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『いつかたこぶねになる日』⑪

⑪  屏風絵を旅する男
一枚のお気に入りを見つけたら、その前から離れない人がいる。線の流れを感じているのだろうか。色に心を奪われているのだろうか。筆致を自分でなぞり辿っていくかのような。表情には幾分恍惚とした表情を浮かべ、血色が良くなっていく。
私自身は私の姿を見ることが出来ないから分からないけれど、絵の中に入り込める小津さんのようなふわふわとした忘我の意識、無意識は想像するしかなく、羨ましいというしかない。私は絵を見てもその中には入れず、その他の世界に漂ってしまう。━それでもいいということにしている。

仕事初め、忙しくなる。
今回はここまで。
心を落ち着かせるのには『いつかたこぶねになる日』は最適だった。     2024.1.7

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