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地獄の逃避行【英語を覚える】

048.地獄の逃避行

🎥  映画について

タイトルだけ聞くと『狂い咲きサンダーロード』みたいな映画を想像するかもしれないが、タイトルとは反対にすごく穏やかな映画である。
カップルの彼氏が人殺しまくる映画なのに。
殺伐な匂いを感じさせながらも、一つ一つの画も綺麗で、牧歌的なBGMが流れ続ける。

公開時期的にはアメリカン・ニューシネマの時期のものだけど、そこまでそれらに倣っているような展開でもなく、また『トゥルー・ロマンス』『ナチュラル・ボーン・キラーズ』の始祖とも言える作品なのだが両作品とは全く違う味わいがある映画作品である。

『トゥルー・ロマンス』の曲、『You’re So Cool』が地獄の逃避行のオマージュだとは知っていたけど、ここまでソックリとは。
『トゥルー・ロマンス』では、ストーリーとのギャップを醸し出してて映画の緊張感と神秘性を高めていたけど、『地獄の逃避行』は違くて割とピッタリ当てはまっていて本筋とは裏腹に牧歌的な雰囲気を醸し出していた。


まず、『地獄の逃避行』が他のクライムロードムービーと大きな違いは感情の高ぶりが見られない。

似た作品で言えば邦画の『17歳の風景 少年は何を見たのか』かな。
淡々と自転車で少年が旅をする映画。実は母を殺して逃走しているというストーリー。

キット(マーティン・シーン)は、怒る代わりに銃の引き金を引いてるか如く、あっさり人を殺していく。
ホリーとも喧嘩のシーンもない。ホリーのナレーションでたまに喧嘩もするけどと入るくらい。

キットは社会的には落ちこぼれで、精神的には幼いし賢くはない。社会との関わりも薄いゆえ感情表現も乏しく、結果あっさり殺す。
…というような、かつで日本で社会問題になった”キレる10代像”を体現したような青年。

相反してホリーは10代にしては、すごいクールだ。
殺すことに関して冷ややかな目で見つつも特に感情を出さず、刺激的な生活を堪能する。
だけど、シャワーは浴びれないし、倒したビンの向いてる先で旅路の進む先を決めたりするような行き当たりバッタリな旅に、あっさり気持ちが萎えてしまい、彼女はキットより早く投降を選ぶ。

ラストシーンは、ヘリで搬送されている中「裁判は有利かな」と呑気に同席する警官に尋ねるキッド。
それを、なんとも言えない表情でホリーは見つめ、そのまま夕焼けシーンが映され終わる。

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男と女が終わる時の瞬間。

苛烈に愛を生き抜く名作達とは違い、女は手を汚さず淡々と男と時間を過ごし、少しすれて大人になり、初恋は達成されないという現実のセオリーに乗っ取り、彼女は弁護士の息子と結婚して終わる。

女性って怖いぜ!


📖 今日覚えた単語・文法


今日は会話形式で。

🔸英文:
警官:Kit, I gotta question for you. You like people ?
キッド:They’re okay.
警官:Then why’d you do it ?
キッド:I don’t know. I always wanted to be a criminal, I guess. Just not this big of one. Takes all kinds, though.

🔹字幕:
警官:一つ 尋ねたい。人が憎いのか?
キッド:別に
警官:じゃ、なぜ?
キッド:さあな。ワル者になってみたかった。人はさまざまだ。

🔸単語・文法:
▪︎ Then→それじゃあ、それから

▪︎ Just not→そうではない

▪︎ big of one→大きいこと
※わからなかったがbig oneだと”ホラ”とか”デカイうんこ”とかという意味らしい。英字幕で観ると汚い会話をしているので、その可能性高いなぁと思ったり。

▪︎ Takes all kinds, though.→世の中には色々な人がいるからさ
※ It takes all kinds (to make a world).という諺があって”世の中には色んな人が[中には変わった人も]いる”という意味とのこと。文末のthough.は”〜だけどね”みたいなニュアンスで使う。

🔹直訳したらこんな感じ?
警官:キッド、あなたに質問したい。あなたは人々が好き?
キッド:みんな好きだよ。
警官:それじゃあ、なぜ、やったんだ?
キッド:知らない。おれは常に犯罪者になりたいって思っていた。思うにだけど。そんなに大きなことじゃない。世の中には色々な人がいるからさ。

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以上でございます。
お付き合いいただきありがとうございました!


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