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本当に被害者支援は行き届いているのか〜アメリカのHibakusha

在外被爆者

在外被爆者〜日本国内に居住地を有していない者で、広島または長崎で被爆した経験を有するもの(Wikipedia)

原爆はアメリカが落とし日本がそれを招いた。そして被害者は広島・長崎の多数の日本人の一部の外国人(在外被爆者)である。

在外被爆者の詳細を厚生労働省の原子爆弾被爆者対策ページで知ることはできない。ただ「在外被爆者(手帳所持者)数 約2,887人(令和2年3月末現在)」という数字だけである。
本来であればどれだけの支援してきて、残念ながら既に何人の人が亡くなってしまったか明示すべきだ。それは当時国としての責任であると思う。

当時国の責任

被爆者への責任は日米両政府にある。日本は直接的に補償をする立場として、米国は国際法上の罪を許さない監督者として。
「原爆の投下については、人道上非道な行為」と安倍総理大臣も答弁しているが講和条約で勝者の戦争犯罪を擁護してもいる。

しかし現在はこのような勝者の裁きは非難される傾向にあり、人道に対する罪は戦争犯罪の公平的な訴追のためにも特別視されている。

勝者の裁き(英語:Victor's justice)〜敗者に対しては過剰または不当な処罰を行い、勝者が犯した罪に対しては軽い処罰または寛大な処置を行う。(wikipedia)
人道に対する罪〜国家もしくは集団によって一般の国民に対してなされた謀殺、絶滅を目的とした大量殺人、奴隷化、追放その他の非人道的行為(wikipedia)

近年、原爆使用の正当性について米国でも批判が高まってきており戦争の勝者だとしても、その罪からは逃れられない認識は広まってきている。

日本への原爆投下は「正しかった」か? アメリカ人の歴史認識に変化の兆し〜Forbes JAPAN 渡邊雄介

Hibakusha

英語版ウイキペディアを見てみると「Hibakusha」という項目がある。広島関連の米国ニュースでも良く見かける。米国が「 Atomic Bomb Survivors」を「Hibakusha」と表記するとき当時国としての理解と責任を垣間みる。

Hibakusha〜a word of Japanese origin generally designating the people affected by the 1945 atomic bombings of Hiroshima and Nagasaki.(wikipedia)

日系の悲劇のひとつ

ただし米国も在外被爆者約1000人に対して政府が支援することはしてない。日本政府からの補償以外に、実験被曝の米退役軍人やウラン鉱山被曝のネイティブアメリカンへの障害補償に類するものもなく忘れ去られている。

日系アメリカ人被爆者「合法的な」戦時行動の結果に対しては支払いをしないという米国政府〜Wake, Naoko. Japanese American Hibakusha. (2014, July 1). Densho Encyclopedia from https://encyclopedia.densho.org/Japanese%20American%20Hibakusha

一方で戦時中に投獄キャンプに拘禁された日系人は正式な謝罪と賠償を受けている。日本からの追加賠償を恐れて自国の被害者への救済が阻害されてきたのかもしれないことは残念だが、一部政治家(マーヴィン・M・ダイマリー、エドワード・ロイバル、ビル・グリーン、トム・ブラッドレー)による医療費支援や先の「Hibakusha」表記は、アメリカ市民の良心を感じる出来事である。

Mervyn Dymally〜マーヴィン・ダイマリー、1974年にアフリカ系アメリカ人としてカリフォルニア州議会議員に選出された最初の一人。(wikipedia)
Edward R. Roybal〜エドワード・ロイバル、元ロサンゼルス市議会。メキシコ系アメリカ人(wikipedia)
Bill Greene〜ビルグリーン、アフリカ系アメリカ人としてカリフォルニア州議会の助手として働いた最初の一人。(wikipedia)
Tom Bradley〜トム・ブラッドレー、ロサンゼルス市長。主要都市で2番目のアフリカ系アメリカ人市長。(wikipedia)

国家の不作為、被害者の不利益

国家の思惑が支援や救済を減衰させてしまうこともある。

原爆使用に非を認めることは命を捧げた軍属からの反発が大きいのは間違いない。ただその中にあっても支援を差し伸べた政治家が人種的マイノリティーであったことは特徴的だ。

ただ韓国の場合はどうだろう。本来であれば障害なく被害者の最大の利益を考えて行動できる被害国であるはずなのだが、、、

続き>本当に被害者支援は行き届いているのか〜韓国の在外被爆者(執筆中)

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