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ダッシュボードはもう古い!?SalesforceによるSlack買収で変わるデータドリブン組織のアプローチ方法について

Salesforceには、Sales Cloudに標準装備されているレポートやダッシュボードという機能を持っています。

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その他にも、BIツールとしてTableau CRM/Tableauの2つのツールを持ち、Sales Cloudに蓄積したデータをBIツールを使って可視化することで意思決定を促すという機能が揃うことになりました。

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弊社リバネスでももちろんこれらのツールを使って分析を行い、日々の意思決定に活用しています。

ダッシュボードが廃れる日

このダッシュボードという機能、作って運用してみるとわかると思うのですが、たくさん作ったうちに数年間利用し続けられるものって相当限られてくるのではないでしょうか。個人的にはゴテゴテに作り込んだダッシュボードほどその傾向が強くなるような印象があります。

ダッシュボードはその意味を理解し、どのように使いこなすことで何を理解することができるのかについて習熟する必要があります。作り込めば作り込むほどその学習時間が必要となり、最終的に使えるのは作った人だけとなってしまうこともままあるのでは無いでしょうか。ものすごく時間をかけて作ったダッシュボードも、使われなくなってしまっては価値を発揮することができなくなってしまうのです。

リバネスでは、最初にあらゆることを検討できるようなダッシュボードを作り、そこから必要なものだけに削ぎ落とすようなプロセスでダッシュボードを考えます。なぜかというと、その情報によって価値を生み出す人に対して過剰な情報量を提供しても生産性を下げることはあっても上げることにはつながらないからです。

意思決定を促す為に必要なものはなにか

もちろん、たくさんの情報の中から、ダッシュボードをいじくり回してこの辺にヒントがあるのではないかというあたりを付けるという行動はなくなりません。よって、データを解析する人にとって作りやすいダッシュボードや連動してデータが可視化できるようなBIは不要にはならないとは思います。

しかし、意思決定の場に於いてすべての情報が必要かというと、必ずしもそんなことはなくて、むしろ大量の情報の中から要点だけを求められるのが通常ではないでしょうか。ダッシュボードのURLを渡してそこから好きに解釈して使ってくれというのは、全員のレベルがある程度揃っていてこそ成り立つやり方であり、日々いろんな人がいろんな知識レベルで情報に接するのであればこのようなやり方ではうまくはいかないでしょう。

その情報を見て、自分の行動を変える、そのために必要なのは濃縮されたピンポイントの指標ではないか。そんなふうに私は考えています。

Slackによって何がかわるのか

Slackはコミュニケーションのハブだと捉えています。Slack上にあらゆる情報があつまり、それをスタッフが共有し、時に議論し、時に意思決定を行いToDoとして落とし込まれていいう。そんな、バーチャルなオフィスといえるような場所がSlackです。

オフィス空間に、適切な情報が放り込まれることによって、組織が動いていく、そんな未来に対してSalesforceがBetしたのではないかと考えています。

なぜダッシュボードが古いのか

ダッシュボードというのは、使う人が能動的に情報を得に行く必要があります。Salesforceというツール自体がそういう作りになっていて、たくさんの情報の蓄積の中から、ダッシュボードやレポートを作って、その目的地に自分がいかないといけません。逆に言うと、目的を持たない人がSalesfoceを眺めてもなにも生まれないのです。これでは、全員がパフォーマンスを発揮するというのは難しい。まだ何も見えてないけど何かに貢献したいと思っているスタッフの想いを既存のSalesforceでは救えないのです。(なんとなくいろんなダッシュボードを眺めることで見えてくるという人ももちろんいない訳ではないですが)

枯れたダッシュボードとSlackの親和性の高さ

散々使ってきたダッシュボードを日々見に行くというのは面倒です。ダッシュボードの中から、このタイミングならこの数字だけを見ておけば大丈夫だろうというように、ダッシュボードは使い倒していく中で価値が集約していくものです。このように枯れてきたダッシュボードを、毎回見に行くというのは情報取得のコストが高いままで維持されてしまいあまり好ましくありません。そこで考えたいのがSlackの活用です。

例えば、営業成績を定点観測する必要があって、年度別にまとまったダッシュボードを見ているとしましょう。売上目標の達成度がどの程度なのか、目標達成はしうるのかといった確認事項をいくつか見るのだと思うのですが、わざわざ見に行かなくてもSlackに情報が自動的に流れてきたらどうなるでしょうか。

先程も言ったとおり、Slackはまさにオフィスの会議室のようです。そこに流れてきた情報を元に議論が始まり、何をすべきかを意思決定して誰かにアサインすることまで一気通貫で出来てしまいます。Slackによって行動変容が生まれる、そんな使い方ができると非常に効果的な使い方と言えるでしょう。

Sales Cloudに蓄積された情報は、Apexを通じて情報処理され、最終的にまとまった情報がSlackにpostされます。postされた情報は、チャンネル内の関係者に即座に共有され行動が促される。これが新しい時代のデータドリブン組織の在り方になっていくのではないかと思っています。

そんな話を昨日しました。

ここに書かれている事は、SalesforceによるSlack買収よりはるか前から実践してきた内容で、いわばオレオレ実装になるのですが、買収によってこれからだんだんと密接なやり取りが可能になるように変化していくだろうと睨んでいます。

先程担当AEからもらったプレゼンテーションにはこのように位置づけられています。

リバネス御中_20210824_pdf

Slackが全てのツールの真ん中に位置づけられています。Slackをハブにして全部がつながる事が想定されているんですね。

まあ実際にどんな実装になるのかは分かりませんが、私が考える未来はこんな形です。

日々流れていく情報量は増えることはあっても減ることはありません。情報の波に飲まれてしまう人も少なくないでしょう。Slackの買収によって、コンパクトにピンポイントな情報提供が可能になれば、より効果的な動きやクリエイティブな活動に従事する時間が増えて、仕事のやりがいにも繋がっていくんじゃないかなと考えています。

noteにはこれまでの経験を綴っていこうかと思います。サポートによって思い出すモチベーションが上がるかもしれない。いや、上がるはずです。