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プリミティブな考古旅ってことで

これまでに年1回開催してぜえはぁ言っていた古代フェス、なんと2022年は3回開催しました。凄すぎる。

これまでは単独企画運営開催、当日は司会もするし受付もしちゃうという八面六臂を目指すスタイルでした。

今年に入ってから市町村さんとタッグを組んでの開催。企画運営の部分に市町村の文化財担当者さんが入ってくださるという幸せすぎる状態、運営には教育委員会や観光課、さまざまな力を集結!その結果、地域の文化財に深く根差した上に広い年齢層、クラスタに楽しんでもらえる「町のおまつり」としての古代フェス開催ができるようになったのです。

とはいえ、古代マーケットの取りまとめや古代トーク司会、掲出POPの作成など、結局飛んだり跳ねたり大忙し。だって出来ることが増えるのだもの。やっちゃうよね。

2022年古代フェス開催振り返り

 7月  2日 ムナカタ古代フェス
11月13日 ひろかわ古墳まつり
11月26日 装飾古墳フェスin宮若トレッジ

イベントを開催する時って、目標の来場者数を出すのですが、全て大きく上回りました。もう一回言っておこう。大きく、上回りました!

来場者数が多いということだけでなく、市町村外の人が何割来て欲しいとか、イベント来場後に近くの古墳などの文化財を見て欲しいとか、それぞれ違う目標があります。それも、達成しています。←太字で書いちゃう。

古代マーケットに参加してくださった作家さんたちからも概ね良い反応をいただいているので、この状況をしっかりキープ、そして高めていきたいと思います。

オー!!!!

というわけで、考古旅へ出た。

ひとり古代フェス慰安旅行として、単身ふらりと大阪・奈良へ。星野リゾートのOMO7大阪に安く泊まれる方法があったというのもあります。それは別の記事を書こう。本当に良い宿でした。

大阪歴史博物館 大阪城、NHK大阪近く

大阪歴史博物館で埴輪にツッコミを入れる

なにやら埴輪もあるらしい…ということで、大阪歴史博物館の特別展示「刀剣~古代の武といのり~」へ。会期終了は12/4(日)です。急いで!

埼玉県の生出塚埴輪窯跡出土の武人埴輪さん

入り口でどーんと迎えてくれる武人埴輪さん。頭椎大刀(かぶつちのたち)を持っていますね。立派です。全体像などは、今後Twitterのはにわ時報でお知らせしていきますね!

三重県志摩市のおじょか古墳出土 埴製枕

埴輪で作った枕。確かに頭フィットしそうだけれど、痛そうー!理容室の洗髪台だと思うと素敵です。スペシャルな文様、直弧文(ちょっこもん)もあしらわれております。

はぁ楽しい。じっくり見て野帳も描く時間を取れるのがこの上もなく幸せです。さぁさぁ、日付変わって次は奈良ですよ!

唐古・鍵遺跡の埴輪って?

大阪と奈良って近い。宿泊地の新今宮から目的地の唐古・鍵遺跡まで1時間ちょいで着きます。かつて私がせっせと通っていた奈良の大学は地元富田林から片道2時間半だったので、近すぎてびっくりしちゃう。

唐古・鍵考古学ミュージアム

大きいーーー!公民館と一緒になった複合施設だとわかっているけれど、想像を超える大きさでした。格好いい建物ですね。

唐古・鍵4号墳出土 蓋(きぬがさ)形埴輪

ミュージアムに入る手前のエントランスに埴輪おるー!ウェルカムしてくれてありがとう。立派な蓋形埴輪ですね。唐古・鍵遺跡って弥生時代のイメージが強かったので、埴輪があるって思っていなかったのです。思い込みごめんなさい!

田原本は、唐古・鍵遺跡だけじゃない!周辺の古墳からスター選手めっちゃ出ています。重要文化財の牛さんです。こんにちは。

羽子田(はごた)1号墳出土 牛形埴輪

馬と、曳き手がセットになっている展示をはじめて見た気がします。さらにすごいのはこの1対だけでなく他にも複数セットで出土しているとのこと。馬さんの顔つきも気高く見えます。レベチ!という雰囲気を出している。

本当は馬に対して左側に立って手綱を引くのですが、展示ケースや場所の関係上反対側に立っていて「おおー!」と闘魂注入しているように見えます。

笹鉾山2号墳出土 馬と馬曳きの埴輪

唐古・鍵遺跡といえば、くるくるミラクル。あの絵画土器を確認しておかねばなりません。うわー!面白いくらいくるくるしている。

絵画土器 真ん中のニョロは鳥らしい

復元された楼閣を見に行かねば。ミュージアムから徒歩20分弱。近くに道の駅があるし、彩華ラーメンあるし、近い近い!

唐古・鍵遺跡のポーズ(非公式)

実際に、このくるくる部分はどうやって表現されていたのかな。いつかわかる時がくると楽しい。さて、ミュージアムで学芸員Sさんに教えていただいた古墳をたどりながら駅に向かうことにします。

田原本町の歴史、序章!!!

スマホ充電が残り30パーセント。写真撮りたいので電源温存したい。慌てて手書きした地図を元に巡っていきます。不安しかないです。

笹鉾1号墳

はい、迷ったー!笹鉾1号墳へ辿り着く前に、住宅街の中でぐーるぐーると回ってしまいました。あれか、唐古・鍵遺跡をもっとじっくり見なかったからぐるぐるの呪文をかけられたのか(違うよ)

墳丘上に登れると思いきや、敷地内にあった神社の合祀に伴って境内立入禁止になっていました。あなた、遠くから眺める古墳になってしまったのね。

笹鉾4号墳

こちらも眺める古墳。墳丘に近づけそう!と思って進んでいくと個人宅ー。大人しく遠くから見学しました。

「墳頂へどうぞ」

そんな声が聞こえてくる黒田大塚古墳。
墳頂へ誘う階段が嬉しい。近くにあるJR黒田駅に電車が着くのは30分後なので墳頂で景色を眺めながら休憩することにしました。調子に乗って寝転がったので、首元が痒くなったんだけれど、これは草負けか?虫か?

黒田大塚古墳

ミュージアムに2時間半、奈良県田原本町ウォーキングに2時間弱。めちゃくちゃ満喫しました。土地勘が少ーしだけついたので、次に来たらさらに楽しくなるんですよね。終わらない沼よ…


思いのままに歩き回った今回の考古旅、オットから「プリミティブな衝動やろ?」と言われて、プリミティブを検索してからそれだ!!となりました。「原始的な、根源的な」って意味らしいです。

1基でも多く古墳を巡りたいです。毎年開催している古代フェスで、更におもしろいことを企画する活力になります。