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既存と新規

モノごとは、単純そうで複雑で実は単純です。ただ、単純にするためにはちょっとしたコツが必要なのと、単純にするためには、棄てる部分が出て来ます。そう考えるとモノごとはやはり複雑なのかもしれません。

コンサルティングをする時は、単純にして考えないと収拾つかなくなるので、どう単純にするのかが腕の見せどころなのかもしれません。

さて、多くの事業では、利益を確保しそれを継続するために、最適分配することが必要になります。この基本的な構造は全てにおいて変わりませんね。
事業支援の場では、経営理念とか、ビジョン、目標といった言葉がよく飛び交っています。これは、事業をおこなう動機になります。それを実現し続けるための構造といえます。なので、利益確保が最重要になります。

ではこの利益はどうできているのかと言うと、売上と費用に分解できます。売り上げを上げて、費用を抑えれば利益は増えていきます。そのために、私は売上規模よりは利益の方を重要視しています。ただ、売上規模が大きければそれだけ手数があるケースも多いので、あるに越したことはないですね。この、売上と費用が切り口となります。

ては、売上を上げることにフォーカスを当てると、どう言う顧客か?と言う視点が重要になります。

一般的には顧客の切り口として、男性/女性、年齢層などの身体的なものもあれば、行動パターンで細かくみていくこともできます。こちらは市場細分化と言っても、自社の商品・サービスが刺さる特定の市場を探る時によく使います。なので、創業や新規事業の段階でよく使われます。

既存の事業で売上を上げるためのセオリー(コンサルタントとして)としてよく言わせるのが、新規/既存の切り口です。特に既存顧客を大切にしなさい、と教わって来ました。製造業を中心とした系列取引はまさにこの考え方ですね。また、商店でも既存顧客として取り込めば、長期にわたって利用してもらえるし、口コミを誘発できるので、宣伝活動をしなくても、お客さんを既存顧客の方が呼んできてくれるということでメリットもあります。
新規顧客獲得と既存顧客維持ではどちらの方が費用をかけずに達成できるか?という話もありました。新規顧客獲得にかかる費用は維持する数倍も大変ということです。なので、既存顧客は大切にということですね。

しかし、変わらないものはないのです。
これまでは、成長前提で経営は考えられていたので、既存顧客は一度獲得して維持し続ければ、その分の売上は基本的に確保できるとされていました。しかし、この10年ぐらいでそれは様変わりしています。

まず、最初に挙げられるのは、産業構造が変わりつつあることです。これは、これまでの市場自体が変化してしまうので、既存顧客がいなくなってしまうということです。自動車部品関連がわかりやすいですね。EVへのシフトや部品の進化により、これまで必要とされていた部品が不要になるケースです。それ自体が不要になるので系列であっても保護されませんから、新たな市場を目指す必要があります。

店舗運営の場合も、取扱商品が時代のニーズに合わなくなってくると同じです。特に高齢化により既存顧客が離れていくケースも多くなって来ています。

また、社会の流れが早いのと、人々の情報収集の力が上がって来たことも、いつまでも既存顧客を繋ぎ止めておくことを難しくしている要因になっています。なので、これからの社会は新規顧客を常に得られるような経営が求められて来ます。そのためには常に世の中へ対してアンテナを張りつつ、自分の事業の立ち位置を意識することが必要ですね。

そう考えると、安定した経営というのが今まで以上に難しくなっています。

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