見出し画像

0歳から保育園はかわいそう?(前編)

「0歳の4月で保育園に入園させるんです。」というと、たいていセットになってくるのが「そんなに早くから保育園に入れるなんてかわいそう。」という反応。

かくいう私は0歳5ヶ月の娘を保育園に預ける予定だったが某感染症の影響で登園自粛になり、明日から改めて0歳8ヶ月になった娘を保育園に通わせることになった。

この話をすると、友人などから「よかったね」という言葉をかけてもらうことが多かった。ひねくれた見方だが、裏を返せば0歳5ヶ月で預けるのは「よくなかった」と考えられていたともいえる。


ここでふと疑問になるのが、この「そんなに早く預けるのはかわいそう」という「早く」が、どこで線引きされるのかという点である。0歳5ヶ月はだめで0歳8ヶ月なら良いなら、0歳7ヶ月はどうなんだろうか。などとひねくれ者は考える。
「せめて1歳までは一緒にいてあげて」という人は、何を根拠にそういうのだろう?1歳という区切りの良さなのか、育児休業給付金が支給されるうちの期間なのか(笑)。

冗談はさておき、この漠然とした「1歳までは一緒に」という理論は、おそらく愛着形成の観点から語っていると察せられる。「大好きなママやパパと、せめて1歳になるまでは一緒にいさせてあげて。(じゃないと愛情不足になっちゃう!)」という(ありがた迷惑な)親切心だろう。

これについて考えるうちに、こんな記事を目にした。

0歳時点の愛着形成が赤ちゃんの脳を育む

日本産婦人科医会が公開する資料ではこんな風に解説されています。
「子どもの脳の発達は、大人である両親または養育者が愛情を持って子どもを大事に育てることと、それに対して子どもが反応することの相互作用でできあがっていく」
引用元 https://www.news-postseven.com/archives/20181226_834502.html


日本産婦人科医会によると、子どもの脳は満1歳時点でおよそ70%ができあがるそうだ。つまり、その時期に親が愛情もった相互作用(=話しかけや一緒に遊ぶなどインタラクティブな遊び、と私は捉えた)を通して脳の発達を促すということである。

一見、「1歳まで一緒に〜」を肯定する論調に見えるが、少し冷静に検証してみたい。

よくよく読むと、つまり、「1歳までに愛着形成がなされる」のではなく「脳の発達には、愛着形成された関係性とインタラクションが必要」ということらしい(=愛着形成ができている前提)。

私自身、どことなく「1歳より前に保育園に預けたら、親子の愛着形成ができないのではないだろうか…」と憂いていたが、よくよく考えれば生後6ヶ月頃から後追いをすることからわかるとおり、すでに愛着形成はできているのである。たしか私が読んだモンテッソーリ教育に関する本にも、生後8週間だか12週間だかで親子の愛着形成がなされるから、最初の頃は来客とか控えた方がイイヨ!みたいなことが書いてあった気がする。


なので、愛着形成の観点では問題なさそうだ。大丈夫、もう大好き同士だからそう簡単には崩れない(たぶん)。

一方で、ここに書いてある、愛着形成の上にインタラクションが乗ることによって叶う脳の発達についてはどうだろうか。


例えばべったり一緒にいるシーンを想像してみると、親子で向き合って会話している状態の他に、抱っこ紐で娘を抱えているときにちょうちょを目で追いかけたり、支援センターに行って他の子の遊ぶ様子を見たりして刺激を受けて、脳の発達に良い影響があるのだろう。が、その瞬間瞬間に、娘の中に私はいるのだろうか?おそらく、隣にいることすら忘れられているに違いない。笑

保育園に預けず自分で面倒を見ていたら、きっと「親とインタラクション」と「外界とインタラクション」が非常に短い時間で交互に起きて、1日の間に非常に多くの回数往復するのだろう。

同じように考えると、この「親とインタラクション」と「外界とインタラクション」の往復するスパンが長く、回数が少ないのが「保育園に預けている状態」なのではないかと思う。
何が言いたいかというと、自宅保育と保育園に預けることの差異は、このスパンと回数(周波数のようなもの)が異なるだけの問題ではないかと思うのだ。どちらかを選んだら何かが欠落する、といったような極端な問題ではないように感じる。


さらに言えば(私は0歳で保育園に預ける身なので自分を肯定するためにもそう思うのだが)娘と一緒に自宅で過ごす間、常に親子間のインタラクション状態を保てるかというと全くそうではない。離乳食を作っている時もあれば掃除をしているときもあるし、寝かしつけに疲れ果てて意気消沈しているときもある。そういう時間を足し上げたら、だいたい保育園に預けている時間と大差ないのではないだろうか(笑)。そして、仮にそうだとしたら、その同じ時間を、親や自宅で与えてあげられない刺激を吸収する時間として過ごしていたら最高じゃないか?

離れて過ごす時間が長い分、一緒に過ごす時間は全力で愛情表現をすることが必要だとは思うが、前述の「1歳までに脳の70%が形成される」ということが事実であれば、急発達段階の0歳のうちに保育園に預けてたくさんの世界に触れ、刺激を得ることは実は子どもの脳にとって良いことなのではないかとすら思う。あくまで素人が考えた、後ろめたい気持ちをポジティブに変えるための発想の転換だが、あながち的外れというわけでもない気がする。


保育園はあくまで「保育」の場だが、特に0歳にとっては「教育」の場としても機能しているのかもしれない。そんなこんなと思案しているうちに、娘を保育園に送り出すのが誇らしくなってきた。

「寂しくて泣いちゃうだろうな」「お昼寝できるかな」「保育士さんに人見知りするだろうな」などの心配事や、「べったり一緒にいられなくてさみしい…」という母親のエゴはもちろんあるが、それはきっと時間が解決してくれるというか、時間によってしか解決できないものだと思うので、この記事の後編は少し時間が経ってからこの心配事について実際にどうだったか書きたいと思う。(忘れそうw)


最後に。

自宅保育をするママたちへ。脳の発達云々の話はあくまで私自身が0歳で保育園に行かせることを肯定するための仮説であり言い聞かせているだけなので、自宅保育しているから刺激が少ないんじゃないか…と心配になったりしないでほしい。赤ちゃんは遊びの天才、って何かの本に書いてあったので、きっと私たちにとっては変わらない日々の中でたくさんの刺激を受けているはず。(素人の見解です)

そして、同じ0歳で保育園に預けるママたちへ。心の整理がしきれていない人も多いと思う(私がそうだ)けど、自信を持って送り出してあげよう!プロに遊んでもらえたりお友達ができるなんて最高だし、きっと私たちが仕事を頑張る姿をいつかカッコイイと思ってくれるはず。(素人の見解です)

さーて、明日の持ち物の最終チェックをしよう。

明日も良い1日になりますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?