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ストロベリーフィールズの夢

まるで、あらゆる生命を生き終えた人間のように、深ぶかとソファに沈み、目を閉じた。

一秒が一秒であることを確かめて過ごす
と彼が目を瞑って呟いて意味がわかりませんでした。
当たり前に一秒は一秒だと思っていました。
ほんの一瞬であるが、私の目にはっきり彼が輝いて見えたんです。
きっとそれは彼の持っているものではなく、持っていないものによる眩しさなのです。
感情は物理や科学よりも軽んじられるでしょうか。
なぜ救世主という言葉に過度な意味づけをするのでしょうか。
何故自分のことを酷く他人のように感じてしまうのでしょうか。
孤独だと呟くことに罪悪感を抱けないのはいつまででしょうか。
貴方が欲している欠乏は私へ向けられるべき欲求なのでしょうか。
週休二日制は何に対して合理的なのでしょうか。
時計の針の音が恐ろしく鈍く感じたのは何故でしょうか。

日が落ち薄暗くなった部屋の中で、やがて、眠ったようなその静かな表情が動いた。
それは欠伸でありました。

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