「ザ・バットマン」観てまいりました
さあ、今年最大の話題作である「ザ・バットマン」観てきましたよ!
簡単にいっておくと、普通に面白い!
今までのバットマン映画といえば不殺ヒーローであるはずなのに、殺すシーンがなぜか結構あったが…今回は全くない!
これが凄い。
今作のマット・リーブスは昔からバットマンの大ファンであるそうだが、やはりわかっている人が作るとこうなるんだろう。
今までのバットマン映画にありがちだった監督独自の趣味はほとんど排除されている。
これを寂しいと思うか、味気ないと思うか…まあそれは人それぞれだが個人的には大歓迎だ。
思い出せば、あれだけ不殺だったノーランシリーズでも1作目バットマンビギンズでラーズアルグールを殺していた。
バートン版に至ってはニコリ笑顔で悪役を爆殺していた。
ベンアフレック版も平気で殺していた。
と今まではそうだったのだが…今回は不殺を割と徹底している。
どれだけ腐ったヤツがいても、殺そうとはしない必要以上に追い詰めないという歴代バットマン屈指の善性を持っている。
間違いなく今までのブルース・ウェインの中で一番純粋で真っすぐなやつなんじゃないだろうか。
マイケル・キートンほどの狂気やベンアフレックほどのタフネス、クリスチャンベールのようなウザさはないが、そこがいいのだ。
よくも悪くも純粋で若く未熟で等身大のヒーローを演じている。
なんとも自然な感じでブルース・ウェインをやっている。
だからだろうかリドラーに知能戦で苦戦を強いられている場面が多くある。
この辺はまだ30歳という微妙な年齢ゆえの甘さが目立つという設定もうまくなっている。
またロバート・パティンソンのビジュアルがたまらん。
この真っすぐな目線よ…。
マスクを観た時もなんか微妙だなという感じだったけど、動く映像を観てると普通にバットマンにみえてくる。
ポリコレを配慮してかゴードンも黒人になっているが、これが人種が変わってもゴードンはゴードンなんだなと思ってしまうようなキャラクターになっている。
ゲイリーオールドマンのようなセクシーさはないが、なんというかちょっと親しみを感じてしまう小市民臭さがたまらない。
割と上司に詰められてる中間管理職的たたずまいがなんともいえない哀愁があってよいのだ。
次に本作のヴィランであるリドラーだが、これがまあ本当に気持ち悪い。
コイツが出てくるところだけホラーになっているのだ。
しかしその境遇とメッセージは真摯なものがあり、ホアキン・フェニックスのジョーカーを彷彿とさせるもの悲しさもあったりする。
「お前は親無し子かもしれないが、金と親代わりはいただろう」というセリフは胸に来るものがある。
しかもなんと声優は石田彰だ。
そう、エヴァのカヲルくんだ!!!
胡散臭い役をやらせれば天下一品の彼が本作でもその胡散臭さをいかんなく発揮しているのだ。
そして、そうそう忘れちゃいけない。
ペンギンも出てくるがこれが本作のMVPといっていいだろう。
↑GTAの中ボスに出てきそうなペンギン↑
マフィアの若頭的な存在であるが、野心家でもありボスに媚びながら出世をもくろんでいるまあ小悪党なのだが、その小物さがリアリティーを産んでいることに成功しているのだな。
わりとこういういかにもなヤクザ者っていまだに多くいますよ。
ダニー・デビートのペンギンもいいのだが、アレはちょっとかわいそうすぎる。
やはりプライドが高く、傲慢で計算高いペンギンがずーっと見たかった自分としてはようやくこのペンギンが映像化されたことを心から歓迎したい。
今までの実写版ペンギンの中でも最高クラスではないだろうか。
ゴッサムのペンギンみたいな妙なイケメンにならずによかった。
笑いどころがない本作ではこのペンギンの出てくるところだけが爆笑シーンになっている。
バートン版ほどのキテレツさも、ノーラン版ほどの哲学的セリフも、スナイダー版ほどのアクションもないが…であると同時に全方向にオススメできるそんな娯楽作になった本作を歓迎したい。
点数は
70/100点
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