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サンシャイン坂田の夜の高鳴り『それでも闘いは続く』

それでも闘いは続く


気づけば朝7時を過ぎていた。
湯船で何時間ぶっ続けで観たろうか。

追い焚き機能があって本当に良かった。
湯冷めすることなく保ち続ける熱狂。M-1グランプリ準々決勝でのネタを隈なく観てた。一年に一度、お笑いスケベ達が涎を垂らして「GYAO万歳!!」と集結する。全スケベ達が睡眠時間を割いて日常に支障をきたす。僕も完全にそのひとりだ。


毎年M-1の3回戦、準々決勝動画を見るたびに、キングオブコントも予選を配信してくれたら、もっとめちゃくちゃに盛り上がるのになと思う。
そして、それはそれでスベッたりした動画が残ったら地獄だなと思う。

今年のM-1、僕らサンシャインは3回戦で負けてしまったが、しっかり動画は残ってる。そして、ここ数年の中でもトップクラスに入るぐらい大スベリしてしまった。ネタが終わって、あまりの手応えの無さにのぶきよと「まあまあまあまあ。」と謎に高速で頷きあったぐらいだ。


ネタ動画のコメントには「サンシャインは笑わせる気ある?」とあり、25いいねが付いていた。

そして、その返信に「ないのかもしれないですね」

・・・

やかましわ!!!賛同すんな!

返信するなら、かもやめろ!断定してくれ!殺すならしっかり殺せ!!!

一撃で仕留めに来い!!!


頼もしいほどの地獄イジり。
前回の1回目の記事のタイトルが「芸人は人を笑わせる仕事じゃない」最悪な伏線回収。

本当にそういう意味でタイトルつけてないから。
読んでない方は、前回のと併せて読んでほしい。

しかし、早速エピソードトークにさせてもらって万歳。
コメント無かったらマジでただのスベリヘルメモリー。
なんとかギリ生きながらえた。でもこれがキングオブコントだったらと思うと、想像しただけで吐き気がする。

来年こそは「笑わせる気しかなかった」と言われたい。
いや、それはそれでキツいコメントだ。「シンプルに面白い!」で良い。

闘いはなお続く。



しかし、この記事が出る頃には決勝進出者も発表されてることだろう。
大好きな兄さん方や仲間たちが出てるから、もう一概には何も言えないがイチお笑いファンとして決勝はとても楽しみだ。


それにしても動画でM-1準々決勝を観てスイッチ入ったのか、僕はまた別の賞レースを観た。

大阪同期のkento fukaya君が主催した『骨折-1グランプリ』(よしもと漫才劇場開催)。

ただただ参加芸人たちの写真を見て、「これは完全に骨折してますねー」、「これは頸椎いってる」、「これは顔面複雑骨折」など、色んな骨折のパターンの写真を皆で観て、1番骨折してる芸人が優勝という賞レース。というなの企画ライブ。しかしありあまる程の狂気の馬鹿馬鹿しさ。声出して笑った。思わず自分のカメラフォルダからも骨折写真を探して吟味したくらいだ。配信チケットも1,000枚以上売れた大人気ライブ。
このコンテンツを作ったkento君の狂気とクリエイティブに脱帽する。


そして、その流れで観た、『スポーツマンNo.1決定戦』。
みんな覚えてるだろうか、あの伝説の番組。完全に賞レース。これはもう完全に賞レースだった。
僕が観たのは2002年、室伏広治が優勝した年。
めちゃくちゃ覚えてる。15才、中3の僕は夢中で齧り付いて観てた記憶がある。あの時のテレビはさいっこうに面白かった。あの時の温度が一瞬で蘇った。


とにかく参加者がイカつい。プロ野球から、仁志敏久、岩村明憲、タフィローズ。K-1のフランシスコ・フィリオ。ラグビーの大畑大介。体操の池谷直樹。そして、忘れちゃいけない僕らのケイン・コスギ。芸能人No.1でぶっちぎり過ぎて、俳優なのにスポーツマンNo.1決定戦の方に参加してるケイン・コスギ。マジ・スゴスギ。
各界の一流アスリート達が集うこの奇跡の舞台。ここにケインがいて、普通にめちゃくちゃ優勝候補でいるのが凄い。もちろん照英もいる。照英がいなけりゃ始まらない。この回、照英も最高の引き立て役をやる。最高だ照英は。


こんな大怪我もするであろうリスクしかないイチ番組に、スポーツ選手が本気で競い合うのは、今じゃ到底考えられないこの時代ならではの熱狂がある。グラップラー刃牙でいう、地下闘技場トーナメント。普段はお目にかかれないスーパー異種格闘技戦。学生時代の僕らはワクワクして観てた。


そして、今回の2002年の大主役はもちろん、この方。ヘラクレス。ハンマー投げの室伏広治。この2年後の2004年のアテネオリンピックでは、ハンマー投げで金メダルをとる。日本が世界に誇るトップアスリート。しかし、この大会を観たら、もう世界どころか地球人最強として、宇宙に誇れる。種目は有名なモンスターボックス、ショットガンタッチ以外に、ダッシュで旗を取り合うビーチフラッグス、お互いにロープを括り付けて引っ張り合うパワーフォース、などなどパワー、スピード、知能、全てを競う競技がある。ハンマー投げだから、パワーが凄いのはわかりそうだが、ちょっと室伏のスピードがやばすぎる。「こんなに足速いの?てかこれが瞬発力ってこと??」人生で初めて、瞬発という言葉に合点がいった。もう爆笑するぐらい凄い。


パワーフォースに至っては、前回大会であの絶頂の時のプロ野球の清原と名勝負を繰り広げたアメフトの河口選手と決勝で戦い、一瞬で勝負をつけて勝った。この一瞬がどれだけ凄いかは、清原と河口の名勝負を観てくれたら1発で分かる。もう凄過ぎて、同じアスリートたちが笑って呆れてる。それぐらいこの時の室伏広治はヤバい。M-1で言うと満票どころか、全審査員が100点満点つけて優勝ぐらいヤバい。


そして、もっと凄いのがこの室伏広治にギリギリまで優勝を争っていたのが、ケインコスギ。マジで俳優とかのレベルじゃない。忍者戦隊カクレンジャーのブラックでも、ファイト1発でも、センチュリー21でもない。紛れもないトップアスリート。優勝した室伏広治の回だと思いきや、この回はケインコスギが主人公だったのかもしれない。そう思って見ると、とてつもないドラマがある。そしてこの回の衝撃の最後の結末は、是非その目で確認してほしい。


M-1からはじまって、スポーツマンNo.1決定戦まで観て、気づけばもう昼前になっていた。

どうやら僕は賞レースというより、命と魂を燃やして闘っている姿がたまらなく好きなのかもしれない。そしてそこに身を投じるのも。また胸が熱くなってきた。これから僕は『テレビチャンピオンの大食い選手権』も観る。『フードバトルクラブ』もだ。時間が足りない。1日100時間あればいい。

さあ、睡魔との闘いはなお続く。早く寝ろ。

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サンシャイン
2011年結成。坂田光のぶきよからなるコンビ。キングオブコント2019、2020準決勝進出。高い演技力と情熱で会場全体を沸きあがらせる青春コントが武器。ヨシモト∞ホールの看板芸人「ムゲンダイレギュラー」の一組。福岡県みやま市観光大使。坂田は、TOKYO FM/JFN系38局「SCHOOL OF LOCK!」3代目校長。著書に「この高鳴りを僕は青春と呼ぶ」がある。


サンシャインINFO



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著者/ サンシャイン・坂田光



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