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演奏家の横顔

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20世紀以降に活躍した演奏家の横顔を描写したコラム集。ソフロニツキー、カザルス、グールド、チェリビダッケ 、アーノンクール、レオンハルト、ブーレーズ、アバドを取り上げる。
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記事一覧

ショパンに肉薄したソフロニツキー

 ショパンとスクリャービン。ヴラディーミル・ソフロニツキー(1901-61)にとって両者のピア…

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パブロ・カザルスの肖像

 1971年10月24日、国際連合本部の総会議場に《鳥の歌》が響いた。この日、このカタルーニャ民…

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グレン・グールド ― 懐疑と信頼

 グレン・グールドは人間の耳を疑い、一方で人間の想像力には大いに信頼を寄せていた。

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チェリビダッケ 最後の録音

 その日、ミュンヘンの演奏会場ガスタイクの前は、「チケット求む」と書いた札を掲げた人々で…

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アーノンクールのホワイト・タイ

 2007年6月9日、中部ドイツ・ライプツィヒは晴天。折からの猛暑で、石畳の道には蜃気楼が見え…

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レオンハルト 「退屈」な音楽こそ真の業績

 グスタフ・レオンハルト(1928-2012)の音楽は退屈だ。古楽運動の成果が音楽界にも広がり、…

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ミュジシャン・コンプレ ― ピエール・ブーレーズのこと

 ミュジシャン・コンプレ --「完全なる音楽家」。この尊称を受けるのにふさわしい人物は、そう多くない。たとえば、18世紀にドイツで活躍したテレマン。歌を歌い楽器を操り、楽団を結成してそれを指導し、数多の曲を書き、それらを出版して(彫版までみずからおこなった!)販売しつつ、宮廷や都市の音楽を取り仕切った。当時の大陸ヨーロッパで、テレマンほどの名声を得た音楽家はいなかったという。「完全なる音楽家」はかように、音楽をめぐるあらゆる仕事にその一流の手腕を発揮する。

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演奏のうちに響くアバドの優しさ

 クラウディオ・アバドが亡くなった。私たちはこの悲しい知らせを受け取る前に、もうひとつ残…

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