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#22 プロ野球 シーズン中に投手へ行う 肩・肘の徒手療法 

おはようございます。

投手の生命線といっていい肩・肘を、シーズンを通じて良い状態に保つのはコンディショニング担当として腕の見せ所です。アプローチの一つとして、今回は徒手療法を紹介します。。

徒手療法を用いる理由は『正常な軟部組織の機能(可動性・伸張性)を取り戻すため』です。

投手は野手と比べ、全力でボールを投げるという動作を数多く行います。 全力投球には、腕は猛スピードで加速され、投げた後にはその腕を減速しないといけません。ブレーキ時には筋肉が伸びながら力を発揮(遠心性収縮)するため、筋へのダメージは大きく、下記を考慮しないといけません。

・筋肉痛(DOMS)
・出力低下による肩甲上腕関節の安定性低下
・伸張性低下による可動域制限

これらを自動に評価してくれる機器はもちろんないので、投手は毎登板翌日に上記をチェックします。 チェック内容に関してはこちらの記事を見ていただけたら。

機能評価し、軟部組織に異常があれば徒手療法を用いて、機能改善を計ります。

手技の種類は様々ですが、選手の状態、要望、あるいは次回登板までの間隔によって使い分けます。

軟部組織・関節モビライゼーション

器具やオイルなどを使用せずに、手指で軟部組織の走行性や癒着などを動かします。あるいは関節ごとの関節運動を正常化するために、Roll, Glide, Spin 動作を受動的に動かします。

オイルマッサージ

皮膚が乾燥していたり、疲労物質などをポンプされる場合はオイルを使用したマッサージを用います。

オイルの種類は様々ですが、広がりやすく、染み込みすぎない物を好んで使用しています。

エミューオイルが最近のお気に入りです。



ツールを使用した軟部組織モビライゼーション (ASTYM)

この手技は、下記の写真のようなツールを用いて表面を摩ったり、吸ったりして刺激を与えます。これにより、血流上昇、軟部組織の再生、不適切な瘢痕組織/線維症の吸収を刺激することができます。 

個人的にこの手技を選択するケースとして、日頃からマッサージや、セルフケア、エクササイズなどを行っているが改善が頭打ちした場合が多いです。

やり方次第ですが、組織への刺激が強めですので、頻繁に行なわず、必要な時にだけというところでしょうか。


以上の手技を使用して、投球による軟部組織の損傷からの回復を促進しています。
こういった一手間が長いシーズンを乗り越える要因の一つになると自負しています。

しかし、あくまで組織が回復するには休養、時間、睡眠が必須です。マッサージなどのケアありきでリカバリーを考えないように気をつけています。





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