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A-361 御者の像


石膏像サイズ: H.34×W.8.5×D.8cm(縮小像)
制作年代  : 紀元前474年
収蔵美術館 : ギリシャ・デルフィ考古博物館
出土地・年代: デルフィ・アスカリ村 1896年

紀元前5世紀頃に制作された、古代ギリシャのオリジナルブロンズ像で、神託の地デルフィから発掘されました。この彫像と同時に出土した礎石の記述によれば、シチリアの専制君主ポリュザロスがピュティア競技会で戦車競争に勝利したことを記念し紀元前474年に奉納したものだそうです。四頭の馬が競争用の馬車を引っ張り、御者が手綱を持つ、という構図であったと想像されています。

この彫像は、古代ギリシャのブロンズ製造技術がいかに素晴らしかったかということをよく伝えています。頭部、上半身と下半身、衣類から突き出ている右腕の部分、右手の薬指、などが分鋳であったことが判明しています。また眼球部分、まつ毛、銀の薄板で加工された歯なども、それぞれ別部品として制作されて接合されており、高度な鋳造技術で製作された
作品です。


(オリジナル彫像の写真はWikimedia commonsより)

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