ブラジル美術史概説 Ⅱ
前記事でブラジル・バロックの展開を追ってきました。アテンデやアレイジャジーニョといった個性が出てきた18世紀が終わるごろ、ヨーロッパで大事件が起きます。フランス革命とナポレオン戦争です。
ヨーロッパ全土を支配しようと1806年にフランス軍は宗主国ポルトガルの首都リスボンに迫ります。そして王族がブラジルに逃げてくるのです。王が植民地に逃げたというのでは体裁が悪いので、1815年にブラジルはポルトガルの植民地から同君連合へと昇格します。そして1822年にブラジル帝国として完全に独立すると「ブラジル」というアイデンティティが名実ともに確立していく時代に入ります。
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