『マッチ売りの少女』稽古場ブログ 〜「演劇」の、その先〜
新雪のようなホワイトバックに消し炭のようなデジタル文字にて失礼致します。劇団木霊'23 新人の鈴木萌花です!
本日は劇研×木霊の企画公演、『マッチ売りの少女』の稽古場にお邪魔させて頂きました…!
しぶとかった夏も過ぎ去って、あっという間に秋めいて(いや、むしろ冬めき立っているような…(冬めき立っている…?))、マッチを擦りたくなる季節になってきましたね。こと芝居に関して強い気持ちを抱いている2団体のかけあわせだからこそ、とっても熱気のある稽古場でした…!今回はその様子を少しでもお伝え出来たら嬉しいです!
稽古開始!
稽古を開始してすぐ、演出家の小島淳之介さんの提案のもと、暴力シーンの塩梅についての話し合いが始まりました。表現をしていく上で考えなくてはならないボーダーラインは存在し、それをみんなで考えていこうという姿勢が強く伝わってきました、
そしていよいよアップの始まりです。
アップ
過去レポートでもお馴染み、ゼロ歩行です。恐ろしくゆっくりなスピードで基本の動作の細部まで抜かりなく、そしてその上で綱渡りではなく二本線の上をゆくことを意識されているようでした。精神統一している様子がかっこよかった…。
続けて向かい合った人の全身の動きをひたすらに模倣するミラーリング。2人1組になって相手の行動をよく観察します。途中から連想ゲームを取り入れ、さらに脳に負荷をかけていきます。脳のキャパシティを身体を動かすことだけでなく別のことにも割く練習をすることは、実際のお芝居の立ち回りに直結するのだなと改めて気が付きました。このメニュー、主導権の移り変わりの瞬間がとても面白い…!
台本稽古
アップが終わって、台本を使った稽古が始まりました。
まずは5場の稽古からです。会話中心の、雰囲気が独特なシーン。
少しでも引っかかった部分や、直前に行った演技の自分なりの意図などを共有し、行動の解釈をすり合わせます。感情の型の出し方や方向性の模索を深めていっているようでした。繊細さや伝えたい雰囲気のバランスが難しく、話し合いは煮詰まっていくようで、その実目まぐるしく展開されていきます…。
「伝わってないなということを伝えること」「没個性」「劇劇しい」「の、その先」
魅せたいものの指針を決めてゆく中で、演出家さんからも役者さん方からも本質を突くワードが生み出されていきます。そしてそのワードに対しての吟味もみんなで行う…。
ナマモノである演劇が練り上げられ、精度が上がっていく瞬間に立ち合うというのはこういう事なのかと思うほど、混沌としつつも濃密な話し合いの場でした。
そしてそのまま、この流れを活用するべく急遽稽古予定を変更して別のシーン練習へ!
その時々の流れでより良い道を選んでいく瞬間が一番「有意義な稽古をしている…!」と感じますよね🤤
衣装合わせ
そしてなんと今回、衣装合わせの現場に居合わせることができました…!!
もちろんここに記すことは出来ないのですが、もうなんか、なんか、すっっごく素敵でした……!!!
衣装がつくとその場の空気もキュッと引き締まるし、衣装の妖しい雰囲気が艶やかな魅力を引き出しててすんばらしかったです。
その後、残りの稽古は衣装を着たまま行いました。
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長くなりすぎましたね…すみません。でもこの程度じゃ語り尽くせないぞというくらい素敵な稽古場でした。演劇の楽しさとか難しさとか、そういうものを指先まで敏感にして全部拾い上げ活力に変えてゆく彼らが生み出す演劇です。絶対に面白いです。
是非本番、お見逃しなく!
(文責:鈴木萌花)
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