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初めてのカトマンズ滞在記①旅立ちまで

山とスパイスと豆の国

2023年のゴールデンウィーク、念願だったネパールに約4年ぶりの海外旅行で訪れた。
永らく海外旅行にあまり強い関心がなく、特別強く行きたいと思う国もなかったが、ある時ふと自分の好きなものを考えたら、山とスパイスカレーと豆だった。そしてそれらを強い要素として持つ国がネパールだった。
ネパールは世界の屋根のヒマラヤ山脈と世界最高峰のエベレストがある。そして、ネパール料理と言えば豆のスープとご飯、カレーとスパイスで味付けしたおかずをワンプレートにしたダルバート。ネパールには私の好きなものが全て詰まっていた。
それに気付いた私は猛烈にネパールに行きたくなったが、時はコロナ渦。海外などとても行ける雰囲気ではなく、いつかいつかと思いを温め続けていた。
自粛ムードが緩和され、海外から日本に来る観光客も戻ってきて、そろそろ海外に行っても良さそうな世相になってきた2023年、今行くしかないと決心をして、ゴールデンウィークの会社の連休の日程が決まった3月の頭に旅行の日程を決め、ついに念願のネパール旅行が決まった。

前日まで

旅行の日程は会社の連休と飛行機のダイヤの兼ね合いで4泊5日に。ヒマラヤの山岳地帯をトレッキングしたい気持ちもあったが、久しぶりの海外、初めての東南アジアでいきなりトレッキングに行くのは不安があった。また、一緒に行ってくれることになった大学の後輩のYちゃんは、山登りが趣味というわけでもなかったため、メインはカトマンズ滞在にして、「本場のダルバートを食べること」「ヒマラヤの山並みを見ること」の2つを私の目的にした。
また、いつも旅行では、行く前に組んだスケジュールで予定を詰め込みすぎて、旅行中に疲れてしまうことが多かったため、今回はスケジュールを組まずに行ってみることにした。そのため、航空券とホテルだけすぐに予約し、それ以外は何も決めず、YちゃんとのLINEのやり取りは予約と支払いが完了した時点で一区切りになった。

Yちゃんとのやり取りは、その後、旅行の1週間前まで何もなかったが、私は図書館から地球の歩き方を借りてきたり、東南アジアの経験が豊富な友人に話を聞いたり、ちょっとずつ情報収集をしてワクワクを募らせていた。そんな中、友人の友人が3月の後半にネパール旅行に行ったという話を聞き、友人が聞いた話を聞かせてもらった。その話の中ではなんと、カトマンズの市街地からヒマラヤの山並みは見えないということだった。
カトマンズ拠点をやめ、ヒマラヤトレッキングの玄関口であるポカラかルクラに行くプランにも心が揺らいだが、地球の歩き方を読んでいると、カトマンズ盆地周辺でも日帰りか1泊2日で訪れることができそうなヒマラヤのビュースポットがいくつかあった。その中でも地理的にエベレストに一番近くて標高が高いナガルコットが良さそうだったが、天気が悪ければそこからでも見えないため、具体的なスケジュールは天気予報を見てから決めようと思い、結局何も決めずに、旅行当日を迎えた。

参考にした本

旅行当日

出発のフライトの前日、東京に出るために、夜行バスに乗った。最後に夜行バスに乗ったのも、果たしていつだったか記憶にない。もしかしたら大学生の時以来かもしれない。眠ることができるか不安だったが、その前日から始めた荷造りで、すでに楽しみが溢れて寝つきが悪かったおかげで、夜行バスはよく眠ることができた。
次の日の朝、秋葉原駅前でバスを降り、電車で成田空港へ向かう。空港に近付くほど、当たり前だがスーツケースを持った人が電車の車内に増えてきて、ネパールが現実味を帯びてくる。ついに私もゴールデンウィークに海外に飛び立つ身分になったのだなと、訳もなく特別な気分に浸った。
6:30に空港に着き、Yちゃんの到着まで1時間ほど時間があったため、吉野家で朝ご飯を食べることにした。メニューは迷わず納豆付きの朝定食。機内食もあるし、現地に着いたらもりもりダルバートを食べるつもりだったため、控えめな定食にしたが、ほぼ毎日食べている納豆はしばらく食べられないので、よくよく味わって食べた。
30分ほどで食べ終わり、出発ロビーの階に向かうと、世界各国に向かう便のスケジュールが書かれた大きな電光掲示板に、気分が高揚してくる。カトマンズ行きのフライトのチェックインカウンターの前でチェックイン手続きをする人々を眺めながらYちゃんを待っていたが、手続きをしている人の中に日本人は数えるほどしかおらず、ほとんどはネパール人と思われる東南アジアの顔をした人々。すでにネパールに来たかのような気持ちになってくる。
そんな中、搭乗予定だった10:30出発のネパール行きのフライトが30分遅れるというアナウンスが流れた。まだ出発まで3時間以上あるのに、なぜすでに遅れているのか疑問に思ったが、さっそくネパール時間が始まっていると思うとおもしろくなってきた。ちなみに電光掲示板に載っている25便の中で、この時に遅れていたのはカトマンズに行くこの1便だけだった。

この電光掲示板を見ると空港に来たという気持ちになる

Yちゃんと合流し、何持ってきたとか忘れ物ないかなとか話をしながらチェックインを済ませる。Yちゃんが持ってきていることを密かに期待していた胃腸系の薬は、お互い持ってきていなかったため、薬局で買おうか迷ったが、インドネシアに3か月滞在しても胃腸を壊さなかったYちゃんと自分のお腹を信じることにした。出国審査などの手続きを済ませ搭乗ゲートへ向かう。そしていよいよ、念願のネパールへ飛び立った!

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