パリ・オペラ座の日々1993~1994:2月4日 ギュスターヴ・モロー美術館
2月4日
午後からトリニテにあるギュスターヴ・モロー美術館へ出掛けた。小雨の中を少し迷って辿り着いた。晩年モローが暮らした邸宅が美術館として開館している。こじんまりとした空間に、所狭しと作品が展示されている。上階とつなぐ螺旋階段が風情があって素晴らしい。作品があまりにも多すぎて、引き出しみたいな中に大量に格納されていて、必要に応じて引き出して鑑賞する仕掛けもあった。一時間くらい鑑賞した。
ポム・ド・パンで一休みして、ギャラリー・ラヴァイエットでバッグを一つ購入。ちょっと疲れ気味で早々に帰宅して寝た。
モロー美術館 31F
ポム 32F
バッグ 95F
マルモッタン美術館も素敵な邸宅美術館ですが、ギュスターヴ・モローの個人美術館はさらに個性的で素晴らしい空間です。今後パリを訪れる機会があれば、ぜひおすすめしたい美術館。
パリ9区にあるギュスターヴ・モロー美術館。メトロなら12番線のTriniteが最寄り駅だと思います。オペラ座ガルニエ宮から歩けるくらいの距離。
ギュスターヴ・モローは19世紀後半に活躍した画家なので、ポスト印象派的な立ち位置だと思いますが、その作風は個性的で独自の存在感があります。象徴主義とカテゴライズされるようです。マティスとルオーの師匠と捉えるとなんだか納得がいきます。
美術館内はこんな感じで、幻想的な大作が所狭しと展示されています。中央にあるボックスは、たしか小作品がファイル状に並べて格納されていて、鑑賞者が自ら引き出して眺めるような仕掛けになっていました。
左上の横長の絵画は16世紀ヴェネツィアのカルパッチョ作「聖ゲオロギウスと竜」ですね!?これは本物かな?模写したものかな?こうして並べてみると、モローの作品と違和感なくて面白いですね。
モロー作品で有名なのがこの「出現」などのサロメ伝説を取り扱った一連の作品でしょう。囚われの身となっていた洗礼者ヨハネの首を斬首させ所望したという聖書に関連した物語。
ここを訪れた当時は、まだまだ美術史に疎くて(今でもそれほど知識はないですが…)、モローの作品をたくさん眺めているうちに、だんだん暗い気持ちになってきてしまった記憶があります(笑) 幻想的で美しい画面ですけど、どこか恐ろしいムードが漂っているような気もします。
上階とを繋ぐ螺旋階段の佇まいがとても美しい。
参考にした石膏像なども展示されています。
これは僕の工房でも作っている解剖像(エコルシェと呼ばれます)。同じものをゴッホも所有していて、モチーフにした作品が存在しています。
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