プロレス超人列伝第19回「キング・ハク」
プロレス界には多くの猛者・曲者が多く世界中で彼らから尊敬を浴びるなどごくほんの一握りの人間にしかできない。
そんな中、世界中で「最強レスラー」といえばあの人ということで尊敬を浴びているレスラーがいる。
その男は今回紹介する、キング・ハクである。
ハクは1959年にトンガで生まれ、1974年に来日して相撲取りとして活躍していた。
しかし、親方死後の後継者問題により廃業をしてしまうという悲劇にあう。
ところが、捨てる神あれば拾う神あり1977年にハクは全日本プロレスでプロレスラーとしてデビューすることとなる。
彼にプロレスのイロハを叩きこんだのはジャイアント馬場であり、馬場の指導の下メキメキとプロレス人生を開花させていくこととなる。
その後、アメリカのNWAで武者修行を行い数多くのキャリアを構築後、1980年には日本のマットに舞い込んでくるのであった。
その後、1982年には再び日本を去りプエルトリコなどを主戦場として数多くのレスラーと試合を重ねていった。
その後、1986年全米マット侵略をもくろんでいたWWFに入団してそこで「ハク」というリングネームを得るに至る。
その後はハルク・ホーガンのライバルとして君臨しヒールとしての地位を気づいていった。
さらにあのアンドレ・ザ・ジャイアントと手を組み、コロッサル・コネクションというタッグチームでWWF世界タッグ王座を獲得したこともあった。
その後、移籍したWCWではリングネームは「ミング」に変更。
そこでもスティングやテリー・ファンク、ゴールドバーグといった様々な大物のライバルを引き受けWCWが壊滅する2001年まで在籍することとなる。
これで終わる彼ではなく、なんと2016年には新日本プロレスのリングにも上がったことがあり未だに現役であり続けている。
彼のプロレスキャリアはこのように、どこにっても順応しトップまではいかなくてもそこそこのキャリアを継いでいくという順調な人生を歩んでいる。
さあ、そんなハク…。
一見見れば真面目で地味な職人レスラーにしかみえないがハク。
確かにそれは彼の本質であるといってもいい。
だが、彼には誰も知らないある一面があった。
それは
「ケンカ最強」という隠された称号であった。
1989年、空港のバーでレスラー仲間と酒を呑んでいたハク。
そんな彼にプロレスラーだと気が付いたガラの悪い男5人組がハクを取り囲んだ、そして「プロレスはヤラセなんだろ?」とニヤニヤしながらハクに絡んだ。
大体のレスラーの場合、こうやって絡んできた地元の腕自慢をのしたという話があるがハクはそんなものを軽く超えている。
ハクは絡んできた男の一人に「ヤラセとは何かを教えてやる」というと相手の鼻にいきなり噛みついた、そして一瞬で鼻を食いちぎり地面に吐き出したそうだ。
そして、返す刀で残りのチンピラたちをボコボコにすると圧勝したのだった。
鼻を食いちぎる、到底常人では考えつくことではない。
だが、ハクにはできるのだ。
この時点でハクは我々の常識をはるかに超えた人間であることがうかがえる。
ちなみにハクはこの時、2億円にもわたる賠償金を払わされたそうだ。
また、新日本プロレスに参戦していたハクはグレートカブキとリック・フレアーと六本木で飲み歩いていると外人の大男に絡まれたことがあった。
ハクは問答無用でガラスまみれのショーウィンドウに男を投げ飛ばし、これまた大怪我をおわせたのだった。
タイガーマスクのライバルということで知られたダイナマイトキッドはWWFに在籍したときハクと仲が良く、ジミー・ジャック・ファンクというレスラーがバーに行った際にハクの知り合いの女性にしつこくナンパをしたことを聞き、怒ったハクが彼をぶちのめしたという証言を自伝の中で残している。
また別の噂によると、この際にハクはジミーの目をくりぬき、哀れなジミーは片目になったともいわれている。
だが、ハクはこの噂を否定した…。
「目をくりぬいていません、でも目を抜く準備はできていました。」
やばすぎる。
他にも、ハクはテッド・デビアスというレスラーとセントルイスの街にいた際にバーのケンカで巻き込まれ、首謀者と勘違いされた警察に誤認逮捕を受けることとなった。
その際にハクは
「なにこれ?」
といい、手錠を引きちぎったともいわれている。
こういった数々の伝説からキングハクはプロレス界最強のケンカの持ち主であったともいわれている。
また噂によると、初期のUFCでハクの武勇伝を聞きつけた関係者がハクをスカウトしようとしたが、「ハクは本当に人を殺してしまうのでダメ」ということとなったともあったともいわれている。
ここまで問題行動を起こしているハクだが、それでも世界中のファンや関係者から愛されていたのかというと、基本的に試合では相手に華を持たせるという謙虚な性格からきているのだといわれている。
キレると怖いが、なにもしなければ紳士的。
そんなハクもまた超人の一人として語られていくのだろう。
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