マガジンのカバー画像

不動産が街を作る

20
不動産の集積によって街が作られて、魅力的な街には人がたくさん集まって、まちは発展し続けます。少子化が進む時代になったので、街を消滅させないために、不動産と街との関係をもう一度初心…
運営しているクリエイター

#不動産

今、不動産の価格は高いのだろうか

1.一律で高い安いなどとは言えません 「今、不動産の価格は高いのだろうか」というという命題には答えなどありません。どんな時にでも、需要が集中している不動産は高くなるし、人気のない不動産は安くなります。ただ、金融緩和で市場に資金が溢れ、円安で外貨が流入しやすい環境であれば、競合の激しい不動産の価格は高くなります。 2.路線価だけではほとんど何もわからない 路線価が示しているのはその道路沿いの標準的な面積と形状の更地の価格です。高層の事務所が標準的な地域なら500㎡前後の整

何故銀座の不動産の価格は高いのか

1.需要マインドに影響を与える要素  「何故東京の不動産の価格は高いのか」という記事で、需要マインド(買いたいと思う気持ち)に影響を与えるのは「収益価格」と「転売利益」と「開発利益」だと述べました。そのどれも高い水準にある地域なので銀座の不動産の価格は高いのです。 2. 収益価格が高い地域  銀座の不動産の賃料単価は既に高水準ですが、それは客単価の高い物販店や飲食店が集積しているからです。その集積度がもっと高まれば、賃料単価もさらに上昇します。容積率の限度まで全ての階が

何故東京の不動産の価格は高いのか

1. 不動産の価値と価格は一致しない 不動産の価値はその収益性(インカムゲイン)によって形成されますが、不動産の価格は不動産市場における需要と供給の均衡点で決まります。 だから、不動産の価値と価格は必ずしも一致しません。 2.不動産の価格は需要で決まる 不動産はその供給が極めて限定的なので、不動産の価格はほぼ需要で決まります。金融緩和や円安で市場に資金が溢れると高くなり、金融引締めや円高で低くなります。ほかにもクレジットカードの使用や仮想通貨の流通が拡大すれば、不動産の

【消滅可能性都市にならない街は】

1. 消滅可能性都市とは何か 総務省統計局によると2008年が人口減少元年で、現在はもう人口減少社会が定着しています。住まいに関する人々の意識や生活感覚も少しずつ変化して、県庁所在地の駅前にもシャッター商店街が出現するまでになってしまいました。街の活気が失われると人口流出に拍車がかかり、高齢化率が上昇し、限界集落への道を辿り始めます。そんなことには絶対になりそうもない東京23区内の豊島区が「消滅可能性都市」に選ばれたことは衝撃でした。「消滅可能性都市」とは日本創生会議が

【都心の街は日々変貌し拡大します】

1.都市再開発 東京の都心部では一時も休むことが無く、どこかで再開発が進行中です。都市再開発事業が行われる地域内には、集客力の高い施設が出店し、道路や街並みが整備され、地域の魅力が高まります。多くの人がそこに訪れるようになると、その周りに店舗が集積し、やがて周辺の住宅地域にも店舗が出店します。住宅地域内の店舗の数が増えて裏通りにも店舗が連坦するようになると、気付いた時には地域全体が商業地域になっています。住宅よりも店舗の賃料は高いので、その地域の不動産価格は上昇します。 始ま