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MBA受験(TOEFL編) - 純ジャパがTOEFLで110点超えるまで -

皆様こんにちは、釈迦です。

1年以上前に「受験が終わったらスコアメイクについてまとめた記事を書こうかな」と思い付きでツイートしてから随分と経ってしまいました。すでにMBA留学が始まって2か月が経ちます。
記事を書き残しておきたいという思いは頭の片隅にはありつつも、MBA1学期の授業やイベントに忙殺され、なかばあきらめていましたが、ちょうど最近コロナに感染して自宅軟禁状態になったのでこれを機に記事を書こうと思います。

自身が受験生だった時には様々な過去のMBA受験生の方が書いたTOEFL対策記事に随分と助けられてきたこともありますので、来年以降の受験生のためになればと思い、なるべく詳しく自身の経験や振り返り、TIPSなどを書いていこうと思います。

1. バックグラウンド 

留学経験なし、駐在経験なしのいわゆる純ジャパ・純ドメ人材です。
総合商社で海外投資の担当をしていたため、業務では定期的に英語を使う環境にあり、英語のミーティングや海外出張もあったためそこでなんとか初歩的なスピーキングやリスニング力は身についていたものの、基本的にはカタコトの英語で乗り切っている状況。
最初にTOEFLを受けようと思った際は、スピーキングの勉強中何も言葉が出てこず、何度も延期しようかと悩んだ程度には英語に苦手意識がありました。

2. スコア推移

スコア推移

2019年のお試し初受験は除くと、2020年の1月から2021年の9月まで1年8か月間勉強して、合計13回受験し、最終的に111点を獲得しました。

3.  全体戦略

私の場合は、大学受験時の勉強と社会人時代の業務経験で文法や語彙など最低限の英語の基礎は身についているのではないか、という自負があったので各セクションともTOEFL用の参考書を揃え、それをまず1冊解ききるという自習形式で勉強を開始しました。ただ結局のちにこれが自己認識の誤りであることがわかり、文法・語彙固めをやり直すことで最終的に目標スコアに到達しました。後ほど詳細にご説明しますが、結局語彙と文法を徹底的に固めることが純ジャパによる110点到達の最短戦略になると思います。

4. セクション別対策

①  Reading
・語彙力強化
リーディング関連は色々と試しましたが、結論語彙力強化が一番効果があります。旺文社「TOEFLテスト英単語3800」を使って徹底的に語彙を強化しましょう。

安定して29点以上をとるためにRank3までは全暗記、Rank4も半分くらいの記憶定着率をベンチマークにするといいでしょう。私の場合はスマートフォンアプリ版を使用して空き時間が5分でもあったら単語学習にあてていました。1,2周では忘れるのは当然と割り切ってとにかくなるべく短期間で何周もできるように反復学習を心がけましょう。
私自身の反省をすると受験初期にRank3までを中途半端に暗記して29点取れたのでそれで十分かと思ってしまいましたが、結局その後30点に到達できず毎回点数が安定せず伸び悩みました。
合計点が100点を超えて110点を目指すようになってからリーディングでは安定して29点以上が必要であると明確に意識し始め、この段階で上記のRank4までカバーするベンチマークを設定し、再度暗記にしっかり時間を割くようなり、かなり時間にも余裕が出てきて点数も安定し始めました。この経験から語彙を愚直にやることが遠回りに見えて実は近道であることを実感しています。余裕があれば高校受験レベルですが「ターゲット熟語1000」に記載の熟語もしっかり使えるようになればリーディングでもライティングでも有効だと思います。とにもかくにもTOEFLでは語彙力が一番大切ですし、終わりがない取り組みなので愚直に取り組みましょう。

・多読
TOEFL対策初期にはトフルゼミナールさんの下記テキストの問題を2周しました。その後はオフィシャルガイドやKMF(TOEFL過去問が大量に掲載されている中国のサイト)を使って過去問を通して多読を繰り返しました。

②Listening
個人的にも一番苦労したセクションでした。多聴とシャドーイング、リピーティングの3点を愚直にやり続けるしか道はないと思います。

初期はトフルゼミナール「TOEFLテスト集中攻略リスニング」「TOEFL公式問題集」等を使って試験の感覚をつかみました。トフルゼミナールのリスニングは少し易しく作られているので、試験対策を始めた初期にはちょうどいいレベルですが、満点を目指すならほかの難易度が高い教材(公式問題集など)に移行していく必要がありますので注意してください。

毎回問題を解いた後、シャドーイングとリピーティングで英語のリズム・アクセントやリエゾン各種を体で覚えました。また多聴の観点で、Wall Street Journalが1日1記事公開しているPodcasts「The Journal」(https://www.wsj.com/podcasts/the-journal) を毎日朝に聞くことを習慣化しました。スピーカーも丁寧な英語でゆっくりと話すためリスニングが苦手な私にはぴったりの教材でした。アメリカのニュースが中心になっている為、リアルタイムでアメリカ人が関心あるトピックを把握できるというのもメリットです。
また、私は特に25点→30点のところが一番伸び悩みました。この段階では音声が流れている間英語の音は聞こえているはずなのに、問題を解く段階になると内容を忘れているが内容を覚えていない、逆にメモを取ろうとすると内容が聞き取れない、という症状に悩まされ、短期記憶力の改善が必要だと感じたため、一文ごとに止めて同じ内容を自身で発音するというリピーティングのトレーニングを実施しました。
(とても時間がかかる作業で忍耐力が必要で自分の英語力の無さが露になるので正直つらいです。)
そうしたところ次第にスコアが安定してきて、最後はKMFでひたすら過去問を解き続けて問題傾向に慣れることで満点までこぎつけました。

③Speaking
最初はトフルゼミナールの書籍「TOEFLテスト集中攻略スピーキング」を使って独学しました。

ただ予想通り早々に点数が伸び悩み、非帰国子女のTOEFL受験生に評判のよいE4TGという塾に1か月だけ通塾。E4TGのスタイルは、設問で出てくるポイントを全てメモに書き留めて、そのポイントをテンプレートに沿って漏らさず話しきるというもので、慣れればある程度安定して22-24点レベルを取ることができるようになるものの、型を覚えた後は伸びが鈍化、授業も4-5人のグループで行われるため他人の回答を聞く時間が長く非効率的と感じたため、1クールだけ受講して辞めました。
私個人の戦略としては、第1問については自分が得意とする解答(スポーツの話、旅行の話、英語学習の話など)を5パターン程度丸暗記しておき、どんな質問が来ても冒頭10秒でつなぎのロジックを話してこの5パターンに帰結させる、という方法をとりました。
第2問から第4問はテンプレートを暗記しつつ、リスニング内容はできるだけ多くメモを取り、メモをテンプレートにあてはめながら半分読み上げるような方法をとりました。
最終的にはこの方法で23-24点が取れるようになったため純ジャパとしては悪くない戦略だと思います。

ちなみにネット上の情報をもとにこちらのテキストも一時期試してみましたが、個人的には効果が薄かったかなという印象です。受験初期であればもう少し効果を発揮していたのかもしれません。

ちなみにE4TGの同クールを受講していた友人がスピーキングで29点を取っており、スピーキングの戦略を聞きましたが、E4TGのスタイルとは真逆で即興で色々と話し続けるスタイルで、何なら設問のポイントをいくつか落としていても点数が出たと言っていました。

ここから先は私の仮説ですが、25点以上の回答と24点の回答では内容には大差なく、発音・アクセント・言い回しの「ネイティブっぽさ」が重要になってくるのではないでしょうか。25点以上を目指すのであればまず発音を地道に矯正し、回答に含めるべき項目はしっかり押さえつつも、テンプレートには一切頼らず、ネイティブスピーカーが使う言い回しを豊富に覚え、即興風で答えた方がむしろ点数が上がるのではないかと思っています。

また、受験を終えてからかの有名なATSUさんのDistinctionに取り組み始めたのですが、これはTOEFLスピーキングでもかなり効果を発揮しただろうな、というこなれたフレーズがたくさん出てくるのでこれから学習を始める方にはお勧めだと思います。


④Writing
受験初期はトフルゼミナールの書籍「TOEFLテスト集中攻略ライティング」を使って独学しました。

高得点を取るためにはまずはとにかく語数を多く書くことが重要です。どの参考書でもいいので、定型文を多く覚えておき、限られた時間の中で力の限りたくさん書くことが高得点につながります。Integrated Writingは300語以上、Independent Writingは500語以上を目安にしてください。

Integrated Writingはネットを検索して出てくるテンプレートを何でもいいので一つ覚えてリスニングの内容を正確に記載することを心がけましょう。
Independent Writingもある程度テンプレートに頼ることが重要です。私は上記トフルゼミナールの解答でよく使われていた型を組み合わせてテンプレート化しました。
これで文字数がベンチマークに到達していれば25点まではいくと思います。

その後25点→28点が個人的には大きな山でしたが、一旦TOEFLからGMATに移行し、正確な文法を学びなおしたことで、TOEFLライティングにもブレイクスルーがありました。具体的には同じ意味でも毎回異なる単語・熟語の言いかえを使う、少し小難しい熟語や文法(同格・分詞構文・仮定法・関係詞の省略・強調・倒置等)を使う、等のテクニックですね。これで結局28点まで点数が上がりました。

外部業者としては、一時期答案の採点や修正のために、過去受験生から評判の良かったJackとJohnというアメリカ人親子が運営しているEssay2Dayというオンラインの添削サービスを利用しましたが、コメントに一貫性が無く効果がどこまであったかは正直不明です。。。

以上具体的な対策でした。
上記ご覧いただいてわかるように、あまり多くの参考書に手を出すことなく、一つの参考書を繰り返し解くということも当たり前に見えて重要な点だったかと思います。TOEFL参考書は世の中に多く出ており中身はさほど変わらないと思いますので一つの内容を反復することで知見を自身の血肉にしていくというのが大事ですね。

最後になりますがTOEFL110点超は一朝一夕でとれる点数ではないと思います。長期戦だと腹をくくり、一見退屈な単語・文法・リピーティングと愚直に向き合ってみてください。
(ご質問などございましたら遠慮なくTwitterのDMまでご連絡ください。)



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