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【アニメ】アグレッシブ烈子は面白いけど・・・

最近やることがないから、netflixばかりみていた。

その中で、今女性の間で人気(これも怪しいもんである)の大人向けサンリオアニメ「アグレッシブ烈子」に結構ハマっていた。面白かったのである。

過去に「王様のブランチ」で短編アニメで流れていたらしいが、みていないのでよくわからない。したがって本レビューではnetflix版にしかふれない。

確かに大人向けのサンリオアニメというのは何となくわかる、なんとキャラクターは全員社畜なのだ。しかも擬人化された動物である。

主人公の烈子は気は弱くおとなしいが、強烈なデスボイスの持ち主でカラオケで歌って発散するというどこにでもいそうなレッサーパンダ娘である。この感覚はちょっとわかる。

俺も新社会人1年生のころに勤めていた商社で働いてた時、上司や先輩との関係に疲れて一人カラオケやネカフェで荒らしとかやっていたからだ。

上司は体育会系のブタであるトン部長、上司の傍に常に立ち持ち上げる太鼓持ちのイタチ、経理係の嫌味なコモドオオトカゲのババア(こいつ一番嫌い)・・・。

あーいるいる!こういうやつ!・・・というようなキャラクターばかりが出てくる。

定時で帰ろうとしたら「あんた仕事してないのに帰るの?」とかいうやつとかもーあるあるである。

誰かが風邪で倒れたら「あいつは役に立たねークズやろうだ!」と本人のいないところでののしるやつもあるあるだ!

会社を辞めようと思ったら「お前やめんのか、根性なし」とか言ってくる上司もよくある!

深夜に放送されるほんとお花畑で絵空事なアニメとは違いこのアニメの製作者はおそらく本当にこういう経験をしたことがあるんだろーな・・・となってくる。

本編はそんな烈子が上司からのパワハラに耐えながらも頑張っていくという話だ。なんだかんだで仕事をこなしていく烈子たちは結構えらいのだ。

なるほど、これが流行ってるのか・・・なんだ男も女も関係ないじゃねーか。こういう感覚は俺にもわかるよ。

そんな風に共感を持ちながらも随所に振りまいているギャグをみて笑うというよくあるアニメの一つだ。

一番お気に入りのシーンは主人公の烈子が男子に人気のある女性社員の「角田」と仲良くなってお茶をするときに角田がこう言い切るところである。

「まず、男はほめておけばいいんですよ。」

これはものっすごいわかる。かなりこういう女性社員はいる、男子全員に愛想を振りまいてるやつ、おるー!!!!

だって、男ってほめてほしいもん!だからけものフレンズなんかはやったんだもん!!うわーこやつわかってる!!!

さらにいうと俺の姉ちゃんや従姉妹もこんな感じだった、爺ちゃんが何かをいえば「うわぁー爺ちゃんすごーい~~><」といい、持ち上げる。すると爺ちゃんは姉に小遣いをたっぷりあげるのだ。(そして本人のいないところでボロクソに言う)

あ~~いるいる!!こういうの!!!

そして、角田の言動を自分なりに真似しようと考えた烈子は同僚のハイエナくんにパソコンをなおしてもらっていうのである。

「すっご~~~~~い!!!!」


すると、ハイエナはどうなるのだろうか?もう烈子にメロメロである。

あ~~~こいつわかってる!!こりゃわかるわ!!!!こりゃ惚れてまうやろー!!!!そして、烈子卑怯だ!!!

俺はこのシーンが大好きでよく見直す。

思い出せば、商社で働いてた時もやたらと俺を持ち上げてくる女がいて・・・俺も頑張っちゃったなあ~~・・・あいつはきっと俺を駒にしようとしてたんだなあ・・とかも考え直してまたそれが楽しいのだ。

終盤はこのハイエナと烈子の片思いラブコメも話を添える。このハイエナのキャラは観ているこっち側がキュンキュンするような片思いをしてくれる。まるでその様子は昔懐かしの90年代のトレンディドラマみたいである。

あ~~~こりゃダメだああ・・・・深夜系萌えアニメで何がダメなのかというとこういうリアルな女の狡さを製作者は省いているところなんだなぁ・・・。

こりゃ女性に受けるわ・・・だってあるあるだもん・・・。

女は恋愛にリアリティや共感を求めるけど、男はロマンを求めちゃうんだよね・・・そういう生き物なんだもん。

・・・と思いつつもふと思った。

まず感覚が古いなと思ったのだ。

シリーズ最大の悪役の一人であるトン部長だが、その描き方は女性蔑視の体育会系マッチョ野郎である。女性をみれば「腰掛け!」とののしり「女はお茶さえ組めばよいのだ!」と高笑いする・・・ステレオタイプだが、今時こんなやついればすぐクビだろう。

現代的なパワハラ上司を描くならこういう直線的な暴言や差別発言をする上司よりも「君のことは考えているけど・・・君は仕事をしてないじゃないか」とか「君にも責任のある仕事をしてもらわないといけないんだ・・・。」とか「誰とは言わないが君の評判がよくないのでね・・・。」みたいな遠回しの言葉でパワハラをする上司のがより現代的だっただろう。

もう一つが彼女らが務める会社が大企業なところだ、今時こんな大企業で働く事務職のOLなんてはっきりいって絶滅危惧種もいいところだろう。

そもそも日本で大企業がなくなりつつあり、人工知能の発展によりホワイトカラーが激減するとすらされているのに・・・この描き方はいくらなんでもちょっと古すぎるのではないだろうか。

せいぜいよくて90年代だろう。

主人公の所属する経理部についても、今時経理なんて会社につき一人二人で事足りるのが現状だったりする。

主人公たちが20人ほどで働いてるが、この描写もちょっとありえないのではないかと思ってしまった。

そして、シーズンのクライマックスで年度末が訪れるが主人公たちは深夜までモーレツに働いて切り抜けるのでした・・・となる。

これだけ問題になってるのに、夜間残業は褒めたたえていいのだろうか?

さらに中盤あたりで烈子はこの会社をやめようか・・・と悩んでいる描写がある、上司からのパワハラに耐え兼ねたのだ。

俺はこの部分が生きてくるのかな?と思っていたらそういうこともなく普通に働いてるのである。

ということは製作者は上司のパワハラにはグッと耐えて働き続けよう・・・ということなのか?とも邪推できるわけである。

う~~~~~~~~~ん、どうなんだろうなあ・・・やっぱここはウソでも辞職してやめてしまうって話にしたほうがよかったんではないかなぁー・・・。

でも、それじゃ次に話続かないしなあ・・・・。

あ~~~~・・・となったところで次シーズンにつづくである。

で、ふとレビューをみたらやたらと評価が低い・・・適当に検索したらひっかかったサイトでかなり辛辣なレビューがあった。

俺は好きだが、こいつの批評もよくわかるのである。

OLってオフィスレディの略だよね?
経理でも技術でも管理でもない、特定の職業を示す言い方ではない
Wikiだと「補助的業務を担当する一般職の若い女性社員」を指すとされることが多いとある
昭和、平成の初めぐらいはそういう「補助的業務」に携わる若い女性社員の需要はまだあった
でもIT化が進んだ現在、そういう補助的業務は消えつつある
アメリカでは弁護士でさえIT化で末端の業務が消えつつあり、ホワイトカラーの雇用ピンチが叫ばれている
烈子が主人公として登場する2018年の高度に洗練された東京丸の内では
そうした補助業務は切り出しで安いコストで外部に業務委託されるか、派遣のような臨時雇用者に回されるというシビアな状況になっている


そうだよなあ・・・俺も思ったんだよ、やっぱ感覚が古いよなあ・・・。

おそらく俺はこれは90年代のトレンディドラマに青春を抱いていた製作者が作った90年代のパロディではないか?と思っている。

彼女たちが務めている会社も、チャラいキャラたちも90年代の残存物なのかもしれない・・・。

烈子とトン部長もおそらくこの世界にはもういない存在なのかも・・・・。

これは日本というかつての経済大国の化石だったのかもしれない、もしもそうなら納得する。

そんなことを思っていたら来年シーズン2をするそうだ、ちょっと続きはみてみたいかもしれない・・・。



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