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以前勤めていたブラック企業の話

序章

2015年4月

「オーライオーライ!はいおっけいです!」

道路を挟んで向かいにあるコンビニまで聞こえそうな大きな声、身長が伸びるんじゃないかとゆうぐらい大袈裟なジェスチャーをして車の誘導をする。
そして車にすかさずダッシュ🏃‍♀️

運転席の窓が開くと、またもや大きな声で
「いらっしゃませこんにちは!レギュラー満タンでよろしいですか??」

お客様からお願いされると店内のスタッフに聞こえるように威勢の良い声で
「レギュラー満タン入ります!!」給油作業に取り掛かる

僕が勤務していたのは地方にある親族経営の小さな会社でした。
ガソリンスタンドと整備工場が併設しており、整備工場で給油ができるが
会社のコンセプト。
小さな会社でしたので経営陣と現場の距離は近く、給油イベントを行う際は社長が先陣を切って受付に立ち、お客様の案内をする地域密着型の営業を行なっておりました。
会社自体はその地域で創業50年と比較的長く、地元のお客様からはガソリンを入れるならあそこのスタンドだよねと、地域に根付いてるなと感じておりました。

とここまで聞くとなんか良さそうな会社じゃん?と声が聞こえてきそうですが、その実態はかーなーりひどいものでした。新卒で入社した私は、車に興味はほとんどなく、高校生の頃にアルバイトしていたコンビニで接客業の楽しさを知ったことがキッカケとなり、ガソスタへの就職を決めたのでした。今でも覚えているのが初めていただいた初任給。そこに会長からの直筆メッセージが書いてありました。その内容は

「入社おめでとう、体育会系の部活に入ったつもりで頑張って」

最初はまぁ頑張ってくらいの意味合いなのかなと思ってましたが、入社して月日が増えていくことに、沸々と疑問が湧き上がってきました。
最初に疑問に思ったのが、求人票や面接でシフト制とゆうのは知ってましたが、まずは新入社員なので慣れるまでは8:00~17:00が固定されておりました。でも毎回思うのが、僕が上がる時間になっても、僕より前に出勤していた人たちが、一向に退勤する気配がないこと、、、

ガソリンスタンドの経験がある方ならご存知かもしれませんが、
17:00以降は退勤ラッシュもありお店は混みやすい状況となります。
なので残業も多いのかなと思ってましたが、一向に退勤する気配がないのです。。一体この人たちは何時間労働をしているんだろう、、、
そんなことを思いながら、「お疲れさん、上がっていいぞ」と
上司から声をかけられスタッフルームに向かい、退勤を打刻するタイミングで一緒に置いてある他のスタッフのタイムカードを見た時に驚愕しました。

え、、〇〇さんって朝6時半に出勤してるの?

その時、時計の針は17時18分を指していました。
11時間近く労働している、、、そんな状況で帰ることに申し訳なさを覚えつつ先輩方へ挨拶を告げ帰路につく。そんな日々が続いた時に、ふと気づいたのです。

自分もいつか先輩のように11時間近く労働をするのだろうか、、
そんな不安を心の片隅に抱きながら私の社会人生活が始まりました

これは2015年度に高校を卒業し、地元企業のガソリンスタンドに就職し
熱烈なパワハラと長時間労働に苛まれながらも、偶然とご縁を掴み取り
ホワイト企業に転職するまでの実話を描いた物語です。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

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