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新しい市場が形成される時(イノベータ理論)

経営支援をしていると、その時の時流に合わせたトピック何わかるようになってきます。最近だとChatGPTで世界が変わるというものでしたし、その前はメタバースでNFTとか新ビジネスを立ち上げようといった感じですね。コロナの最中は宅配ビジネスやオンラインサービスの数がものすごく増えていました。

でも、気がつくと少し社会がバージョンアップしつつも、落ち着きを取り戻していますね。メタバースは大手企業が何かしら試しておこうと昨年ぐらいから参入していますが、大体はその企業のワールドや期間限定イベントがあっても、なかなか定着は難しいようです。ChatGPTをはじめとするAIの分野は第1波がやってきて、少し落ち着いた感じがします。みなさんお試しでやってみたけど、そこから色々試す人と、「まぁ、こんなものか」ってやめてしまう人に分かれた感じを受けています。

新技術は、最初に話題になる時と、それが定着した時で全く異なる形態になることが多いと思います。この変化は、水面下で興味ある人やその技術の未来を創造できる人たちが、少しずつ色々試しているので、その外にいるとなかなか気がつきにくいと思います。メタバースについては、当初はオンラインゲームのノリで一部のコアな人々が始めていましたが、昨年のブームで一般の方々も触れるようになってきました。

「イノベーター理論」という言葉があります。ある技術の段階を示すものですね。

Graph courtesy of Tungsten/Wikimedia Commons

最初がイノベーターで、一部の物好きが色々と利用している段階にあたります。メタバースも2015年ぐらいからサービス自体は始まっていて、その頃はできることも限られていて、プレイヤーとサービス提供者側の距離も近い段階。一緒に技術開発をしている段階ともいえます。

次がアーリーアダプターと言われている段階で、徐々にこのサービスを利用する人々が増えていく段階。この段階になるとプレイヤーの多少化が進み始め様々なニーズに対応していく段階ですね。でも、まだ利用している人は全体から見ると一部です。

次がアーリーマジョリティーで、この段階になって市場でも一般人が手軽に使い始めそのサービスを多くの人が使いたいと思う段階です。アーリーアダプターとアーリーマジョリティーの間にキャズムという状態があります。一つの技術やサービスが市場に受け入れられるかはこのキャズムを越えるかどうかにかかっています。
また、この段階は市場の成長期にあたるので、さまさまな企業がこの市場を狙って参入してくる段階でもあります。逆に、イノベーターやアーリーアダプターの人から見ると、一般化してつまらないとなる段階でもあったりしますね。(新しい物好きは常に新しいものを求めていくので)

すでに一般的な市場が形成されていて、今までは関係ないと思っていた人たちも、これを使おう、買おうとなる段階が、レイトマジョリティーです。二人に一人は使っているという段階ですね。ここまでくると、市場内での競合もたくさんいるので、消費側から見れば選択肢が増えているようにも見えますが、一部の大手が市場をほぼ独占していることもあります。

最後が、ラガードでこの市場に入るのを躊躇っていた人々が仕方がないから利用するという段階です。この段階まで行くのには結構な時間がかかるとおもいます。

さて、ChatGPTに始まるAIもメタバースも私は今アーリーアダプターの段階に入ってきたと思います。これだけ多くの人々が体験しているからもっと先な段階な気もしますが、キャズムを越えるほどの威力はまだないからです。というのも、まだまだこれらの技術を使った製品、サービスのカタチが形成されてはなくて、プレイヤーが試行錯誤しているからですね。とはいえ、イノベーターの段階よりはこうやって人々が注目するのでアーリーアダプターかなと。

以前と異なるのは、これらの新技術を使った製品・サービスを生み出すのが利用者であるということ。20世紀型のビジネスモデルではメーカーが研究開発してできた新技術を搭載した製品が市場の中心でしたが、21世紀型はそれぞれの技術を利用できる環境が市場の中心なので、その市場というもの自体がプレイヤー次第で大きく変化するからです。

なので、「メタバースは終わった」とか「ChatGPTは怖いからやらない」ではなくて、何かしらでこれらの技術に関わっておくことは重要なんだろうなと感じています。なので、私にとってはアーリーアダプターな状態が心地よかったりします。

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