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After Dreamin' Salesforce×Snowflakeスペシャル対談で伝えきれなかったこと #JapanDreamin #JD参加してよかった

というわけで、三年ぶりでしょうか。オンサイトありのハイブリッド開催だったJapan Dreamin'2023。みなさん楽しめましたでしょうか。私自身は、昼過ぎのスペシャルセッションでモデレータを仰せつかっていました。

スペシャル対談

このセッション自体は、僕が個人的に熱望していたセッションでして、Dreamforce2022で見たうさぎと、そこにネイティブ接続されるというSnowflakeをかけ合わせるとどんな未来が見えるのかについて、そのインパクトを伝えたいなと思っていたのでした。
*以下で語っている事はまだ未実装の話を多く含んでいますので現時点での想像及び妄想だと思って読んでください。

自己紹介にもいれましたがただのファンとしてモデレーターしてました

Dreamforceで登場したのはこのうさぎです。要するに、個人に情報をリアルタイムで紐付ける事ができるようなプラットフォームにSalesforceは進化していきますよという概念を総称する機能としてリリースされていますが、現状はまだその詳細が不明というのが2023年1月です。

Dreamforceではジー○ーと呼ばれていましたが日本では大人の事情でまだ名前が呼べません
うさぎ年だし、うさぎのキャラクターだしということでうさみみで登壇する4人の大人たち

このCDPのプレゼンに突如現れたのがSnowflakeという文字でした。いったいこいつは何なんだろう!?と思っていたときに出会ったのがSnowflakeでエヴァンジェリストをしているKTさんだったという訳です。

右端に存在しているのがSnowflake

Salesforce上の個人情報の取り扱いと言えば、弊社でいうと「リバネスID」というオブジェクトにあらゆるデータを紐付けて、その人がどんなアクティビティを積み上げてきたのかが分かるようになっています。なぜかと言うと、人にあらゆる情報が紐付いていれば、その人のページを見るだけでどんな人なのかがある程度把握できるからです。

リバネスIDにあらゆるデータを紐付ける

2022年にはPardotにある膨大なアクセスデータをSales Cloudに同期するという力技を行い、より解像度の高い個人情報にすることができています。

ただね、結果的に言うとこのPardotのデータは本当に膨大な量があり、Sales Cloudに入れてもビューで見るのは困難です。
ちょうどセッションの途中でSnowflakeのKTが言うわけですよ。膨大なデータを全部自前のデータベースにコピーしたりしていませんか?って。
「はい、してます…」

やっとんなーという顔をしている私

先程紹介したCustomer Data Cloudというのは、Salesforce CDPという製品で利用できるもので、個人のレコードに対して様々なデータを紐付けてリアルタイムに反応する事ができるようになるという触れ込みになっています。

Dreamforce2022のときのプレゼンのキャプチャ

ブレッドテイラーがまさか退社するとは思ってなかった在りし日のDreamforceより。

さて、このCDPですが、個人のデータを紐付けるとこんな形のページが生成されるようです(これはデモなので恐らく製品版は違う形になるでしょうけど)

Salesforce CDPの画面イメージ

右上が、色々なチャネルでの活動履歴をタイムライン上に示したもので、アクティビティフィードみたいな名前になっていましたが、こんな形で表現されるようです。このデモでは生涯売上金額予測みたいなことをやってましたね。
これで言うと例えばWebsiteの部分は、先程紹介したPardotのアクセス履歴データと同義になると思います。
さて、ここで問題になるのがデータ量です。Pardot一つとってもそれなりのデータ量になりますし、Salesforceのストレージはお世辞にも早いとは言えません。セッション中にも言いましたが、Pardotのデータをビューで見ようとするとローディング画面がくるくるしたまま、最悪の場合はタイムアウトすらするわけです。HDD容量の問題もありますし、これは頭の痛い問題だよなということになってしまいます。そこでSnowflakeが登場する訳ですね。

というわけで早速Snowflakeを導入して検証する訳ですが、これが爆速です。本当に早い。

CDPでデータを快適に閲覧しようとすると、レスポンスの早いデータ基盤が確実に必要になってくるでしょう。個人的には今あるSalesforceのデータをまるっとそのままSnowflake基盤に載せられるオプションがあるんだったら今すぐにでも変えたいと思うくらいにインパクトがありました。めちゃくちゃ早い。

リアルタイムとはなんだったのか

これについてはKTがとてもインパクトのある話をしてくれたので、録画が公開されるんだったらぜひ見て欲しい。Snowflake的にはデータの投入とものすごいスピードのレスポンス力を持つデータ基盤という技術はもう未来じゃなくて今ココにあるものなので、それをアプリケーションに活用していけば良いんですよという話し。もう一つ重要な機能がSnowflakeのマーケットプレイスというもので、これは現在も拡張が続いているのですが、例えば気象データをウェザーニューズが提供していたりするんですよね。

Snowflakeマーケットプレイス

従来はこれらのデータを例えばスクレイピングして取ってくる必要があったりしてエンジニアリソースが必要だったりしたのですが、そういう万人向けデータは大本がSnowflakeを介して提供することによって余計な稼働を排してデータ活用にだけ時間を使うことができるようになる訳です。しかもマーケットプレイス経由で使う場合は、そのストレージ料金を払う必要はありません。すごくないですか。(データを利用する際のコンピューティングリソースにはお金がかかります)
CDPの肝は大量のデータです。これらを紐付けた先にEinstein(AI)があることに寄って人間が一つ一つ考えたインサイトを提示するのではなく、自動的に最適解を導いていく、そんな未来が来るのだろうと思っています。CDPがGAになることで人間が扱えるデータ量を遥かに超えていくことは明らかです。華々しく登場したけど恐らく幻滅期にあるであろうEinstein君が輝く舞台はここにあるとすら言えるでしょう。
今後はこれらのデータの中からインサイトを取得し、それを実ビジネスに応用していくという力が求められるということになります。

で、お前は何をやりたいのさ?について

僕は常々スカウターを作りたいと思っていました。ドラゴンボールに出てくる戦闘力が分かるあれですね。ビジネスでもほしくないですか。
イメージとしてはホロレンズをつけておけば、人の顔を認識してこれまでの接点を導き出し、自動的に相手との話題を提案してくれるみたいな世界観だと思います。例えばイベント会場や会食、営業現場でもなんでも良いのですが、そこで出会った誰かとのつながりを分析してフィードバックしてくれる、そんな世界を作ろうと思っています。
KTがセッションの中で非常に印象的な話をしていました。データというものは既に現実世界の写し鏡になっているんだと。IoTの発達で本当にそのようなセンシングの世界は既に実現しているが、アプリケーションレイヤーでそれを活用するということすらもはや難しいことでは無いんですとのこと。ただね、データをリアルタイムに取り出すことができるシステムってまだそんなにないんです、Snowflakeならできるけど。例えばその写し鏡に写った自分を見てメガネをかけようと思ったときに、数秒遅れた写像が写ってたら目に柄が刺さったりするんじゃないのと。そんな鏡使い物になりますか、という話は非常に分かりやすく会場に浸透したように思います。
上述したような世界観も同じことで、例えば立食会場で出会った人のデータが数分後に返ってきたらどうですか。もう違う場所に去っているかもしれないですよね。それは大きな損失かもしれない訳です。
Sales Cloudユーザの間ではまだリアルタイムな情報がどんなアプリケーションとして活用できるのかを考えたことのある数は多くないはずです。ただ、今回のJapanDreaminで100人を超える人たちがこの世界観に触れてしまいました。Snowflake単体ですらすぐにでも使ってみたいという声も聞きましたし、僕はCDPとの組み合わせを非常に楽しみにしています。

まとめ

・CDPはまだGAになっていないが、面白い世界がやってくるはず
・SnowflakeはまだSales Cloudユーザへの知名度は低いが、めちゃくちゃおもしろい機能を持っているので気になる方はお知らせください

登壇者三名で記念撮影

登場人物

企画はふみのさんでしたー。神セッション!

拙いモデレーションで申し訳ない部分もありましたが、ご参加頂いた皆さん本当にありがとうございました〜!
僕自身は2019のDreamforceで着たまましまわれていた袴を再登場させることができたのも良かったです。

おまけ

リゾルバの呉縞さんがreknowというサービスをリリースするプレゼンをしていたのですが、たくさんのパートナーが同じ手順書を別々の資料として作り上げているのを見て、マジで無駄って言っていたのと、KTがセッション中にいろんな会社がスクレイピングでマスターデータを作り出そうとしていて本当に無駄っていうところがリンクしてたのが個人的なハイライトでした。

noteにはこれまでの経験を綴っていこうかと思います。サポートによって思い出すモチベーションが上がるかもしれない。いや、上がるはずです。