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第九ひろしまから得られた喜び

第九ひろしまが終わりました。

本番が終わった昨日は、
ミスしたところがあり凹んでいたのですが、

よく考えると、今までの練習の中で
一番腹圧をかけて、喉を開いて発声できたし、
一番きれいな声で歌えたと思います。

ここで、この半年間をふりかえって
第九ひろしまから得られたものを記録します。


音楽はなんとなくで作られてないこと

当たり前と言えば当たり前なのですが、
素晴らしい音楽ほど、
「フィーリングで」「なんとなく」音を並べられて
作られたものはないということに気づかされました。

もちろん、その作曲家の人生の中で
培われたものが音作りに反映はしますし、
それが個性となるのでしょうが、

意図的に音を使って人の心を動かす、
耳に引っかかるような
カラクリを作れる人が、
偉大な作曲家なのだということです。

ベートーヴェンはこの曲の中で
色々なカラクリを仕掛けていて、
聴く人の中に小規模爆発を起こし、
聴く人を飽きさせない仕組みを作っています。

これを一つ一つ、先生方が
練習のたびに解説してくださり、
作詞・作曲をしたことのある自分としては
とても勉強になりました。

ですから、半年も同じ曲を歌い続けてきたのに
全く飽きることがありませんでした。

むしろ、歌うたびに発見があり
どんどんハマっていくという感覚。

音楽に限らず、後世に残る「ものづくり」には
人の琴線に引っかかる「カラクリ」が
あるのではないかと思っています。

ベートーヴェンはロック

以前からクラシックでは
ベートーヴェンにロックの要素を
感じていて、好きでした。

自分はエレキギターをしていて
邦楽も洋楽もコピーしていますが、
なにか、自分が好きなロックの曲に
共通するものを感じています。

「エリーゼのために」、
ピアノソナタ第8番「悲愴」など
ロッカバラードともいえるような曲もありますし、

「第九」「運命」のような
ガツンと頭を割るような音を使った、物語性の強い、
メタルバンドが作る組曲のような曲もあります。

テーマの繰り返しをちょちょいといじって
音で遊んでいる感じとか、
不協和音を意図して使うところとか、
ブレイクっぽい要素とか、
ギターソロの掛け合いのような要素とか。

「さあ、次はどうくる?」と
聴いている人をワクワクさせ、
「そうきたか!!!」と驚かせる。
しかもその驚きが心地よい。

どんどん聴く人の心拍数を上げさせる
パワーがあると思うのです。

エリック・サティのような数学的?な
奇妙奇天烈さとは
また一味違うワクワクです。

今回歌ってみて、それを
実感することができました。

腹圧発声という発声の仕方

今まで歌を歌っていて、
教えられていたのは腹式呼吸で、

息を吸う時には横隔膜をさげるために
お腹を膨らませ、

吐くとき(歌う時には)
グッとお腹に力を入れてお腹をへこませる。

これが私の知っている
「お腹から声を出す」の正体でした。

でも、今回学んだのは腹圧発声。

息を吸う時は同じですが、
そこからが違います。

膨らんだお腹を腹圧をかけたままキープ
というか、ずっと外へ外へ
圧力をかけたまま、それを支えに
声をマスキュラに響かせる。

これが腹圧発声だそうです。

私はこれを知り、実践していく中で、
「確かにこの方が声が出しやすいし、
響く良い声になる」と感じました。

他にもたくさん、発声の練習方法や
コツを教えていただけました。

娘がカラオケが好きな事もあり、
家族で時々歌を歌いに行くのですが、
そこでも、今までにない声量が出せたり
気持ちよく声を出せる感覚を覚えています。

「自分はジャンルが違うから関係ない」

とは思わず、一度クラシックの発声にも
取組んでみると、自分の可能性が
グンとアップするのではないかと思います。

声づくりは体づくり

声は、声帯を調節して、
その隙間に音を通過させて創り出します。

また、「腹から出す」と言いますが、
これは、腹圧発声のことだけにとどまらず、

体そのものから出ているとも言えます。

足腰は音の土台になりますから、
そこがしっかりしていないと
不安定な声になってしまいますし、

腹筋群や脊柱起立筋がなければ
腹圧をかけることや
横隔膜の調節もうまくできません。

歌うことはかなり体力を使いますから
強い心肺機能も必要になります。

良い声を出したければ、
良い体を作る必要があると思いました。

これからも筋トレなど
運動習慣を続けていこうと思います。

アンチエイジング効果がある

今回の団員の中にはかなりご高齢の方々も
いらっしゃいましたが、
とてもその年齢には見えない
しっかりと背筋が伸びた方々ばかりで

私も、こんな風に歳を重ねたいと
尊敬する方々ばかりです。

合唱で歌うことは立っている時間が長くなり
体中の筋肉をうまく使わないと
良い声が出ないため、上手な人ほど
運動部ばりに体力が必要になりますし、

普段から練習を欠かさないでいれば
自然と背筋を伸ばしている時間が増え
姿勢がよくなるということですね。

また表情筋も舌の筋肉も
いい発音をする、
声をこもらせないようにするためには
かなり上手に使う必要があり、

表情筋がたるまないし、
いびきの改善にもつながり、
アンチエイジングになる。

チャレンジャーは多趣味

第九ひろしまに参加してみようと考え
定員になるまでに決断し申込ができる人は

それだけでかなり行動力があると思います。

それまでの人生やそのルーツには多様性があり、
みなさん様々な背景をお持ちだと思いますが、

多く聞いたのが
「多趣味だなぁ」と思わせる発言。

「明日は、〇〇の発表会があるんですよ」
「私は、◇◇教室(ルンルンの声)」
「次は△△に挑戦しようと思うんだけど、
いっしょにやらない?」
「普段はボランティアを2つしてるから忙しいの」
など、

お仕事も含めて、みなさん
第九ひろしまだけでなく、
様々な活動を掛けもっていて、
しかもそれを楽しんでいらっしゃる様子。

そんなみなさんのパワーが集結した
合唱(音楽)がショボいわけありません。

私もみなさんに習って
これからも、どんどん自分のやりたいことに
素直になって、チャレンジを続けていこうと思います。

純粋な向上心は、人間性も育む

人は、何かを取り組む時に
「〇〇に負けないように」
「◇◇さんのような能力なりたい」と考えていると、
一時期は成長できるかもしれませんが、
〇〇さんや◇◇さんを超えることはできません。

これは、ドジャースに移籍した
大谷翔平選手もおっしゃっていますが、
「憧れ」は人を、
その人を成長させる妨げになります。

憧れている相手が目標値になってしまい、
うまくいってもその人以上にはならないからです。

また、比較対象次第では
モチベーションがダダ下がりしたり、
最初から無理と諦めて
行動すらしなくなってしまいます。

基準を他人に求めている状態です。

反対に、ただただ純粋に何かを大好きになって、
「もっと自分を成長させたい」
「好きな事について、もっと知りたい」
「もっと、うまくやるにはどうすればいいかな」
「そうか!なるほど!おもしろい!!」
「なんだか難しそう!これは取り組みがいがあるな!」
とワクワクしている人には際限がありません。

「自分」が基準になっているからです。

少し上の目標はあるでしょうが、
それを達成したと思ったら
自然と次の目標が見つかって
ワクワクしているので、やめ時がない。
だから続くんだと思います。

そういう状態を知れた方は、
例えば「歌」が大好きだったとしても、
それ以外に起こる様々なことを
自分が好きな「歌」に結び付けて、
「ああ、そういうことか」と
共通することについても気づこうとするので
学びに繋げてしまうこともできます。

また、「歌」を楽しく続けるために
生活を工夫しようとします。

朝早く起きて歌う時間を捻出したり、
良い声を出すために運動をしたり、
その歌を作った人について知識を集めるために
読書をしたり、
歌に惜しみなくお金を使えるように、
無駄遣いをやめるようになったり、
一緒に歌う人と心を合わせるために
コミュニケーションの工夫をしたり。

そうするうちに、すべてを前向きに
考えるクセがついてきて、
生活すべてが楽しくなっていきます。

そういう人は、誰かをディスったりする
意味もないので、誰のことも傷つけないし、
お互いの大好きを守ることを大切にして、
お互いの個性を尊重し、助け合おうとします。

そうしていたら、勝手に人間性もアップ。
最高のループですね。

みんな、自分がしたいことに素直になって
純粋に、ただただ楽しめたら、
争いもなくなっていくのかな?

そう思ったりします。

他にも、たくさん、この半年間で
気づくことができました。

何か、自分がやりたいと思うこと、
もしなければ、
昔、やってみたいと思ったけど
やれなかったことを思い出して
思い切ってやってみると、

今までに気づけなかったことに気づけ、
毎日が輝き始めるのではないかと思います。

これからも、
それぞれの人生を楽しみましょう!

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