見出し画像

新潟大学慕情~飲食店今昔~

 私の母校、新潟大学。
 ここで過ごした4年間は私にとって大切な時間です。

 先日、久しぶりに大学や私の住んでいたアパートの周辺を散歩してきました。当時通っていたお店の多くが姿を消しています。私の住んでいたアパートも障子が破れたままであり、住人の気配は感じられません。時の流れは無常です。

 その一方で、昔から変わらない姿で営業を続けているお店もあります。今もおなかの空いた学生の胃袋を満たし続ける飲食店。ご飯を食べるだけでなく、友人達とのコミュニケーションの場としても重要な存在です。
 そんな新潟大学周辺の飲食店について、私の思い出と共に紐解いてみるとしましょうか…

 ※私が通っていたのは2000年代半ばです。その時の思い出で書いているので、現在のお店の価格やメニューとは異なります。


1.今も残るお店(2024/2/10時点)

①うめこまち

 五十嵐2の町の定食屋さん。学生時代一番よく行ったお店だと思います。チキンカツ、から揚げ、コロッケがミックスされた定食が550円で食べられました(当時)。ご飯が大盛りで育ち盛りの学生にはうれしい!夜も21時頃まで営業していたので、サークルの帰りに友人と寄ったりしていました。
 今も残っていて感動です!今回は散歩で通りがかっただけなので、次回は入ってみよう…!

②担々麺屋

 大学西門前の居酒屋長屋みたいな建物の1階(半地下)にあるラーメン屋さん。関屋にもあります。ここはなんといってもライス無料サービス!550円の担々麺を食べたら、スープをおかずにご飯を食べるのが定番。味の濃いスープでご飯何杯でもいけると錯覚するのですが、3杯が限界でした。
 食いだめしたい時はここか、イオン新潟西近くにあったステーキワン(680円のハンバーグセットでご飯・サラダバー食べ放題)が鉄板でした。

③食堂大吉

 当時大学周辺に3店舗あった食堂。大学前店のほか、日本文理の近くの国道店と内野に1店舗ずつあったはず…(今回は大学前の店舗を確認したのみで、他の店舗は未確認)
 盛りが良くて味付けが濃くて、運動した後によく行っていました。お薦めは麻婆茄子丼630円(当時)。まだあるのかな…
 ちなみに私がよく行っていたのは国道店。当時、道路を挟んで向かいにゲームセンターがあって、ご飯の後はよくゲームをしていました。

④老広東

 大学から新潟大学前駅方面に向かうと見える、いかにも昭和な雰囲気の中華料理屋さん。私が住んでいた五十嵐2の町とは反対方向ですが、友人がこの店の隣のアパートに住んでいたので、よく行きました。ロースー飯がおススメです。
 どうでもいいけど、新潟大学前駅って、全然大学前じゃないよね。詐欺だー!

⑤キャフェ・ウエスト

 洋館みたいな素敵な雰囲気の喫茶店。クラシック音楽が流れていて、音楽系の部活やサークル御用達のお店だそうです。リーズナブルな価格でカレーや珈琲が楽しめて雰囲気もいいお店です。
 …実はこのお店に入ったのは最近で、大学時代は一回も行ったことが無かったり。学生時代は安くてお腹いっぱい食べれる場所が第一だったので、喫茶店やカフェのようなチャラチャラしたお店は一切入らないようという謎の信念を持っていたのでした。認めたくないものだな。若さゆえの過ちというものは…。

⑥その他

 ゆうふく弁当、八珍柿、万人屋、ストロベリーフィールズは、昔のまま営業を続けているようです。ゆうふく弁当はいかにもな昔ながらのお弁当屋さん。八珍柿は西門前の居酒屋でゼミの飲み会で何度か使わせていただきました。万人屋は紫竹にもある有名ラーメン店。チャーシューがたくさん乗っています。ストロベリーフィールズはカフェ?洋食屋さん的なお店。店名はきっとビートルズからですね。

2.なくなってしまったお店

①とんかつかねこ1号&2号店

 当時の新大生なら必ず行ったことがあるお店でしょう。新潟名物のタレカツとご飯が層になった2段カツ丼・3段カツ丼が有名なお店。値段もかなり安かった気がする。私の記憶が確かならば3段カツ丼730円。正門近くの1号店が特に人気でしたが、私はアパートに近い2号店をメインに通っていました。2号店はかつ丼だけじゃなく、450円のラーメン(3玉まで無料)、600円のジャンボカレーがあって、大喰らいの学生も大満足のお店でした。あと、店内に花の慶次が全巻置いてあるのが素晴らしい。
 2018年に閉店後、古町でお弁当屋さんを開いたそうですが、現在はそちらも閉店しているとのこと…もう一度あの味が食べたい

②せんたく船

 老広東の隣にあった洋食屋さん。個人的には大学周辺のお店の中で一番の味だったと思う。大学からちょっと離れているのですが、私の入っていたゼミの御用達だったうえ、私の友人の一人がここでバイトして、もう一人の友人が店の隣のアパートに住んでいたので、ここは本当によく行きました。学生にはちょっと高かったけど。
 ビーフシチューとかオムライスとかミックスフライとか鮭のムニエルとか、本格的洋食が800円くらいから食べられて幸せでした。ここに来ると私は8割くらいの確立でオムライスを頼んでいたので、友人から『オムライス野郎』の異名をとっていたことを思い出します。これまで紹介した他のお店は一人で行くことが多かったのですが、ここは必ず大勢の友人と行ったので、思い出もひとしおです。23時の閉店まで食べて飲んで笑った記憶しかありません。
 とても素敵なお店だったのですが、私が卒業してほどなくマスターが体調を崩し、閉店したと聴きました。本当にお世話になりました。

③はりま屋

 大学から海に下る坂の途中に会った定食屋さん。かなりボリュームが多くスポーツ系のサークルに人気がありました。ここも友人がバイトしていたのでそこそこ行きました。大三元定食とか小三元定食とか変わったメニューがありました(大三元・小三元は麻雀の役の名前です)。小三元しか食べたことないけど、ギョーザ・から揚げ・ハンバーグみたいな感じのメニューだった気がします。
 余談ですが、やはり大学生=麻雀のイメージは強いのでしょうね。私も中学生くらいから麻雀マンガ「アカギ」の真似をして、友人たちとよく麻雀を打っていました。大学時代も週末の夜中は麻雀大会。私の得意技は役も付かないのに暗刻(できれば暗カン)を作ってリーチ、場に2枚切れている字牌を頭で待つというアカギスペシャルでした。これで裏ドラ乗ると脳汁ドバドバ出ます。…こんな打ち方してるから負けるんですけど。

④月光陽光

 大学近くにあった大きな居酒屋。倉庫みたいな建物だったと思う。いかにも大学生向けで2,000円くらいで飲み放題&料理がついてくるリーズナブルなお店。ただしカクテルはほとんど水。仲間内での飲み会はここが定番でした。
 2階はダーツ&プールバーで、1階で飲んだ後は2階で遊ぶのがお決まりのコース。当時はダーツが流行り始め、私もマイダーツを購入してかなり熱心に練習していました。ダーツは年齢性別問わず誰でも出来るのがいいですね。私はゲーセンもよく行っていましたが、ゲーセンのゲームは人を選ぶので、間口の広いダーツが眩しく見えた気がします。

⑤マカロニグラマー

 担々麺屋の2階にあったバー?お洒落な居酒屋。当時仲の良かった異性の友達から誘われて何度か行きました。窓がたくさんあって外から見えやすいこともあり、「一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし…」なんて余計な心配をした記憶があります。甘酸っぺえな。

⑥スーパーいちまん

 大学西門付近にあったスーパー。実は大学近辺には食料品を買えるところが少なく、後述の個人経営のしみフか、いちまんのみでした。ここで買った切ってないマグロの刺身(250円位)を、どんぶりに乗せれば、あら簡単、まるごと鉄火丼の完成です。マグロを歯で引きちぎって食べるので友人には大変不評でしたが、私は週3で食べてました。

⑦清水フード(たくさんあった。フランチャイズ?)

 当時、大学付近には小規模の清水フードが点在していました。総菜が売っているコンビニみたいな感じでしょうか。海の近くのせいか、タコのから揚げがよく並んでいた気がする…
 私のアパートの近くにあった店舗では、朝イチに行くと、賞味期限間近の菓子パンが半額で投げ売りされているので、菓子パンを全部買い、パンがパンパンに詰まったビニール袋を握りしめて毎日登校していました。
 友人からは「何かの罰ゲーム?」「誰かにパシリにされてんの?」と怪訝な顔をされましたが、もちろん生活のためです。当時は熱心に格闘技に打ち込んでおり、食べても食べてもなかなか体重が増えなかったので、とにかくたくさん食べました。私の中ではカロリー=エネルギー=パワーという歪んだ解釈をしていたので、今では考えられない量の菓子パンを食べていました。(まるごとソーセージ、まるごとメンチカツ、スイートブール、スイスロールetcetc)
 今はちょっと食べると胃がもたれて、お腹周りが気になってしまうので、当時の健康すぎる体がうらやましくなります…

⑧その他

 ちょっといい価格だけど、料理がおいしい居酒屋の「はなの屋」、10回食べるとラーメンが半額になる(『正』の字をノートに書く)工学部入口近くのラーメン屋、線路に降りる途中にあった豚の角煮がおいしい居酒屋「道」、チェーン店だけどよく行った西門前の定番居酒屋「村さ来」、民家みたいな定食屋兼バー?メニュー表のジントニックが『ジンとニック』って書いてあって、誰だよ?って思ったのが今も忘れられない「デイリー」など、今はなき思い出のお店は数知れず…

最後に

 かつて自分の住んでいた町を訪れてみると、昔の自分が今もそこにいるように感じるけど、なくなってしまったお店や風景が時の流れを否応にでも感じさせます。
 逆に言うと、変わりゆく姿を見ることにより、初めて現在と過去という時間を比較することができるのではないでしょうか。時代や経済の流れ、自分の成長(退化?)、かつての経験の大切さなどなど。

 今回、大学周辺を散歩したのは、たった2時間程度の小さな旅でしたが、定点カメラで自分の人生を振り返ったような気分です。どんなに賑やかな街や、風光明媚な観光地を旅行するよりも楽しい旅でした。
 思い出は、街を魅力的にする最高のスパイスです。そんな思い出をこれからどれだけ作れることができるでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?