見出し画像

「ファイティングファミリー」を観てまいりました。

世界一のプロレス団体WWEに現在も在籍し、若くして引退した女子レスラーペイジの自伝を映画化した本作。

間違いなく胸を張って良作だといえる出来でございました。

まず本作の見せ場であるプロレスの舞台裏のシーンですが、冒頭の部分は間違いなく英国インディーの汚さ・あたたかさが出ておりました。

そして、若き頃のペイジが経験するレスラー経験のない素人との組み合わせで苦労するやり取り・チェーンレスリングのやり方・ロープワーク・設営などはまさしく「ビヨンド・ザ・マット」で描かれていたそれそものでございます!

主演の女優もやや似てないながらも細かいペイジの動きや言動がなかなかハマっており、脇を構えるビンス・ボーンの鬼教官っぷりなど脇役もなかなか味があってよかったです。

悪役のイメージが強いレナ・ヘディは本作ではあたたかくやさしい母親を演じており、「ジャッジ・ドレッド」での悪役っぷりが雲に消し去ってしまいました・・・・。

そして、何よりもクライマックスのシーンはかつてみたWWEの一場面をそのまんま再現することに成功しており、少し感動いたしました。

さらにはAJリーってまた懐かしいなあ。

CMパンクは結局WWEに戻ってきたけど、奥さんだったAJリーはどうなるのだろうか。

あと、1番よかったのがビッグショーやシェイマス、ミズといったWWEスーパースターたちのイキイキした姿!

そう、これこれ・・・これがみたかったのよ。

TVショーのスキットの1場面のような姿はかなりよくて「この映画をみてよかったなあ・・・」とほっこりしてしまいました。

しかし、時系列や実際の違いなどには首をかしげざる負えなかったんだよね・・・。


例えば、ペイジがWWEに入団してまず二軍であるNXTを受けるんだけどその期間は劇中ではたった数カ月程度でしか描かれない。

しかし、ペイジはNXTの前にあったFCWを含めてWWEでの下住み生活は3年以上経験しておりかなり辛酸をなめていたのだ・・・。

それどころか、劇中の描写をみると完全な二軍だったNXTと養成機関であったタフイナフ、さらにはFCWがごちゃごちゃになっている。

例えば実際のペイジがWWEにトライアウトを受けたときはFCWがまだあって、そこからスカウトを受けた形となっているはずだが本作では真っ先にNXTからスカウトを受けたことになっている。

おそらく製作者もイマイチわかっていなかったのではないだろうか。

さらに本作では上記であげたシェイマスが出てくるが、ペイジがWWE1軍にデビューしたときの彼はモヒカン頭ではなく角刈りヘアだったのに彼の髪型は近年のモヒカンヘアーになってしまっている。

さらにさらに本作ではプロデューサーであるロック様ことドウェイン・ジョンソンがたびたび出てくるがペイジが1軍デビューした2014年にはほとんどセミリタイアしていた状態で、レッスルマニア後のRAWに出てくるなんてほとんどなかったはずだ。

ところが、本作では割と重要なところでロック様が出てくきてはペイジに渇を入れるシーンが出てくる。

いくら何でも前に出すぎじゃないロック様・・・・。

それからペイジが注目を受けたのはNXTで初の女子王座を保持していたという歴史があり、つまり最初からNXTの女子戦線の主役であったはずなのだがそういったところは本作では一切描かれないのだ。

また、本作のクライマックスではWWE女子王座を手にするペイジちゃんだが史実では同時にNXT女子王座チャンピオンでもあったはず。

つまりダブル女子王座だったのだが、これもばっさりカットである。ブー・・・。

あと本作では一切描かれなかったはずだがペイジはその後数年ほどWWEから離脱してしまう。

実は彼女の人生はこの離脱後のほうがめちゃくちゃ面白いのだ。


というのも惚れた相手がメキシコのアルベルト・デルリオでありWWEから離れた彼について行ってメキシコにいったのだが・・・・。

そこでトランプ大統領を中傷する動画に出たり、結局デルリオと大喧嘩を起こして警察沙汰になってしまったりとかなりのズンドコっぷりをみせていた。

おまけにNXTにいたときほかの男子レスラーとハメ撮り動画をとっていたのがネットに出回ったこともあった。

でも、この映画はファミリー向けなのでそういったエピソードは省かれてしまうのだ。ブー!!!!!

結局そうかい・・・・そういうやらかしはカットかい!!!WWEよ!!!WWEフィルムさんよ!!!

これは重ね重ね思うが、人の人生というのは奇麗なところばかりではなく汚いところややらかしもあるからこそ人生ではないのか。

どうせ映画にするならそこを描いたほうがもっとセンセーショナルな映画になっていたのではないか。

まあ、でもしゃーないよね。

本作はファミリー映画だもん。

でも、基本的には結構いい映画でおススメだよ。

結構つらいことが多かった時にみると、勇気をもらえるそんな映画かな。

総合的に言えば、つっこみどころはあるけど駄作と切り捨てるほどでもないし退屈することもないって感じですね。

ってなわけで・・・・点数は65/100点というところでおしまいにしたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?