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仕事してない時間は”ブランク”=空白なの?!

こんにちは!GCWの愛子です。

GCWのリレー記事企画。それぞれが「ブランクとは」をそれぞれの経験から語ります。前回の、よしこさんの初恋記事(?)は読んでいただけましたか?

今回は、上海、シンガポールと駐在生活で歴訪、出産妊娠を経て、合計8年”ブランク”がある愛子が担当します。

海外生活の中で、現地の人たちとの生活から感じた日本特有の「ブランク」観についてお伝えできればと思います。

ブランクは”さぼっている”ということか。

ブランクという言葉がいつから日本で使われてきたのかわかりませんが、もちろん英語ですので、欧米から入ってきた考え方です。

日本語だと数か月でも、会社などに属して給料をもらっていない時間があると、いわゆる「空白期間」として受け取られがち。普通に生活しているだけでは、「真っ白=なにもない虚無」なんでしょうか。
生きていく上で、全く何もしていないわけはないと思うのですが、日本だとプラプラ、ダラダラしている(ダメなやつ)のように思われるようです。

私が暮らしていたシンガポールや上海でも、一定期間「無職」状態になることは次の転職活動において影響がないわけではありません。
ただ、シンガポールや上海は雇用の流動性が高い(すぐ辞めちゃう)ので、やめてから次を考えるという人が多くいて、その期間が長いということは、就職できるスペックが高くないのでは、とみなされるリスクがあるためです。

無職の時間に「何もやってないから、だらけてさぼってる!!」から不利というよりは、「その時間あって就活していて決まらんって、能力は大丈夫かいな」とみなされるということです。

その人の適性を客観的に判断しているということであり、のっけからブランクがあるからさぼり癖あるみたいな偏見を着せられることはあまりないように思います。

方や、日本。「働かざるもの食うべからず」ではないですけれど、「就職活動」は頑張ってることとして認められません。多くの人が、一日でも働かない時間がないように、転職活動を通常業務の傍ら必死に行います。まるで薬が切れないよう必死になるような。

私も、夫の上海駐在が決まって同行すると決めた瞬間、キャリアブランクないように上海の就職活動を始めました。
22時まで日本で働いたら、その後、海外就職エージェントに履歴書を送る日々。必死そのもの。

結局、紆余曲折あって、最終的には専業主婦となることにしました。ただ、当初は、毎日、毎時、毎分「なんもしてない=ブランク=悪」という自己嫌悪を抱えてつらかった。

でも、子どもができて周りに同じように「育児休業=ブランク」に悩む人と出会い始めました。毎日のように疲れ切っているのに育児の時間は、エクセルやワードも作らず、メールも返していないので「仕事的」にはさぼっていると思われると。。

エクセル、ワード、パワーポイント、メール、営業電話、打ち合わせしてないと(仕事してるプロセス)ブランクになるのでしょうか。

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仕事の「成果」で評価される上海・シンガポール。仕事への「姿勢」で評価される日本。

現在、わたしは日本に本帰国しました。縁あって、友人の紹介などを通じてフリーランスとして営業企画の資料つくりやPR戦略策定の支援をしています。
文字通り毎日紙になんか書いては納品しています。17時までには仕事を終わらせて、有吉のテレビ番組をみてから夕食。21時には寝ます。

方や、夫。毎日、1時間おきに会議という名の根回しのためにオンラインMTGしています。資料は一枚も作りません。どういう説明をすれば納得してもらえるか、納期を伸ばせないかとか、交渉ごとをしています。日中は打合せ、夜はメール返しで、22時にはパソコンを閉じて23時ごろにお風呂、寝ます。

さて、ここで質問です。どっちが頑張っていると思いました?夫って思った人が多いのでは?!

時間です。圧倒的に時間です。終わった時間が遅いと日本的感覚だと「頑張っている」になるのです。

シンガポールや上海で遅くまで働く方は、ミスった仕事をカバーするか、プロジェクトが炎上しているか、残業代が欲しいかのどれかが多いと思います(個人的感覚)。
長く働くことが評価されることはあまりなく、むしろ長く働いても、成果が見えなければばっさり切られますし。確かに、中国は簡単に切れない(退職金が高いので)ようにはなっていますが。。

一方、働くほうもシンガポール・上海だと、コスパよいところ(労働時間少ない<所得高い)を探します。できるだけ、効率よく仕事できるかどうかが選択基準になっているように思います。

こうした日本の働くに「姿勢」に対して評価されるという状況下では、「ブランク」のようなパソコンいじってない時間が「さぼってるーー」認定になりますよね!ということです。

余談ですが、学校の皆勤賞とか、勤続何年の表彰とかもやめたほうがいい。
ブランク悪説が助長されるから・・・。

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ブランクをブランクでないと説明するよりも、ブランクぐらい認めるような社会になってほしい

この8年間、駐在妻を取り巻く環境は多く変わりました。
特に、キャリアについて、ブランク期間を、「勉強」とか「ボランティア活動」とかで、なんとか埋めよというアドバイスが多くなった気がします。

ただ、この「パソコンいじっとけ」「エクセルさわっておけ」レベルでのアドバイスはかえって、ブランクの悩みを深めると思っています。

少し大きな話になりますが、自己肯定感がさがるだけ。

だから、ブランクでもえーやん。何が悪いん。あんただって、ずーっと休憩なしで働いとるんか、たばこやらお茶やら飲むやろ。
私の場合は、そのお茶時間が気づいたらが8年くらいあるだけやん!

と、ちょっと極端かもしれませんが、ブランク時間を肯定して、エクセルいじってなくとも私は大丈夫なんとかできる人間だ、と思ってほしいのです。

人はそれぞれ働きかた、食べかた、寝相、歌い方、笑い方違います。働いていないのには理由があるだけ。

仕事は、ポストを埋めるだけなので本来はブランクどうこうよりも、「今のあなた」がそこにはまるかどうか、だと思います。

ブランクを必死に埋めることも大事ではありますが、まずはブランクがあってもなくても、その人らしい時間を過ごしているかどうかを尊重する!そんな社会になってほしい。

窮屈に隙間なく頑張る姿勢だけを評価され続ける社会、日本はもう疲れ切っている。

未来を生きる女性に向けてもいまから変えていかなくてはと思っています!


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