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日本と欧米の研究室を比べてみた!

皆さん、こんにちは!GCSの児玉です。
交換留学中に1年間スイスの研究室に所属し、現在は東北大学の研究室で研究を行っている経験をもとに今回の記事では、海外(欧米)と日本の研究室の違いに焦点を当ててご紹介していきたいと思います。

まず始めに、あくまで本記事は私個人の経験および人から聞いた話をもとに作成しております。
留学先の国や大学、学部などにより状況が異なる場合もありますので、あくまで一つの体験談として読んでいただければと思います。

それでは早速、私が日本・欧米両方の研究室を経験して感じた違いについて紹介していきます!

1. 研究室の組織構造について

日本の研究室では、それぞれの研究室の教授をトップとして准教授、助教授と複数のスタッフがいることが一般的です。一方で、欧米の研究室においては、日本のように准教授や助教授のポストはあまり存在しません
実際、私が所属していた研究室もメンバーは20人近くいたのに対してスタッフはPIである教授と秘書さんのみの研究室でした。

また、日本の研究室では学部生から研究室に所属して研究活動を行うのが一般的なのに対し、欧米の研究室では学部生は基本的に研究室には所属しません。また、修士の学生も修士論文を書く最終学年の半年だけ所属し研究活動を行うようでした。

したがって、欧米では研究室に所属する大半のメンバーはPh.D(博士課程学生)とポスドクです。
そのため、日本の学部生の段階で欧米の研究室に留学に行くと、物珍しがられてかわいがってもらえます(笑)

2. 研究室の設備について

研究設備に関しては、日本の研究室でも海外の研究室でも結局はその大学や研究室が研究費を採ってこれたかどうかにかかっています。
これは、留学前の私があまり意識していなかった点でした。

そのため、世界大学ランキングが上位の大学=研究設備が整っている大学という構図が必ずしも当てはまるわけではありません
実際、私は化学の分野で東北大学よりも世界大学ランキング上位に位置する大学に留学をしていましたが、私が現在、所属する研究室の方がより高性能でたくさんの分析機器を所有しています。

そのため、研究を目的として留学を考えている人は、大学ランキングなどのみで判断せず、留学しようと思っている研究室が優れた研究設備や豊富な研究費を持っているのかを一つの判断軸として持っているべきだと思います。

3. 研究室での生活リズムについて

これは研究室によって大きく異なると思いますが、他の人の話を聞いた感覚も含めると欧米の研究室の方がルールの面では"ゆるい"感じがしました。
例えば、平日の夕方から研究室内でビールを飲んでいたりもします(笑)

また、どの研究室でも基本的にはコアタイム制度はなく、遅く来たり早く帰ったりしても問題はないようでした。
加えて、年間で取れる休日日数のようなものが個人ごとに与えられており、それぞれが自分の休みたい時にその休日を消化するというスタイルでした。
そのため、夏休みに2~3週間のバカンスを取って南欧の方に遊びにいっていたメンバーもいました。

しかし、Ph.Dの学位を取るために”論文として成果を出す”ことは必須であるため、思うように成果が出ない場合は、朝早くから研究室に来たり、休日にも実験をしたりすることがあるようでした。

4. ダイバーシティについて

これも、留学先や滞在する研究室によってもまちまちだと思いますが、全体的に日本の研究室よりも留学先の研究室の方がダイバーシティに富んでいると感じました。

日本の理系研究室は、大半が日本人の男子学生という構成が多いと思います。しかし、留学先では女性の研究者がメンバーの半分ほどいましたし、国籍や年齢もみんなバラバラでした。

そのため、様々な価値観や文化に触れる機会が多く、留学における異文化理解の観点からは非常に学びが多い環境だと感じました。
逆に、ノイズが少ない環境で研究に集中したい人にとっては、価値観の違いや言語の壁がストレスになり、思うように研究に集中できなくなってしまう可能性もあると感じました。

研究室の違いから感じた研究留学がおすすめの人

以上をまとめると、研究を目的として留学に行くことがおすすめの人は次のような人だと考えています。

・日本で学部生(&修士)で研究の基礎を身につけ、大学院の学位を取るために留学に行きたい人。
・興味がある分野で最先端を走っており、研究費が潤沢にある研究室に留学を目指す人
・自由な環境ながらも、成果にコミットして自分の力を試してみたい人
・様々なバックグラウンドを持つメンバーと議論して、色々なものを吸収しながら研究を進めたい人

逆に、もうやりたい研究テーマが明確に見えていて、じっくりと腰を据えて研究に取り組みたい人は、日本の研究室の方があっているのかもしれません。

以上で日本と欧米の研究室の違いを大まかにご紹介してきました。
もし、本記事を読んで海外の研究室に興味を持った人や細かい違いをもっと知りたいという人がいれば、ぜひカウンセリングで直接お話しましょう!

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GCS 児玉

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