パリ・オペラ座の日々1993~1994:10月20日 イタリア・フィレンツェ②
10月20日
早起きするつもりが寝坊して、結局ホテルを出たのは10時くらい。まずはウフィッツィ美術館へ。ジョットからボッティチェリと歴史をたどり、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロの天才ぶりに打ちのめされる。カラカラ帝、ラオコーン(摸刻)、ミケランジェロ胸像など知ってる彫刻もたくさん。あまりに数が多すぎてだんだん疲れてしまった。美術館内のバールで一休み。
天気も良くて気持ち良い午後。ほかの美術館をあたってみたが、みな14時で閉館ばかりで諦める。夕方はマーケット的なところをウロウロしてネックレスとか、ベルトを買ったりした。ホテルのそばの総菜屋で適当に買い込んでホテルの部屋で夕食。
ウフィッツィ入場料 2000L
ウフィッツィ内バール 1350L
ジェラート 200L
ネックレス 1000L
ベルト 5000L
髪留め 350L
夕食お惣菜 2800L
スリッパ 1500L
まずはウフィッツィ美術館。なんか廊下ばっかりって感じで面白い建物ですよね。
とくに彫刻類は廊下にずらっと配置されていて、あまりの物量でとても見切れません。なんとなく通過していく感じ(笑) 石膏屋として27年働いた今の自分なら何倍も楽しめるはずですけど、この当時は少しだけ普通の人よりは彫刻に詳しいかなという程度ですから、まだまだチンプンカンプンでした。
言わずもがなのミケランジェロ。衣文を描いても彫刻っぽいです(笑)
フィリッポ・リッピもいまだったら穴があくほど眺めていたいなぁ。
本当に美しいです。そして画面がデカい。これも素直に感動でした。
少し残念だったのは、1993年5月に発生した爆弾テロ(美術館近くの路上で自動車爆弾が爆発して美術館スタッフにも死者が出た。一階の展示室が大きな被害を受けた)の影響がまだ残っていて、「ニオベの間」や「トリブーナ」が閉鎖されていました。「ニオベ」、「鎌研ぎ」、「ファウンのトルソ」などは石膏像としても有名ですからぜひ見たいと思っていたのですが。
18世紀末、グランドツアー時代のトリブーナの様子を描いた絵画。
廊下の突き当りにラオコーン像。あれ?これはヴァティカンでは??と思っていたら、摸刻像でした。摸刻といっても16世紀の有名彫刻家だったバッチョ・バンディネッリが教皇レオ10世に依頼されて製作したものなので、これも貴重な作品です。ラオコーンは他にも何点か摸刻が存在しているみたいで、ルネサンス当時いかにこの彫像の発掘が大きな出来事だったかがよく分かります。
ちなみにバッチョ・バンディネッリは、かつてダビデが設置されていた(現在はレプリカ)シニョーリア広場(市庁舎前広場)にあるこの彫像の作者です。
バッチョ・バンディネッリ作 「ヘラクレスとカクス」
ミケランジェロ以降のマニエリスムを代表する彫刻家のひとりです。ミケランジェロの素晴らしさを見てしまうと、ちょっとだけショボく感じちゃうのがバッチョの立ち位置ですね~(笑)
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