友達と自転車で見に行ったこと。
甘酸っぱい青春の恋愛を経験をしていない僕には、かけがえのないものたちだ。
この仕事をしているからこそ出会えた童貞の思い出も多い。
「今からセクシー女優さんが胸の谷間に魚肉ソーセージを挟んで逃げますんで、追いかけて下さい。」と言われたり、
「佐伯さんは床に仰向けに寝て”気をつけ”の体勢になってて下さい。スカートを履いたセクシー女優さんが上を通りますんで、佐伯さんには【童貞橋】になってもらいます。」と言われたり、
童貞8人で肩組まされて、スピッツのチェリーを歌わさせられたり、
”Hをしていなかった”ということでアメトーーク!に出演させてもらい、
何かを得るためには同等の対価が必要になるという等価交換の原則を覆したりもした。
この中で少なくとも三つは走馬灯に出てくるだろう。
”卒業”の方を意識して使っていって、何かとてつもない偉業を成し遂げたかのような自己暗示をかけて生きていこうと思う。
■INFO
ごめん、赤坂に忘れ物してきたから取りに行ってくる
日程:2021年4月14日(水)16:40開場 17:00開演
会場:ヨシモト∞ホール(東京都)
出演者:やさしいズ/わらふぢなるお/相席スタート
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